二点透視図法で街並みを自然に描くコツ!手順と道具選び

街並みを描くとき、奥行きが不自然に感じたことはありませんか?二点透視図法を使えば、建物の立体感を正しく捉え、プロのような迫力ある背景を描くことができます。一見難しそうに思えるパースの世界も、基本のルールさえ覚えれば驚くほどスムーズに作画が進みます。この記事では、街並みを自然に見せるコツと、制作をサポートするおすすめの道具を分かりやすく解説します。

目次

二点透視図法で街並みを描くと奥行きと迫力が一気に整う

二点透視図法は、背景描写において最も汎用性が高く、かつドラマチックな演出ができる技法です。一点透視図法が正面から見た景色に適しているのに対し、二点透視図法は建物の「角」を正面に据えるため、左右に広がる壁面の両方を描くことができます。これにより、平面的な絵に圧倒的なボリュームと実在感が加わり、見る人をその世界に引き込むような没入感が生まれます。

消失点が2つあるだけで建物が自然に立つ

二点透視図法の最大の特徴は、左右に一つずつ、合計二つの「消失点」を設定することにあります。一点透視図法がトンネルの奥の一点に向かって線が吸い込まれるような構図なのに対し、二点透視図法は建物の角から左右それぞれの消失点へ向かって線が収束していきます。この「二方向への収束」が、建物が地面に対してどっしりと立ち、空間の中に「角」という明確な基準点を作る手助けをしてくれます。

この図法を使うと、建物の側面がそれぞれ別の方向へと遠ざかっていくため、一点透視図法よりも奥行きが強調され、強い立体感を与えられます。特に街角や交差点などの複雑な風景を描く際には、この二つの点がガイドとなり、形が不自然に歪むのを防いでくれます。補助線を引く手間は多少かかりますが、その分だけ正確なデッサンが可能になり、作品全体の説得力が格段に上がります。初めて挑戦する方は、まずは立方体を二点透視で描く練習から始めると、建物が「立つ」感覚を掴みやすくなります。

道と建物の角をそろえると街がまとまる

街並みを美しく、そして自然に見せるポイントは、建物だけでなく、道や歩道も同じ消失点に合わせて描くことです。すべての要素が同じパースのルールに従っていると、街全体に統一感が生まれ、一つの完成された世界観が構築されます。建物の角となる垂直線と、地面を走る道の境界線が、同じ消失点に向かって平行な関係を保っているかを確認するだけで、違和感のない自然な街並みになります。

もし道だけがパースのルールから外れてしまうと、建物が地面から浮いているように見えたり、地面そのものが不自然に傾いているように感じられたりします。まずは建物の角となる「垂直な線」を一本地面に突き刺すように決め、そこから左右の消失点へ向かって道を広げるようにガイド線を引いてみてください。これだけで、道が奥へと続き、その両脇に建物が整然と並ぶ、奥行きのある景色が簡単に再現できます。角のラインを意識することが、バラバラだったパーツを一つの「街」にまとめる魔法となります。

目線の高さで見え方が大きく変わる

パースを描く上で絶対に欠かせないのが「アイレベル(目線の高さ)」の意識です。アイレベルは画面内の水平線(地平線)と一致しており、この線の位置を画面のどこに置くかで、街の見え方はドラマチックに変化します。例えば、アイレベルを低く設定すれば見上げるような高いビル群の迫力が出せ、逆に高く設定すれば街全体を見下ろすような俯瞰的な視点になります。

中学生や初心者の場合、まずは自分の実際の目の高さに合わせてアイレベルを設定し、そこから左右に消失点を置く練習から始めるのがおすすめです。アイレベルより上にあるものは底面が見えず、アイレベルより下にあるものは上面が見えるというシンプルなルールを意識するだけで、屋根や窓のパースが劇的に整います。この高低差のルールが分かると、建物だけでなく、そこに配置する電柱や街灯の高さも自動的に決まるようになり、空間の整合性が保たれます。視点をコントロールできるようになると、物語のシーンに合わせた自由な空間演出が可能になります。

仕上げは影と明暗でリアルさが増す

正確な線が引けたら、最後は光と影を意識して仕上げましょう。二点透視図法で描いた街並みは、建物の角を境に左右二つの大きな面を持っています。そのため、光がどちらから当たっているかを決めるだけで、一方が明るい面、もう一方が影の面という明確なコントラストが生まれます。この明暗の差こそが、線画だけの状態にはなかった重厚感と、その場に建物が存在しているというリアルさを与えてくれます。

建物が地面に落とす影(キャストシャドウ)も、パースのラインに合わせて描くことで、地面の広がりや距離感がより際立ちます。窓の内側の暗さや、ビルの隙間の濃い影などを丁寧に描き込むと、街の空気感や時間帯まで表現できるようになります。線で形を正確に追うことはもちろん大切ですが、面として光の当たり方を捉えることが、完成度の高い風景イラストを仕上げるための最後の重要なピースとなります。影を置くことで、あなたの描いた街に本当の光が差し込み始めます。

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二点透視図法で街並みを描くおすすめ練習アイテム

パースの習得には、正しい知識とそれを形にするための信頼できる道具選びが欠かせません。長い直線を引くための専用定規や、繊細な描き込みができる筆記具を揃えることで、練習の効率は格段に上がります。ここでは、街並みスケッチに役立つおすすめのアイテムを厳選して紹介します。

商品名・カテゴリ特徴・メリット公式サイトリンク
グラフィック社|パース塾基礎から二点透視まで図解で学べる入門書の決定版公式サイト
ステッドラー|方眼三角定規垂直線を正確に引くために必須のプロ仕様ツール公式サイト
三菱鉛筆|ハイユニ (Hi-uni)芯の粒子が細かく、繊細なパース線から影まで自在公式サイト
コクヨ|キャンパス スケッチブック丈夫な紙質で、何度も消しゴムを使うパース練習に最適公式サイト
ホルベイン|画用練りゴム紙を傷めずに補助線を薄く調整できるデッサンの必需品公式サイト

二点透視図法が学べるパース入門書

独学でパースを学ぶ際、最も効率的なのは図解が豊富な入門書を手元に置くことです。文字の説明だけで理解しようとせず、実際にどのような手順で補助線を引くかがステップバイステップで描かれている本を選びましょう。「なぜこの線がここに向かうのか」という理屈が視覚的に分かると、学習のハードルがぐっと下がります。

特に、街並みの作例が豊富に掲載されているものなら、そのまま模写の練習台としても活用できます。最初は複雑に見えるビル群も、本に沿って一つずつ箱を組み立てるように描いていけば、必ず形になります。良質な入門書は、迷ったときに立ち返るための「地図」のような役割を果たしてくれます。

街並みスケッチの資料集や写真集

パースの構造を理解しても、街を構成する細かなパーツ(街灯、看板、窓のサッシ、室外機など)を知らなければリアリティは生まれません。国内外の様々な街並みを収めた写真資料集は、想像力だけでは補えないディテールを教えてくれる貴重な宝箱です。

資料を選ぶ際は、パース線を引きやすい「奥行きのある構図」の写真が多く掲載されているものを選びましょう。写真の上から透明なシートを重ねてパース線をなぞる練習も非常に効果的です。実際の建物の比率や影の落ち方を観察することで、記号的ではない、生きた街並みを表現する力が身につきます。

長い直線が引ける定規と三角定規

二点透視図法では、画面の端や時には画面の外にある消失点まで長い線を引く必要があります。そのため、30cm以上の透明な定規は必須アイテムです。透明なものなら、すでに描いた下絵を確認しながら線を引けるため、大きなズレを防ぐことができます。

また、垂直線を真っ直ぐに引くために、三角定規も併用しましょう。二点透視図法において「垂直な線は常に垂直」というルールがあるため、ここが少しでも斜めになると建物が傾いて見えてしまいます。定規を滑らせながら、正確な角度を維持できる環境を整えることが、パース作画のストレスを大幅に軽減してくれます。

0.3〜0.5のシャープペンと製図用鉛筆

正確な線を引くことが求められるパース作画では、筆記具の使い分けもポイントです。補助線や細かいディテールを引くときは0.3mmの細いシャープペンを、メインの輪郭線をはっきり描くときや影のベースを作るときは0.5mmや製図用鉛筆を使い分けましょう。

製図用鉛筆は芯の硬さが均一で、削り方次第で極細の線から太い面まで自在に操れます。ハイユニなどの高品質な鉛筆は、紙への定着が良く、消しゴムで消した後の跡も残りにくいのが特徴です。道具の精度が上がれば、自分の技術がそのまま紙に反映されるため、練習のやる気も自然と高まります。

練り消しと消しゴムで明暗を整える

パースを完成させるまでには、数多くの補助線を引くことになります。最後に不要な線を消す際、紙の表面を傷めずに優しく粉を吸着できる練り消しは非常に重宝します。また、練り消しを細く尖らせれば、描き込んだ影の中から光を「削り出す」ようにハイライトを入れることも可能です。

一方で、広い面積をしっかり消したい時や、パキッとした白を作りたい時はプラスチック消しゴムが必要になります。これらを用途に合わせて使い分けることで、画面を汚さずに清潔な状態で制作を進められます。綺麗な画面は、それだけでデッサンの完成度を高く見せてくれる重要な要素です。

厚めのスケッチブックと下敷き

何度も消しゴムをかけ、強い筆圧で線を引くパースの練習には、紙の強度が欠かせません。薄いコピー用紙などではすぐにボロボロになってしまいます。表面が丈夫で、鉛筆ののりが良い厚手のスケッチブックを使いましょう。

また、意外と見落としがちなのが「下敷き」の存在です。スケッチブックの次のページに跡が残るのを防ぐだけでなく、硬い面の上で描くことで、線のヨレや震えを抑えることができます。安定した土台の上で描くことは、パース作画における正確な直線引きを強力にサポートしてくれます。

街並みが崩れない二点透視図法の描き方とコツ

街並みを描いていて、「なんだか不自然に歪んで見える」と悩む原因の多くは、最初の設定にあります。二点透視図法は論理的な技法であるため、最初の手順さえ守れば、後はパズルを組み立てるように正確に進めることができます。街並みが崩れるのを防ぎ、完成度をぐっと高めるための具体的なステップとコツを確認しましょう。

まず地平線と左右の消失点を決める

描き始めの最も重要なステップは、画面に水平なアイレベル(地平線)を引き、その線上の左右に消失点を二つ配置することです。このとき、二つの点を近づけすぎないことが最大のコツです。消失点が画面の中に寄りすぎていると、パースの角度が急激になりすぎて、建物が尖って見える不自然な絵になってしまいます。

初心者のうちは、消失点をあえて「画面の外側」に設定するくらいが、自然な街並みを表現しやすくなります。キャンバスの外にテープで別の紙を貼り、そこに消失点を打つなどして、パース線が緩やかに収束するように意識してみてください。この土台がしっかり水平・並行に保たれていれば、その後の作業で建物が傾いたり歪んだりすることはまずありません。急がば回れで、最初の点打ちに最も時間をかけましょう。

建物は箱で組み立ててから窓を入れる

いきなり窓や看板などの細部を描き込もうとするのは、形が崩れる一番の原因です。まずはすべての建物をシンプルな「箱」の集まりとして捉え、街の骨組みを作りましょう。建物の角となる垂直線を引き、そこから左右の消失点に向かってガイド線を引いて、まずは「透明なガラスの箱」が地面に並んでいる状態を作ります。

この箱が正しいパースで配置されていれば、その中にある窓やドア、屋根のラインも、箱の面に沿って描くだけで自動的に正しい形になります。窓の上下のラインも、建物の壁面が向かっている方の消失点へ繋げば良いだけです。大きな塊から小さなパーツへと、段階的に密度を上げていく手順を守ることが、プロのような説得力のある背景を仕上げる最短ルートとなります。

遠近の間隔は手前ほど広く奥ほど狭くする

街並みにリアリティを出すために絶対に意識したいのが、奥行きによる「短縮(パースの圧縮)」です。例えば、道沿いに並ぶ電柱や街灯を想像してください。自分の近くにあるものは大きく、その間隔も広く見えますが、奥に行くほど電柱は小さくなり、間隔もどんどん詰まって見えます。

これを意識せずに同じ間隔で描いてしまうと、パースの線は合っていても、距離感のバグった不思議な絵になってしまいます。消失点に近づくほど情報を密集させ、手前はゆったりと大きく描く。この緩急をつけることで、見る人の視線を自然に奥へと誘導し、深い奥行きを感じさせることができます。複雑な計算をしなくても、「奥ほど狭くなる」というルールを意識するだけで、絵の完成度は見違えるほど向上します。

描き込みより先に大きな面の明暗を作る

細かい描き込みを始める前に、街全体の「光の当たり方」を決めてしまいましょう。二点透視図法では、建物の角を境に面が左右に分かれるため、光源(太陽)の位置を決めるだけで、どちらの面が明るく、どちらが暗くなるかが一目で決まります。この大きな明暗の塗り分けを先に行うことが、リアルな空気感を作るコツです。

大きな明暗のバランスが取れていれば、たとえ窓や看板の描き込みが少なくても、空間としての強い存在感が生まれます。逆に、細部だけをどんなに細かく描いても、全体の光の整合性が取れていないと、どこか嘘っぽい絵になってしまいます。影という「大きな塊」を先に配置し、その中に細かな情報を足していく感覚で制作を進めると、迷いがなくなり、作画スピードも格段にアップします。

二点透視図法の街並みを上手に見せる要点まとめ

二点透視図法を使いこなせるようになれば、あなたの描く街並みには圧倒的な奥行きと迫力が宿ります。まずは地平線と二つの消失点を正しく設定し、シンプルな箱の組み立てから一歩ずつ進めていく。この論理的な手順を繰り返すことで、一見複雑に見える街の風景も、自分自身の手で破綻なく描き上げることが可能になります。

上達のための最大の秘訣は、日常の景色を「パースの目」で観察することです。歩いている街の建物の角がどこに向かっているか、電柱の間隔がどう変化しているか。そんな小さな発見が、あなたの描く背景に命を吹き込んでくれます。お気に入りの定規とスケッチブックを手に、ぜひ自分だけの理想の街並みを形にしてみてください。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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