漫画やイラストを描きたいけれど、どのシャーペンや画材を選べばよいのか迷っていませんか。使いやすい道具を見つけることで、描く楽しさや仕上がりの満足度も大きく変わります。
今回はアナログイラスト制作に役立つシャーペンや画材の選び方から、テクニック、最新の補助グッズまで、初心者の方にも分かりやすくご紹介します。自分に合った画材で、イラストをより楽しく描いてみましょう。
アナログイラストに最適なシャーペンの選び方

アナログでイラストを描くとき、シャーペン選びはとても大切です。描きやすさや表現力に大きく関わるポイントを、具体的に見ていきましょう。
製図用シャーペンと一般用シャーペンの違いを知ろう
製図用シャーペンは、細かい線を正確に描くために設計されています。軸がしっかりしていて、細い芯にも対応しているため、イラストの線画や細部の描写に向いています。一方、一般用シャーペンは文房具として幅広く使われており、持ちやすさや価格、デザインなどのバリエーションが豊富です。
たとえば、製図用はペン先が金属パイプで芯のブレを抑え、複雑な部分もしっかりコントロールできます。一般用は手軽に使えるため、ラフスケッチやアイデア出しに適しています。イラストの用途や自分の描き方に合わせて、どちらが合うか考えてみるとよいでしょう。
芯の太さと濃さが描きやすさを左右する理由
芯の太さには0.3mmや0.5mm、0.7mmなどがあります。細い芯(0.3mm)は繊細な線を描くのに適していますが、折れやすい面もあります。逆に太めの芯(0.5mmや0.7mm)は線に強弱がつけやすく、ラフや塗りつぶしにも便利です。
また、芯の濃さはH、HB、Bなどで表示されます。Hは硬めで薄い線、Bは柔らかく濃い線が出ます。スケッチにはHBやB、細部にはHや2Hを使い分けると、表現の幅が広がります。芯の選び方ひとつで、描き心地や完成度が変わるので、いろいろ試してみると良いでしょう。
イラスト向けシャーペンの重心やグリップの特徴
イラスト制作向けのシャーペンでは、重心の位置やグリップの形状も重要です。重心が低いと安定して線が引きやすくなり、長時間描いても手が疲れにくくなります。グリップ部分はラバーやシリコン素材が使われているものが多く、滑りにくくしっかり持てるのが特徴です。
手にしっくりくるかどうかは、実際に持ってみるのが一番です。お店で試し書きをしたり、口コミを参考にして、自分の描き方に合ったものを選ぶと作業が快適になります。握ったときの感触や重さにも注目してみてください。
プロと初心者でおすすめが変わるポイント
プロと初心者では、シャーペンに求めるポイントが異なります。プロは細かな作業や長時間の描画に耐えられる耐久性、芯のぶれにくさ、精密なコントロール性などを重視します。たとえば、製図用で芯の出具合を微調整できるモデルが人気です。
初心者の場合は、まずは手に馴染みやすく、扱いやすい一般用やイラスト向けのモデルがおすすめです。複雑な機能よりも、持ちやすさや価格に注目して選ぶと始めやすくなります。段階を踏んで、使いやすさを体験しながら自分に合ったものを見つけていくとよいでしょう。
デザインや機能も重視したい場合の選び方
シャーペンは道具としてだけでなく、デザインや使い勝手も気になるポイントです。カラーや質感、クリップの有無や消しゴム付きなど、見た目や機能性も様々です。オシャレなデザインや好きなキャラクターが描かれたものを選ぶと、描くモチベーションも上がります。
また、芯が自動で回転して均一に削れるタイプや、芯が折れにくい構造のモデルも人気です。以下のような観点で選んでみましょう。
機能 | 特徴 | 適した用途 |
---|---|---|
自動回転機能 | 芯が均一に削れる | 線画・細部描写 |
折れにくい芯 | 長時間でも安心 | ラフ・スケッチ |
デザイン重視 | 好みの見た目 | モチベ維持 |
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シャーペンイラストが人気の理由とメリット

近年、シャーペンで描く細密なイラストが人気を集めています。なぜシャーペンが多くの人に選ばれているのか、その理由やメリットを解説します。
鉛筆と比べたシャーペンイラストの使い勝手
鉛筆は幅広い表現が可能ですが、芯が短くなると持ちにくく、削る手間もあります。これに対し、シャーペンは芯が途切れることなく、同じ太さのまま最後まで使えるのが大きな特徴です。芯を交換するだけで、安定した描き味が維持できます。
また、持ち運びやすく、場所を選ばずにさっと描けるのも魅力です。芯や本体が汚れにくい点もイラスト制作者に好まれています。鉛筆と比べて、作業の手間や不便さが少ないため、スムーズに制作を進められます。
均一な線や細部表現に強いシャーペンの魅力
シャーペンは芯の太さが一定なため、どこで描いても同じ幅の線が引けます。これにより、キャラクターの輪郭や細かな装飾もムラなく描くことができます。イラストの細部にこだわりたい場合や、線の美しさを重視したいときに力を発揮します。
均一な線が描けることで、作品全体の仕上がりが安定します。漫画原稿やイラストの清書作業にも向いているため、多くのクリエイターがシャーペンを愛用しています。
芯が折れにくい最新モデルの進化
最近では、芯自体やシャーペンの構造が進化し、折れにくさも大きく向上しています。芯が回転して摩耗を分散させたり、芯にクッション機構を持たせて力のかかり方を調整したりするモデルも登場しています。
これにより、強く描いても芯が折れにくくなり、制作のストレスが軽減されます。イラスト練習やラフスケッチの際も、安心して使える点がメリットです。芯折れによる中断が減ることで、集中して描き続けられるようになります。
消しゴムとの相性や修正しやすさ
シャーペンで描いた線は、消しゴムで簡単に消すことができます。特に、HBやB、2Bなど濃いめの芯は消しやすく、修正作業もスムーズです。専用の消しゴムや練り消しを使えば、部分的に細かく消すことも可能です。
修正を重ねながら少しずつ作品をブラッシュアップできる点は、シャーペンならではの良さです。間違いやすい部分も安心して描き直せるので、初心者から上級者まで幅広く利用されています。
作品保存やスキャンのしやすさ
シャーペンで描いたイラストは、鉛筆よりも紙に定着しやすく、こすれによる汚れが少ない特徴があります。このため、作品をきれいなまま長く保存しやすいです。
また、スキャナーでデータ化するときも、線がハッキリと写るためデジタル編集もしやすくなります。原稿をSNSやポートフォリオに掲載する際も、仕上がりが美しく見える点が支持されています。
アナログイラストで活躍するおすすめ画材

イラストをもっと豊かに仕上げたい方には、シャーペン以外の画材もぜひ取り入れてみてください。ここでは線画や着彩、補助道具まで、おすすめのアイテムをご紹介します。
線画に向くミリペンやサインペンの活用法
線画を美しく仕上げるには、ミリペンやサインペンが便利です。ミリペンは0.03mmから1.0mmまでさまざまな太さがあり、細い線から力強いラインまで描き分けることができます。インクの発色が良く、にじみにくいものが多いです。
サインペンは筆圧によって線の強弱をつけやすく、イラストの雰囲気に変化がつけられます。線画の主線や装飾部分など、用途によって使い分けると表現の幅が広がります。ペンの種類ごとに描き心地が違うので、試し描きして自分に合ったものを選びましょう。
コピックや色鉛筆など着彩用画材の選び方
着彩にはコピックや色鉛筆が人気です。コピックはアルコールマーカーで、発色の良さとグラデーションの作りやすさが特徴です。広い面積もムラなく塗れ、重ね塗りもきれいに仕上がります。
一方、色鉛筆は柔らかい色合いや細かな表現が得意です。重ね塗りやぼかしなど、多彩なテクニックが使えます。以下の表にまとめました。
画材 | 特徴 | 向いている表現 |
---|---|---|
コピック | 発色・重ね塗り | 鮮やかな着彩 |
色鉛筆 | 柔らかな質感 | 細部や淡い色彩 |
透明水彩やアクリル絵の具の特徴
透明水彩は、水で薄めて柔らかなグラデーションや透けるような色彩を作ることができます。乾くと淡い質感に仕上がり、自然な雰囲気を出したいときにぴったりです。
アクリル絵の具は、発色が強く、乾くと耐水性になるのが特徴です。重ね塗りや立体感の表現が得意で、しっかりとした仕上がりを目指したい場合におすすめです。どちらも扱いやすいセットが市販されているので、初心者でも手軽に始められます。
紙質やスケッチブックの選び方
イラストの仕上がりは紙質に大きく左右されます。シャーペンやミリペンには、なめらかな表面の上質紙が適しています。コピックや水彩を使う場合は、厚みがありインクのにじみに強い専用紙が良いでしょう。
スケッチブックはサイズや枚数、綴じ方もさまざまです。持ち運びやすさや描きたいサイズ感を考えて選びましょう。迷ったときは、画材店でサンプルをさわって比べてみるのもおすすめです。
消しゴムや定規など補助道具のおすすめ
細かい修正には、練り消しゴムやペン型の消しゴムが便利です。練り消しは手で形を変えられるので、部分的な修正やトーン調整に適しています。ペン型消しゴムは、細かな線や狭い部分をピンポイントで消すことができます。
定規や曲線定規も線画には役立ちます。円や曲線を正確に描きたいとき、安定した直線を引くのに重宝します。用途ごとに使いやすい補助道具を揃えると、作業の効率がアップします。
シャーペンでイラストを描く時のコツとテクニック

シャーペンイラストをワンランク上げたい方のために、線の使い分けや芯の活用法など、役立つテクニックを紹介します。
線の太さや濃淡を使い分ける工夫
線の太さや濃淡を意識して使い分けると、イラストに立体感や奥行きが生まれます。たとえば、キャラクターの輪郭は太めや濃い線、細部や髪の毛には細く薄い線を使うと、メリハリがつきます。
同じシャーペンでも、筆圧や芯の角度で表情が大きく変わります。描きたい部分ごとに線の表現を工夫してみてください。
芯の硬さごとの表現方法
芯の硬さによって線の質感が異なります。Hや2Hなど硬めの芯は、薄くシャープな線が描けるので、下書きやガイドラインに向いています。反対にBや2Bなど柔らかい芯は、濃くしっかりした線が出るので、仕上げや影の表現に便利です。
複数の芯を使い分けることで、同じイラストでも表情や雰囲気を変えることができます。用途に合わせて芯を替えながら描くと、より完成度の高い作品が目指せます。
力加減で生まれるタッチの違い
線の強弱や濃淡は、手の力加減でもコントロールできます。優しくなぞれば薄く繊細な線、しっかり押さえれば力強い線が描けます。タッチを使い分けることで、質感や立体感を表現できるようになります。
描くときは腕や手首全体を使い、バランス良く力を入れると疲れにくくなります。練習を重ねて、自分の力加減のクセを知ることも大切です。
シャーペンイラストの清書と仕上げ方
下書きが完成したら、上からミリペンや濃い芯で清書していきます。線が重ならないように丁寧になぞり、余分なガイドラインは後から消しゴムで消します。このとき、紙がこすれて汚れないように、紙の下に別紙を敷くと安心です。
清書後は全体を見直し、必要に応じて細部を整えましょう。仕上げに消しゴムで不要な線を消すと、よりすっきりとした印象にまとまります。
失敗しにくい芯の管理方法
シャーペンの芯は、湿気や衝撃に弱いため、管理にも注意が必要です。芯ケースに入れたまま持ち歩いたり、使わないときはフタをしっかり閉めたりしておくと、折れやすさや劣化を防げます。
また、芯が途中で折れて出てこなくなるトラブルは、詰め込みすぎや芯詰まりが原因です。定期的にシャーペン内部を掃除し、芯は数本ずつ補充しましょう。芯の長さや状態もこまめにチェックすると、安心して制作に集中できます。
シャーペンの芯や補助グッズにもこだわろう
イラストの仕上がりを左右するのは、本体だけでなく芯や補助グッズも同じです。使い勝手や表現力をアップさせる選び方や活用法をご紹介します。
イラスト制作に最適な芯の硬さと太さ
イラスト制作用の芯は、0.3mmや0.5mmなど細めが主流です。細かい描写には0.3mm、バランス重視なら0.5mmがおすすめです。硬さはHBやBが人気ですが、下書きにはHなど薄め、仕上げにはBなど濃いめを使い分けると便利です。
芯の種類によって線の表現が変わるので、色々な組み合わせを試してみると、自分に合う芯が見つかります。メーカーごとの描き心地の違いにも注目してみてください。
カラー芯や特殊芯を使った表現テクニック
カラー芯は、ブルーやレッドなど色分けした下書きや、淡い陰影表現におすすめです。書いた線が消しやすい色芯もあり、清書時にガイドラインを自然に消せます。グレーやブラックの特殊芯も、独特の質感や強弱を出すのに役立ちます。
芯を使い分けると、イラストに深みやニュアンスが生まれます。色芯はセット売りされているものも多いので、数色持っていると便利です。
芯ケースやリフィルケースの使い分け
芯ケースは芯をまとめて持ち歩くのに便利です。透明タイプや色ごとに仕分けできるケースもあり、複数の芯を使う方におすすめです。芯が混ざらないようにすることで、描きたいときにすぐ取り出せます。
リフィルケースは、シャーペン本体に収納できるタイプもあり、外出先や制作現場での補充がスムーズになります。自分の使い方に合わせてケースを選ぶと、作業効率が上がります。
芯の持ち運びや保管のポイント
芯は衝撃や湿気に弱いため、しっかりしたケースで保管するのが基本です。持ち運ぶ際は、芯が割れないようクッション材が入ったケースや、芯専用のポーチを使うと安心です。
長期間使わない場合は、直射日光や高温多湿を避けて保管しましょう。芯が傷まないように、定期的に状態を確認することも大切です。
芯削りや芯ホルダーの活用法
芯削りは、芯の先端を細く整えるための道具です。シャーペンの芯をさらに鋭くすることで、より繊細な線が描けるようになります。特に細密画や緻密なイラスト制作に役立ちます。
芯ホルダーは、鉛筆のような太い芯をセットして使う筆記具です。長い芯が使えるため、持ちやすさや描き心地がアップします。それぞれの特長を活かして、作業に合わせて使い分けると便利です。
デジタルイラストとアナログイラストの違いと使い分け
イラスト制作はデジタル派とアナログ派に分かれがちですが、それぞれに異なる魅力と役割があります。自分に合ったスタイルを見つける参考にしてください。
アナログ画材とデジタル機材それぞれの特徴
アナログ画材は手で直接描くため、紙や画材の質感、道具ごとの違いを楽しめます。失敗しても消しゴムや修正液で手直しでき、物理的な作品として残せるのが特徴です。
デジタル機材は、パソコンやタブレットで制作します。レイヤーや取り消し機能を活用でき、色数や修正の自由度が高いのが魅力です。複製やデータ管理も簡単なので、SNSや印刷にも適しています。
どちらが自分に合うか見極めるポイント
アナログは「描く手ごたえ」や「素材の感触」を大切にしたい方に向いています。一方、デジタルは「効率重視」や「編集のしやすさ」を求める方におすすめです。
自分の作風や制作目的、作業環境を考えながら、どちらが合うか試してみるとよいでしょう。最近では両方を使い分ける方も増えています。
アナログからデジタルへの移行方法
アナログで描いたイラストをデジタル化したい場合、スキャナーやスマートフォンのカメラを使って取り込む方法が一般的です。画像編集ソフトで補正や色付けを行えば、デジタル作品として仕上げることができます。
移行の際は、線がきれいに写るようにスキャン解像度やコントラストを調整しましょう。アナログで下書きを、仕上げはデジタルでという使い分けも効果的です。
両方のメリットを活かすハイブリッド制作
ハイブリッド制作とは、アナログとデジタルの良いところを組み合わせる方法です。たとえば、下書きは紙に描き、線画や着彩はデジタルで仕上げると、独特の風合いと効率を両立できます。
両方の画材を使うことで表現の幅も広がるので、自分のスタイルを探しながらチャレンジしてみてください。
イラスト制作環境の整え方
快適な制作には、道具だけでなく作業スペースも大切です。アナログの場合は、机の広さや明るさ、画材の収納場所に工夫しましょう。デジタルでは、パソコンやペンタブレットの設置や、目に優しい照明環境が重要です。
自分が集中しやすい環境を整えることで、より楽しく、効率的にイラスト制作が進められます。
まとめ:自分に合った画材でアナログイラストをもっと楽しもう
アナログイラスト制作は、道具選びと工夫次第で誰でも楽しむことができます。シャーペンや芯、補助グッズ、着彩画材など、自分に合ったものを見つけることで、作品づくりの幅も広がります。
描く工程そのものも大切な体験です。さまざまな画材を試しながら、自分なりの表現を楽しんでみてください。イラスト制作の時間が、より豊かで充実したものになるはずです。
世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。
