レジン磨きにピカールは使える?白く曇らせずツヤを出す手順とおすすめ道具

レジン作品を作っていると、表面が曇ってしまったり、型から出した跡が気になったりすることがあります。そんな時に役立つのが、金属磨きとして有名な「ピカール」です。本来は金属用ですが、実はレジン磨きにも非常に効果的です。ただし、使い方を間違えると逆に曇ってしまうこともあります。ピカールの特徴を正しく理解して、まるで宝石のような透明感を手に入れるコツを学んでいきましょう。

目次

レジン磨きにピカールを使うとツヤは出る?仕上がりの違い

ピカールは非常に細かい研磨剤が含まれた液状のコンパウンドです。金属をピカピカにするのと同様に、レジンの表面にある微細な凹凸を削り取ることで、鏡のような光沢を生み出すことができます。安価で手に入りやすいため、多くの作家さんに愛用されていますが、レジンの種類や状態によって仕上がりに差が出ます。まずは、ピカールが得意なケースと苦手なケースを把握しておきましょう。

透明感が戻るケースと戻りにくいケースがある

レジンの透明感が綺麗に戻るのは、主に表面がしっかりと硬化しており、事前のやすり掛けが丁寧に行われている場合です。ピカールはあくまで「仕上げ」のための研磨剤なので、表面がツルツルに近い状態であれば、短時間で驚くほどの輝きを取り戻すことができます。UVレジンでもエポキシレジンでも、完全に硬化していれば問題なく使用可能です。

逆に透明感が戻りにくいのは、レジンの硬化不足が原因である場合が多いです。表面がわずかにベタついていたり、中までしっかり固まっていない状態で磨くと、研磨剤が表面に食い込んでしまい、かえって白く濁ってしまうことがあります。また、大きな気泡が表面に露出している場合も、その穴に研磨剤が入り込んでしまい、仕上がりが美しくなりません。

さらに、着色料を入れすぎたレジンも注意が必要です。顔料の密度が高いと、研磨によって表面の質感が変わり、思ったようなツヤが出ないことがあります。まずは小さなパーツでテストをして、自分の使っているレジン液とピカールの相性を確認することをお勧めします。

白く曇る原因は細かい傷が残っていること

ピカールで磨いているのに表面が白く曇ってしまう最大の原因は、事前の「やすり掛け」の段階で残った深い傷です。ピカールの研磨粒子は非常に細かいため、大きな傷を消す力はありません。表面の凹凸にピカールの粒子が入り込み、光が乱反射することで、私たちの目には「白く曇っている」ように見えてしまいます。

これを防ぐには、耐水ペーパー(紙やすり)の番手を適切に上げていくことが不可欠です。例えば、400番で付いた傷は800番で消し、800番の傷は1500番で消す、というように段階を踏む必要があります。ピカールを使う直前の段階で、表面が「しっとりとした曇りガラス」のような状態まで滑らかになっていれば、磨いた瞬間に透明な膜が現れるような快感を味わえるでしょう。

また、磨く際に使う布が汚れていたり、硬い素材だったりしても傷の原因になります。柔らかいマイクロファイバークロスや、使い古した清潔な綿のTシャツなど、レジン表面を傷つけない布を選ぶことも、曇りを防ぐための大切なポイントです。

仕上げ向きで深い傷には向きにくい

ピカールは研磨剤の中でも「最終仕上げ」に近いポジションにあります。そのため、レジンを型から出した時にできる大きなバリ(はみ出し)や、深いひっかき傷を削り落とす能力はありません。無理にピカールだけで深い傷を消そうとすると、余計な摩擦熱が発生してレジンが変質したり、形が歪んでしまったりする恐れがあります。

基本的には、目に見える段差や傷はやすりを使って整えるべきです。ピカールの役割は、やすりで作った極限まで細かい傷をさらに平らにし、光を綺麗に反射させる状態にすることだと考えてください。この役割分担を意識するだけで、作業効率は格段に上がります。

もし、やすり掛けの手間を省きたい場合は、ピカールの前に「粗目」のコンパウンドを挟むのが効果的です。段階を追って粒子のサイズを小さくしていくことで、最終的にピカールを使った時の輝きがより一層深まります。焦らずに一段ずつステップを登ることが、プロのような仕上がりへの近道です。

安全に使うなら少量と短時間が安心

ピカールには灯油のような独特の臭いがあり、石油系の溶剤が含まれています。そのため、レジンの種類によっては長時間液体に浸かった状態になると、表面がわずかに膨潤したり、後から黄変しやすくなったりする可能性がゼロではありません。安全に、かつ美しく仕上げるためには「少量」を「短時間」で使い切るのが鉄則です。

磨く際は、布に直接ドバっと出すのではなく、一滴ずつ垂らすようにして使いましょう。一度に広範囲を磨くよりも、小さな範囲を集中して磨き、ツヤが出たら次の場所へ移動するという方法が失敗を減らせます。また、溶剤の成分がレジンに残らないよう、磨き終わったらすぐに拭き取り、洗浄することが重要です。

作業場所の換気もしっかりと行いましょう。ピカールの成分は揮発しやすいため、密閉された部屋で長時間作業すると気分が悪くなることがあります。肌が弱い方はビニール手袋を着用するなど、自分自身の安全にも配慮しながら作業を楽しんでください。丁寧な扱いは、作品の品質を守ることにも繋がります。

「漫画で何を伝えるべきか」がわかる本!
著名な先生方のお話が満載で充実の一冊。

レジン磨きがはかどるおすすめ研磨アイテム

レジン磨きを成功させるには、ピカールだけでなく補助的なアイテムを組み合わせることが大切です。2026年現在、多くのクリエイターに支持されている定番から最新のアイテムまでをご紹介します。

日本磨料工業 ピカール液

最もポピュラーな液状タイプの金属磨きです。非常に細かい研磨剤が配合されており、レジンの最終仕上げに使うとガラスのような光沢が得られます。

項目内容
特徴伸びが良く、広範囲を磨くのに適している
適した工程最終の鏡面仕上げ
公式サイト日本磨料工業株式会社 公式サイト

日本磨料工業 ピカールネオ

従来のピカール液の独特な臭いを抑えた、水溶性の新しいタイプです。室内での作業が多いレジン作家さんにとって、臭いが少ないのは大きなメリットです。

項目内容
特徴低臭気で扱いやすく、拭き取りもスムーズ
適した工程室内での精密な仕上げ作業
公式サイトピカールネオ 製品情報

タミヤ コンパウンド(粗目)

模型メーカーとして信頼の厚いタミヤのコンパウンドです。ピカールを使う前の段階で、やすりの傷を効率よく消すために使用します。

項目内容
特徴粒子のサイズが揃っており、傷消しが早い
適した工程耐水ペーパー後の第一段階研磨
公式サイトタミヤ 公式サイト ツール一覧

タミヤ コンパウンド(細目)

粗目で磨いた後に使用することで、さらに表面を滑らかにします。ピカールへの橋渡しとして非常に重要な役割を果たします。

項目内容
特徴均一な磨き跡になり、曇りが取れ始める
適した工程中間仕上げ
公式サイトタミヤ 公式サイト コンパウンド(細目)

タミヤ コンパウンド(仕上げ目)

ピカールと同等、あるいはそれ以上に細かい粒子を持つ仕上げ用です。ピカールと使い分けることで、より深い光沢を目指せます。

項目内容
特徴非常に高い透明感と鏡面光沢が得られる
適した工程最終鏡面仕上げ
公式サイトタミヤ 公式サイト コンパウンド(仕上げ目)

マイクロメッシュ(Micro-Mesh)研磨シート

布のような柔軟性を持つ高精度の研磨シートです。1500番から12000番までの非常に細かいラインナップがあり、ピカールの前の下地作りに最適です。

項目内容
特徴破れにくく水洗いで繰り返し使える
適した工程ピカール前の精密な下地作り
公式サイトマイクロメッシュ 販売店ページ(参考)

フェルトバフ(ミニルーター用)+研磨クロス

効率よく磨くためのツールです。ミニルーターに取り付けるフェルトバフにピカールを少量つけて回すと、手磨きよりも圧倒的に早くツヤが出ます。

項目内容
特徴凹凸のある複雑な形状の磨きに便利
適した工程効率重視の磨き作業
公式サイトプロクソン ミニルーター用先端工具

ピカールでレジンを磨く手順ときれいに仕上げるコツ

ピカールを使って最高の結果を出すには、準備から後片付けまでの一連の流れを丁寧に行うことが大切です。ただ塗ってこするだけでは、本来の性能を活かしきれません。プロのようなツヤを安定して出すための、具体的な4つのステップを確認していきましょう。

耐水ペーパーで段階的に傷を消してから磨く

ピカールを塗る前に最も重要なのが、下地作りです。まずは400番〜600番程度の耐水ペーパーでバリを取り、形を整えます。その後、800番、1000番、1500番、2000番と順番に番手を上げていきます。ここでのコツは「前の番手の傷が完全に消えるまで磨く」ことです。例えば1000番で磨くときは、800番で付いた傷がすべて消えるまでしっかりと手を動かします。

2000番まで磨くと、レジンはうっすらと透明感が出てきます。さらに仕上がりを追求するなら、3000番やマイクロメッシュの12000番まで進めると完璧です。この下地が滑らかであればあるほど、後のピカール作業が楽になり、数回こするだけでパッと視界が開けるような透明感が出ます。焦って番手を飛ばさないことが、結果的に時短に繋がります。

ピカールは布に少量出して円を描かずに磨く

下地が整ったら、いよいよピカールの出番です。柔らかい布に、ピカールをパール一粒分ほど出します。ここで多くの人がやってしまいがちなのが、円を描くように磨くことです。円を描くと、研磨剤が同じ場所を何度も通り、熱を持ちやすいうえに、細かな「円形の磨き傷」が目立ちやすくなります。

おすすめは、一定の方向に直線的に動かすことです。縦、横、斜めと、方向を変えながら直線で磨くことで、傷が分散され、より均一な面が出来上がります。力は入れすぎず、布の繊維で表面を優しく撫でるようなイメージで行いましょう。ピカールが乾いてくると摩擦が強くなるので、乾ききる前に布の新しい面を使うか、微量のピカールを足して滑りを維持してください。

磨いている途中で、時々布の乾いた部分で軽く拭き取り、光の当たり方を変えてチェックします。特定の角度から見て曇りが残っている場合は、その部分だけ再度集中的に磨きましょう。全体にムラのない光沢が出れば成功です。

水洗いと拭き取りで磨き粉残りを防ぐ

磨き終わった直後のレジンには、目に見えないほど細かい研磨剤の粒子や、削りカスが付着しています。これをそのままにしておくと、時間が経って固まってしまったり、せっかくのツヤが曇って見えたりする原因になります。作業が終わったら、速やかに水洗いを行いましょう。

中性洗剤(食器用洗剤など)を一滴垂らし、指の腹で優しく洗うと、ピカールの油分や粒子が綺麗に落ちます。洗った後は、水分が残らないように柔らかいタオルやティッシュでしっかりと水分を吸い取ります。このとき、ゴシゴシ拭くとせっかくの鏡面に傷が付くことがあるので、ポンポンと叩くようにして水気を取るのがコツです。

水洗いをすることで、本当の磨き上がりを確認できます。洗浄後に乾燥させてみて、まだ曇りが気になる箇所があれば、再度その部分だけ工程を戻して調整しましょう。完璧な洗浄は、作品の清潔感を高め、長期保存時の劣化を防ぐためにも欠かせないステップです。

仕上げに透明コートでツヤを安定させる

ピカールで磨き上げた表面は非常に繊細です。そのままの状態でも美しいですが、指紋が付きやすかったり、小さな衝撃で傷が入りやすかったりします。そこで、最後の仕上げとして透明なコーティングを施すと、ツヤが安定し、作品の耐久性も向上します。

方法としては、サラサラとしたタイプのUVレジン液を薄く塗って再硬化させる「コーティング」や、模型用のツヤ出しワックス、レジン専用のコーティング剤を塗布する方法があります。ピカールで鏡面まで磨き上げた上からコーティングをすると、内側から発光するような深い輝きが得られます。

また、ワックスを使用する場合は、保護膜を作ることで埃の付着を防ぐ効果も期待できます。作品を販売したり、プレゼントしたりする場合は、この最終工程を加えることで、受け取った時の感動がさらに大きなものになるでしょう。自分の作品に最適な「最後のひと手間」を見つけてみてください。

失敗しやすいポイントとトラブルの対処法

レジン磨きは慣れるまで少しコツが必要です。「なぜか上手くいかない」という時にチェックすべきポイントをまとめました。失敗は成功のヒントですので、原因を特定して次回の制作に活かしましょう。

表面が白っぽいままのときは番手不足が多い

磨いても磨いても表面が白っぽく、霧がかかったような状態から抜け出せない場合、そのほとんどが「ピカールの前のやすり掛け」が不十分です。特に、低い番手(400番や800番)の時に付けた深い傷が残っていると、いくら仕上げ用のピカールで磨いてもその溝を埋めることはできません。

対処法としては、思い切って1000番や1500番の耐水ペーパーに戻ることです。「戻るのは面倒」と感じるかもしれませんが、急がば回れです。表面の傷を一つずつ、より細かい傷に置き換えていく作業を丁寧にやり直すことで、最終的なピカールの輝きは見違えるほど変わります。

もし、やすり掛けに自信がない場合は、市販の「研磨剤入りスポンジ」を活用するのも手です。布よりも均一に力が加わりやすく、初心者の方でも傷の深さを揃えやすいというメリットがあります。

角が丸くなるのは力を入れすぎているサイン

磨きに熱中するあまり、ついつい力が入ってしまうことがありますが、これは注意が必要です。レジンは意外と柔らかい素材なので、強い力で磨き続けると、本来シャープであるべき「角」の部分が削れて丸くなってしまいます。これを「だれる」と呼びます。

角が丸くなると、作品全体の印象がぼやけてしまい、手作り感が強く出すぎてしまうことがあります。対処法は、布を指に巻くのではなく、平らな板や消しゴムに布を巻いて磨くことです。これにより、面に対して均一に圧力がかかり、角を削りすぎることなく平面を綺麗に磨き上げることができます。

また、力ではなく「回数」で磨くことを意識しましょう。軽い力で何度も往復させる方が、摩擦熱によるレジンの軟化も防げ、精密な造形を維持したままツヤを出すことができます。

ベタつきや曇りが出たら洗浄と乾燥を優先する

磨いている最中に、なぜか表面がネチャっとした感触になったり、急に曇りがひどくなったりすることがあります。これは、レジンの硬化不良が磨きの熱で表面化したか、ピカールの成分がレジンと反応してしまった可能性があります。

このような異変を感じたら、すぐに作業を中断して中性洗剤でしっかりと洗いましょう。洗った後は、最低でも数時間は乾燥させて様子を見ます。もしレジン自体がまだ柔らかいようであれば、再度UVライトに当てるなどして完全に硬化させる必要があります。

焦ってそのまま磨き続けると、取り返しのつかないダメージを作品に与えてしまいます。まずは表面をリセット(洗浄)し、清潔で乾燥した状態からやり直すのが、最も被害を少なくする対処法です。

熱で変形しそうなら電動より手磨きが安全

ミニルーターなどの電動工具は非常に便利ですが、高速回転による「摩擦熱」には注意が必要です。レジンは熱に弱く、一定の温度を超えると柔らかくなって変形したり、表面が溶けてしまったりすることがあります。特に小さなパーツや薄い部分は、あっという間に熱が伝わります。

もし電動で磨いていて「少し熱いな」と感じたら、すぐに離してください。安全を期すなら、最終仕上げのピカール工程は「手磨き」に切り替えるのが安心です。手磨きであれば熱の発生を最小限に抑えられ、磨きすぎを自分の感覚でコントロールできます。

大きな作品を電動で磨く場合は、こまめに手を止めて冷却時間を置くか、回転数を低めに設定して作業してください。ピカールの性能を最大限に引き出すのは、力強い機械の回転よりも、丁寧な人の手の動きであることも多いのです。

レジン磨きにピカールを使うときのまとめ

ピカールは、正しく使えばレジン作品を一段上のクオリティへと引き上げてくれる魔法のアイテムです。大切なのは、ピカールを「削る道具」ではなく「光を整える道具」として捉えることです。事前の丁寧なやすり掛けで下地を完璧に整え、最後にピカールを優しく添える。この流れを守るだけで、あなたの作品は見違えるような輝きを放ちます。

時には曇ってしまったり、上手くいかなかったりすることもあるでしょう。しかし、その原因の多くは番手の飛ばしすぎや力の入れすぎといった、少しの意識で改善できることばかりです。今回ご紹介した手順やおすすめアイテムを参考に、自分なりの「黄金の磨き方」を見つけてください。ピカピカに磨き上がったレジンが光を反射する瞬間は、作家にとって最高の喜びになるはずです。

世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

目次