中学生の風景画は鉛筆だけで簡単に描ける!奥行きと立体感を出す描き方のコツ

学校の美術の授業や宿題で風景画を描くとき、「難しそう」と感じていませんか。実は、色を使わず鉛筆一本だけでも、コツを掴めば驚くほど立体感のある素敵な作品に仕上がります。大切なのは、細部を細かく描くことではなく、全体の明るさのバランスや奥行きの出し方を知ることです。中学生の皆さんが今日からすぐに実践できる、簡単でかっこいい鉛筆風景画の描き方について詳しく解説します。

目次

中学生の風景画は鉛筆だけでも簡単に奥行きと雰囲気が出せる

風景画を鉛筆だけで描く最大のメリットは、色の組み合わせに悩まず「形」と「光」の表現に集中できることです。鉛筆の濃淡を使い分けるだけで、空気の質感や距離感を表現できます。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは画面全体の構成をシンプルに捉え、鉛筆ならではの温かみのあるトーンを活かす方法を身につけましょう。基本のテクニックを覚えれば、身近な景色が素晴らしい作品に変わります。

大きい形から描くと崩れにくい

風景画を描くとき、いきなり木の葉っぱ一枚一枚や建物の窓などの細かい部分から描き始めてはいけません。まずは画面全体を眺めて、空、地面、大きな木、建物といった「大きな塊」がどこにあるのかを薄い線で捉えることが大切です。これを「アタリを取る」と言います。大きなパズルのピースを置くようなイメージで、画面の中の配置を決めていくと、途中で形が大きく崩れるのを防ぐことができます。

全体の配置が決まったら、それぞれの塊の形を少しずつ整えていきます。このときも、まだ細かな描き込みは我慢してください。例えば、複雑な枝ぶりの木も、最初は「もこもこした雲のような形」として描けば十分です。全体像が正しく取れていると、後から細部を描き加えたときに、それらがバラバラにならず一つの景色としてまとまって見えます。この「急がば回れ」の精神が、失敗しない風景画の第一歩になります。

近くは濃く遠くは薄くでまとまる

風景画に奥行きを出すための最も簡単なルールは、手前にあるものをハッキリと濃く描き、遠くにあるものをぼんやりと薄く描くことです。これは「空気遠近法」という技法に基づいた考え方です。私たちの目には、近くにあるものは色のコントラストが強く見え、遠くにあるものは空気の層に邪魔されて色が薄く、青白く霞んで見えます。鉛筆画では、この色の変化を鉛筆の濃淡だけで表現します。

手前の地面や草花、建物などは、Bや2Bの鉛筆を使って力強く描き、影も真っ黒に近い色まで乗せてみてください。逆に、遠くに見える山や建物は、HやHBの鉛筆で優しく撫でるように描き、輪郭も少しぼかすようにします。このように画面の中で「濃さの差」を意識的に作るだけで、平面的な紙の上に何キロメートルもの奥行きが生まれます。中学生の作品でこのルールが守られていると、非常に大人っぽく、計算された説得力のある絵に見えます。

影を入れると一気に立体になる

風景画が「のっぺり」して見える原因の多くは、影の表現が足りないことにあります。物体には必ず「光が当たっている面」と「影になっている面」、そして「地面に落ちている影」が存在します。この三つの要素を意識して鉛筆を乗せていくと、平らな線画が突然立体的に浮き上がってきます。まずは太陽がどこにあるかを決め、その反対側を暗く塗るというシンプルなルールを徹底しましょう。

影を塗るときは、単に黒く塗るのではなく、鉛筆のタッチを活かすと質感が出ます。例えば、建物の影なら壁の面に沿って縦や横に揃えて塗り、地面の影なら水平に塗ると安定感が出ます。また、影の中にも「一番暗い部分」と「少し明るい部分」があることを観察してみましょう。特に物体のすぐ下を一番濃く塗ると、地面にしっかり立っている感じが出て、絵のリアリティが劇的に向上します。

描き込みより明暗が大事になる

初心者ほど「細かく描けば上手く見える」と思いがちですが、鉛筆風景画で大切なのは、細かい線よりも「明暗(トーン)」のまとまりです。木の一葉一葉を描くよりも、木全体の中でどこが明るくてどこが暗いのかを面で捉える方が、遠くから見たときに本物の風景らしく見えます。鉛筆を寝かせて広い面を塗り、指やティッシュで少しぼかして、柔らかなグレーの階調を作ってみてください。

明るい場所、中間の明るさの場所、暗い場所の三段階を意識するだけでも、絵のクオリティは大きく変わります。明るい部分は思い切って紙の白さを残し、暗い部分は鉛筆の黒さを出し切る。このメリハリがしっかりしていると、細かい描き込みがなくても「雰囲気のある絵」になります。最後に見せたい部分だけを少し細かく描き込むことで、観る人の視線を誘導できる、洗練された風景画に仕上がります。

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中学生の鉛筆風景画におすすめの道具

道具選びも上達の大切な要素です。中学生の皆さんが学校や家で使いやすく、かつ表現の幅を広げてくれる定番の画材を紹介します。高価なものは必要ありませんが、信頼できるメーカーの道具を揃えることで、思い通りの線が引きやすくなります。

カテゴリ商品名特徴公式サイト
鉛筆三菱鉛筆 ハイユニ芯が安定していて折れにくく、濃淡が美しい定番中の定番。三菱鉛筆公式
練り消しホルベイン 画用ねり消しゴム自由に形を変えられ、光を「抜く」表現に欠かせない。ホルベイン公式
消しゴムトンボ鉛筆 モノ消しゴム広い範囲を消したり、ハイライトをパキッと入れるのに最適。トンボ鉛筆公式
スケッチブックマルマン スケッチブック表面の凹凸(中目)が程よく、鉛筆の粉が乗りやすい。マルマン公式
定規ステッドラー レイアウト用方眼定規透明で見やすく、建物の線を真っ直ぐ引くのに便利。ステッドラー日本公式

HB〜2Bの鉛筆とシャープペン

風景画を描くなら、硬さの違う鉛筆を数本用意しましょう。下書きや遠くの風景を描くためのHB、中間の明るさを作るB、そして手前の濃い影を描くための2Bの3本があれば十分です。三菱鉛筆の「ハイユニ」などは、芯の粒子が細かく、グラデーションが非常に滑らかに作れるのでおすすめです。

また、細かい部分や建物のシャープな線を引くときには、0.5mmのシャープペンシルも併用すると便利です。広い面は鉛筆を寝かせて、鋭い線はシャープペンシルで、といった使い分けをすることで、絵の中に強弱が生まれ、中学生らしい瑞々しい表現が可能になります。

練り消しと消しゴム

消しゴムは「消すための道具」ではなく「白く描くための道具」と考えましょう。特に練り消しは、風景画には必須のアイテムです。好きな形に丸められるので、雲のふわふわした感じを出したり、描きすぎた鉛筆の粉を軽く叩いて薄くしたりするのに使います。

一方で、普通のプラスチック消しゴム(モノ消しゴムなど)は、しっかり白く抜きたい時に使います。消しゴムの角を立てて、水面のキラキラした反射や建物の明るいエッジを一筆で抜くと、絵にアクセントがつきます。この二種類の消しゴムを使い分けることで、鉛筆画の表現力は格段にアップします。

ぼかし用の綿棒やティッシュ

鉛筆で塗った部分を滑らかにしたいとき、指でこするのも良いですが、綿棒やティッシュを使うとより繊細な表現ができます。ティッシュを指に巻いて広い範囲を優しくこすれば、空の柔らかなグラデーションや遠くの霞んだ景色が簡単に作れます。

細かい部分には綿棒が便利です。木の影の境目を少しぼかしたり、小さな窓の陰影を馴染ませたりするのに重宝します。指の脂で紙を汚したくないときにも有効な手段です。これらの身近な道具を使うことで、鉛筆の線が「面」となり、深みのある空気感を演出できるようになります。

ねりゴム用のケース

練り消しはそのまま筆箱に入れると、周りの消しゴムのカスや鉛筆の粉を吸い取ってしまい、すぐに汚れてしまいます。また、他の文房具にくっついてしまうこともあります。そのため、小さめのプラスチックケースに入れて持ち運ぶのが賢い方法です。

専用のケースも売っていますが、100円ショップの小物入れや、空いたミント菓子のケースなどでも代用できます。道具を清潔に保つことは、画面を汚さないための第一歩です。道具を大切に扱う習慣をつけることも、絵を上手に仕上げるための大切な心がけの一つです。

スケッチブック(中目)

紙選びも重要です。普通のノートのようなツルツルした紙よりも、少し表面にデコボコがある「中目」のスケッチブックが风景画には適しています。マルマンの「図案スケッチブック」のような定番品は、鉛筆の粉が紙の凹凸にしっかり引っかかるため、濃淡が付けやすく、消しゴムを使っても紙が傷みにくいのが特徴です。

紙の厚みがある程度あるものを選べば、何度も描き直しても破れにくく、自信を持って筆を進めることができます。サイズは中学生ならB5からA4程度が、全体を見渡しながら描きやすく、持ち運びにも便利でおすすめです。

定規と下敷き

風景画の中に建物や道路などの人工物がある場合、定規を使うことで一気に説得力が増します。すべての線を定規で引く必要はありませんが、建物の垂直な柱や水平な窓枠など、ここぞという場所に定規を使うと、絵がシャキッと引き締まります。透明な方眼定規なら、下の線を確認しながら引けるのでミスが少なくなります。

また、スケッチブックの次のページに跡が付かないように、下敷きを敷くのも忘れずに。さらに、描いている手の下に一枚白い紙を敷いておくと、手の側面で描いた部分をこすって画面を黒く汚してしまうのを防ぐことができます。画面を綺麗に保つことも、良い作品を仕上げるための立派なテクニックです。

簡単に見える風景画の構図と描き方のコツ

風景画が上手く見えるかどうかは、描き始める前の「構図」で半分決まります。中学生が挑戦しやすい、シンプルながらもかっこよく見える構図のパターンと、それぞれのモチーフを描くときのコツをまとめました。ルールを知っているだけで、真っ白な紙に向かう時の迷いがなくなります。

道を入れると奥行きが出る

風景画の中で最も簡単に奥行きを出す方法は、一本の「道」を画面に入れることです。手前は広く、遠くに行くほど狭くなって一点に集まる「V字型」の道を配置してみてください。これだけで、観る人の視線が自然に奥へと誘導され、立体的な空間を感じさせることができます。

道を描くときは、手前には小石や草などの細かいディテールを少し描き込み、奥に行くほど線をシンプルにしていくのがコツです。また、道の端にある電柱や並木も、遠くに行くほど小さく、間隔を狭く描くことで、より一層の距離感を強調できます。公園の小道や登校路など、身近な道を探して描いてみるのが、風景画上達の近道です。

空と地面を先に分けて整える

画面の中に「どこまでが空で、どこからが地面か」という水平線を一本引くことから始めてみましょう。この線の位置が画面のちょうど真ん中にあると、少し単調な印象になってしまいます。空を主役にして広く見せたいなら水平線を下に、地面のディテールを見せたいなら水平線を上に配置すると、バランスの良い構図になります。

水平線が決まったら、空には薄いグラデーションを、地面には物の影を配置して、上下の「明るさの差」を作ります。一般的に空の方が明るく、地面の方が暗くなることが多いので、そのコントラストを意識するだけで、世界が上下に正しく分かれ、安定感が生まれます。この土台がしっかりしていると、その上に何を置いても風景として成立しやすくなります。

木は面で塊を作ってから描く

木の描き方でよくある失敗は、葉っぱを一枚ずつ描こうとして、全体がスカスカになってしまうことです。木を描くときは、まず大きな「もこもこした塊」として捉え、光が当たっている明るい面と、陰になっている暗い面を塗り分けることから始めます。中学生なら「カリフラワー」や「ブロッコリー」の形をイメージすると分かりやすいでしょう。

陰の部分が塗れたら、その境目や木の端の部分だけに、少しだけ葉っぱらしいギザギザした線を加えます。これだけで、観る人の脳が勝手に「たくさんの葉が生い茂った木」として認識してくれます。全部を描き込まない「省略の美学」を取り入れることで、絵にゆとりが生まれ、鉛筆画特有のカッコよさが引き立ちます。

建物は箱で捉えて影を付ける

建物を描くときも、まずは単純な「箱」の形として捉えるのが基本です。屋根や窓などの細かい装飾は後回しにして、まずはその建物がどのくらいの大きさで、どの方向を向いているかを四角い箱の組み合わせで描きます。このとき、垂直な線(柱など)はしっかりと真っ直ぐ引くように意識すると、建物が地面にどっしりと立って見えます。

箱が描けたら、光の方向を意識して影を入れます。屋根の下や、建物自体の側面など、光が当たらない面を一段階暗いグレーで塗ってみてください。そこに小さな窓をポツポツと配置するだけで、立派な建物に見えてきます。複雑な建築物も、この「箱の組み合わせ」として考える癖をつければ、どんな景色も怖くなくなります。

中学生の鉛筆風景画を簡単に仕上げる要点まとめ

鉛筆風景画を楽しく、簡単に仕上げるための秘訣は、すべてを描き込もうとせず「大きな形」と「明暗の差」に注目することです。手前を濃く、遠くを薄く描くというシンプルなルールを守るだけで、奥行きのあるプロのような作品に近づきます。道具も使い慣れた鉛筆や練り消しを工夫して使うことで、表現の幅は無限に広がります。

まずは身近な公園や近所の道など、自分が描きやすいと感じるモチーフから始めてみてください。完璧な写生を目指すよりも、あなたがその風景を見て「いいな」と思った雰囲気や光の感じを、鉛筆の濃淡で表現することを楽しんでみましょう。描き終わった後に一歩離れて絵を眺めたとき、そこに確かな奥行きが生まれていれば、それは大成功です。

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ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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