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起承転結の書き方を基礎から漫画や小説に応用するコツを解説

物語や漫画を描こうとするとき、どのように話を組み立てれば読みやすくなるか悩むことは多いです。また、画材選びも迷いがちで、「何を使えばいいかわからない」と立ち止まってしまう方もいるでしょう。この記事では、初心者でも理解しやすい起承転結の基本から、漫画や小説への活用法、さらにおすすめの画材選びや上達のコツまで、創作活動を始める方のために丁寧に解説します。自分だけの物語やイラストを形にするヒントを見つけてみてください。

目次

起承転結の書き方とは初心者でも理解できる基本構成

起 承 転 結 の 書き 方

物語や文章作成において構成に迷ったとき、「起承転結」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ここでは、その意味や特徴、他の構成方法との違いまで分かりやすく説明します。

起承転結の意味と由来を知ろう

起承転結とは、日本で古くから使われてきた文章や物語の構成方法です。四つの段階「起(はじまり)」「承(展開)」「転(変化)」「結(まとめ)」で話を組み立てます。この言葉は中国の漢詩の形式に由来し、「詩や物語を分かりやすく伝えるための枠組み」として発展しました。

それぞれのパートには役割があります。まず「起」で状況や登場人物を説明し、「承」で物語を展開します。「転」では物語に変化や意外性を加え、最後の「結」でまとめて読者に納得感を伝える流れです。この構成を使うことで、誰にでも分かりやすく話を組み立てることができるため、物語やエッセイ、日記など幅広い場面で活用されています。

起承転結が文章やストーリーに与える役割

起承転結は、物語や文章に明確な流れを生み出します。最初に場面や登場人物を「起」で紹介し、「承」で出来事を積み重ねることで、読者が状況を理解しやすくなります。続く「転」では予想外の出来事が起きたり、登場人物の心情に変化が生まれたりし、物語にリズムや緊張感が加わります。

「結」で物語を締めくくることで、読者に「話が完結した」と感じてもらえるのが大きな特徴です。この流れを踏むことで、読者は混乱せず物語に集中でき、印象にも残りやすくなります。とくに初心者の方にとって、どこから書き始めてどう終わらせればよいのか悩んだとき、この型を意識すると自然とまとまりやすくなります。

起承転結を使うメリットとデメリット

起承転結を使うと、話の流れが明確になり、読者が内容を理解しやすくなります。また、書き手側も「次に何を書くべきか」が分かりやすいため、文章作成のハードルが下がります。特に初心者や、構成に自信がない方にはおすすめです。

一方で、「型」にとらわれすぎると自由な発想や独創的な展開が難しくなることもあります。たとえば、短編や詩的な文章、複雑な長編ストーリーにはこの形式がうまく当てはまらない場合もあります。メリットとデメリットを理解したうえで、自分の目的や作品の雰囲気に合わせて使い分けることが大切です。

起承転結と他の文章構成との違い

文章の構成には、起承転結以外にもさまざまな方法があります。たとえば、「序論・本論・結論」や「問題・解決・提案」などです。これらは論理的な説明やビジネス文章によく使われますが、物語性を持たせたい場合には起承転結が向いています。

起承転結は感情や物語の起伏を自然に生み出せるのが特徴ですが、論理的な伝達や説明を重視する場合は別の構成を選ぶこともあります。どの構成が適しているかは、書きたい内容や目的によって変わります。場面や用途を意識し、それぞれの強みを活かしましょう。

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起承転結の各パートごとの書き方とポイント

起 承 転 結 の 書き 方

起承転結の「どこから書けばよいのか分からない」と感じる方のために、それぞれのパートの役割やポイントを順番に紹介します。各段階を丁寧に書き分けることで、読みやすい文章やストーリーが生まれます。

起で物語や文章の土台を作るコツ

「起」は物語や文章の出発点です。ここでは登場人物の紹介、物語の舞台や状況説明、これから書かれる出来事のきっかけなどを明確にします。最初にしっかり土台を作ることで、読者が物語に入り込みやすくなります。

ポイントは「情報を詰め込みすぎないこと」と「興味を引く要素を一つ加えること」です。たとえば、舞台や人物の特徴をシンプルに描写しつつ、「なぜこの物語が始まるのか」という動機や疑問を示すと、先の展開を知りたくなります。導入部で読者を引き込む工夫をしてみましょう。

承で読者を引き込む展開にする方法

「承」は物語や文章が本格的に動き出す部分です。登場人物が行動を起こしたり、出来事が積み重なったりして、徐々に物語の核となるテーマや問題が明らかになります。ここでは読者の興味をさらに強く引きつける展開を心掛けます。

一つの方法として、登場人物に小さな課題を与えたり、問題が少しずつ深刻化したりする描写を入れるとよいでしょう。複数の出来事を重ねることで「次はどうなるのか」と読者の期待を高めることができます。承のパートでは、無理に盛り上げようとせず、自然な流れを意識しながらスムーズに話を進めましょう。

転で意外性や変化を生み出すテクニック

「転」は物語や文章に変化や意外性をもたらす重要な場面です。ここで予想外の展開や事件、登場人物の気持ちの変化などを描くことで、物語に緩急が生まれます。この部分があることで、読者の記憶に残るインパクトを持たせやすくなります。

意外性を演出するためのコツとしては、前半であえて伏線やヒントを隠し、転のパートでそれが明かされるようにする方法があります。また、登場人物の選択や価値観の変化を描くことで、物語に深みや新たな方向性を加えることもできます。転は物語の「山場」ともいえるので、焦らず丁寧に描写することを意識しましょう。

結で納得感のあるまとめ方

「結」は物語や文章を締めくくる部分です。ここで前までのエピソードや出来事が一つにまとまり、読者に「読み終えた」と感じてもらえるようにします。納得感や余韻を残すことが大切です。

まとめ方としては、物語のテーマや伝えたかったことをさりげなく表現する方法や、登場人物の「その後」の様子を描写する方法があります。また、エピソードの始まりで提示した疑問や問題をしっかり解決することで、読者に安心感を与えることができます。結を急いで終わらせず、全体の流れを振り返るような気持ちで書くのがポイントです。

起承転結を活用した漫画や小説のストーリー作成術

起 承 転 結 の 書き 方

起承転結は漫画や小説など物語を作る際にも力を発揮します。ここでは、実際にストーリーに取り入れるコツや有名作品に見る事例など、創作に役立つヒントを詳しくご紹介します。

漫画における起承転結の活かし方

漫画はページ数やコマ数が決まっているため、起承転結のバランスが大切です。冒頭の「起」でキャラクターや世界観を簡潔に説明し、「承」で日常や小さなトラブルを描きます。「転」では事件や意外な出来事を挟み、物語にメリハリをつけます。そして最後の「結」で読み手が共感できるまとめやオチを用意しましょう。

漫画で特に意識したいのは、ビジュアル的な表現です。キャラクターの表情や背景、セリフ回しなどを通して、各パートの雰囲気をしっかり伝えることが重要です。また、短いストーリーでは一コマごとに役割を持たせると、起承転結の流れが分かりやすくなります。ストーリー漫画でも4コマ漫画でも、基本を押さえることで読者の満足度が高まります。

小説で読者を引き込むストーリー構成

小説では文章だけで世界観や登場人物の心理を描きます。起承転結を意識することで、場面ごとの目的や展開が明確になり、読者を物語へスムーズに誘導できます。「起」では主人公や舞台の説明、「承」では出来事の進行や課題提示、「転」では大きな転機や事件、「結」で解決やその後の余韻を描きます。

小説はページ数にも余裕があるため、「承」や「転」をじっくり描写することが可能です。登場人物の感情の変化や、読者の期待を上手に裏切る工夫がポイントです。特に「転」に力を入れることで、物語が単調にならず、読者に印象づけることができます。自分の書きたいジャンルやテーマに合わせて、起承転結の各パートにどれくらいボリュームを割くか調整しましょう。

有名作品に学ぶ起承転結の実例

多くの名作漫画や小説は、起承転結を意識したストーリー構成になっています。たとえば、童話『桃太郎』では「起」で桃から生まれる主人公の紹介、「承」で鬼退治の旅の準備や仲間集め、「転」で鬼ヶ島でのバトル、「結」で村に帰って報酬を得るまでがしっかり描かれています。

現代の漫画や小説でも、起承転結の流れを基本に様々なアレンジが加えられています。下記のような例が挙げられます。

作品名起(導入)転(変化・山場)
桃太郎桃から生まれる鬼ヶ島の戦い
ドラえもんのび太の日常紹介道具トラブル
銀河鉄道の夜ジョバンニの生活銀河鉄道の旅

このように、物語の「山場」や「変化」が明確なことで読者の印象に残りやすくなります。実際の作品を分析して構成を学ぶのもおすすめです。

オリジナル作品を作るための起承転結応用法

オリジナルの漫画や小説を作る際、起承転結をそのまま使うだけでなく、自分なりにアレンジを加えるのも一つの方法です。たとえば転の部分を二回設けてみたり、結をあえて曖昧にしたりすることで、独自性のあるストーリーを作りやすくなります。

また、各パートにかける分量を調整することで、自分の伝えたいテーマやメッセージを強調することができます。「起」を短くしてスピーディに展開したい、「承」をじっくり描いてキャラクターを掘り下げたいなど、自分の作風や読者層に合わせて工夫しましょう。起承転結はあくまで「ガイドライン」と考え、柔軟に活用することが大切です。

起承転結を活用した文章や物語を書く実践的なコツ

起 承 転 結 の 書き 方

実際に物語や文章を書く際、起承転結をどう意識すればよいか悩む方も多いです。ここでは、構成を考えるポイントや書いた後の見直し方など、すぐに使える具体的なアドバイスをご紹介します。

起承転結の構成を考える際の5つのチェックポイント

起承転結を考えるとき、以下のチェックポイントを意識することで、スムーズに構成を組み立てやすくなります。

  • 起で「主人公・場面・動機」が明確か
  • 承で「出来事や問題」が自然につながっているか
  • 転で「変化・意外性」がしっかり描かれているか
  • 結で「納得できるまとめ」や「余韻」があるか
  • 全体のバランスが取れているか

これらをメモに書き出し、アイディア段階で確認すると、物語の流れを客観的に見直すことができます。途中で迷った場合も、どのポイントが弱いか分かるため便利です。

起承転結を意識したプロットやネーム作成の方法

物語の構成を考える際には、まず簡単なメモや箇条書きでプロット(あらすじ)を作成するのがおすすめです。各パートごとに「どんな出来事を入れるか」「どんな変化を起こすか」を書き出し、全体をイメージします。

漫画の場合は、ネーム(コマ割りの下描き)を作りながら「ここが起」「ここが転」などと分けて考えると、無駄なく展開を組み立てやすくなります。プロットやネームの段階で修正を重ねておくと、実際に執筆や作画に入ったときに「流れが分かりにくい」といった悩みが減らせます。

書いたあとに見直すべき起承転結のポイント

物語を書き終えたら、起承転結の流れがきちんと成立しているかを見直しましょう。とくに「転」の部分が弱いと、物語が単調になってしまいます。「起」や「承」で提示した疑問や問題が「結」でしっかり回収されているかも大切なチェックポイントです。

また、全体の長さやテンポが一部に偏っていないかも確認しましょう。たとえば「起」が長すぎると導入で飽きてしまうことがあります。文章を声に出して読んだり、他の人に読んでもらったりすることで、客観的にチェックするのもおすすめです。

起承転結の型を崩して自由に表現するコツ

起承転結は便利な枠組みですが、必ずしも守らなくてはいけない決まりではありません。物語の終わりをあえて曖昧にしたり、「転」から始めて読者を驚かせたりする手法もあります。

また、複数の物語を並行して描く場合や、時系列を前後させる場合は、各エピソードごとに小さな起承転結を作ることで全体にまとまりを持たせることができます。自分の作風や伝えたいことに合わせて、柔軟に構成をアレンジしましょう。

漫画制作におすすめの画材と選び方ガイド

漫画制作に初めて挑戦する方や、画材選びに迷う方へ。ここでは、初心者向けの画材からプロの愛用品、デジタルとアナログの違い、そして画材を使いこなすコツまで幅広くご紹介します。

初心者に扱いやすい漫画画材の種類

漫画制作を始める場合、扱いやすい画材を選ぶことが大切です。初心者におすすめの画材には以下のようなものがあります。

  • シャープペンシルや鉛筆:下描きやラフに最適
  • 消しゴム:細かい修正ができる
  • コピックや水性マーカー:色塗りや仕上げに便利
  • コミック用インク:ペン入れに使いやすい
  • スクリーントーン:背景や効果表現に活躍

特に最初はセットで販売されている「漫画入門セット」などを活用すると、一通り必要な道具がそろえられます。また、紙もある程度厚みのあるものを選ぶと、インクのにじみや裏移りが少なくなります。まずは基本の道具から試してみることをおすすめします。

プロも愛用するペンやインクの選び方

プロの漫画家がよく使う画材には、つけペン(Gペン・丸ペン等)と専用インクがあります。ペン先の種類によって線の太さや強弱が変わるため、自分の描きたい絵柄に合うものを選びましょう。

ペン先の種類特徴用途例
Gペン太細の強弱がつく主線・人物線画
丸ペン細かい線が描ける髪や装飾
サジペン安定した線が出る背景・小物

インクも乾きやすさや色の濃さで種類があります。耐水性があるインクは、トーンや彩色の際ににじみにくいのが特徴です。いろいろ試して、自分の手になじむものを見つけることが大切です。

デジタルとアナログで揃えたい画材の違い

最近はパソコンやタブレットを使ったデジタル漫画も人気です。デジタルの場合、必要な道具は主に以下になります。

  • ペンタブレットまたは液晶タブレット
  • パソコンやタブレット端末
  • 専用イラストソフト(クリスタ、SAIなど)

一方、アナログは紙やペン、インクなど実際に手で描く道具が必要です。デジタルは修正や加工が簡単で、色塗りや効果も幅広く対応できますが、手描きの雰囲気や質感はアナログ画材の魅力です。それぞれの特長を活かして、自分に合ったスタイルを選びましょう。

画材を使いこなすための練習法とアイデア

画材を上手に使いこなすには、日々の練習が欠かせません。まずは簡単な線の練習や、模写(好きな作品の一部をまねて描く)から始めてみましょう。繰り返し描くことで手が慣れてきます。

また、1枚の紙に「さまざまな線・模様・質感」を描いてみる、あるいはペンやインクの種類ごとに描き比べてみるのもおすすめです。デジタルの場合は、レイヤー機能を活用したり、ブラシの設定を変えたりして自分なりの描きやすさを追求するのもよいでしょう。練習を積み重ねることで、自分だけの描き味や表現方法が見つかります。

まとめ:起承転結の書き方と画材選びで創作をもっと楽しく

物語や漫画を創作するとき、起承転結の構成を意識することで、ストーリーがまとまりやすくなり、読者にも伝わりやすくなります。また、画材選びや使い方を工夫することで、イラストや漫画がさらに楽しくなります。初心者の方も少しずつ練習や工夫を重ねて、自分だけの作品作りを進めてみてください。一歩ずつ経験を積むことで、創作の幅が広がり、達成感や喜びも増えていくはずです。

世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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