油絵に興味はあるけれど、どうやって始めたらいいかわからない、画材の扱いが難しそう、と感じていませんか?初めての方でも、順番やコツを押さえることで、安心して油絵を楽しむことができます。この記事では、基本的な画材の選び方から描き方の流れ、色の塗り重ね方、仕上げやメンテナンス方法まで、わかりやすく解説します。
これから油絵を始めてみたい方や、基本を改めて確認したい方に役立つ内容です。自分のペースで無理なく油絵に親しんでいきましょう。
油絵の書き方と順番を知る前に押さえておきたい基本

油絵を始める前に、他の画材との違いや基本的な特徴について理解しておくことで、スムーズに制作を進めることができます。ここでは、油絵ならではの特徴と初心者でも始めやすいポイントを紹介します。
油絵の特徴と他の画材との違い
油絵は、油分を含む絵具を使って描く絵画の方法です。乾燥に時間がかかるため、ゆっくりと色を重ねたり修正したりできるのが大きな特徴です。絵具の発色が鮮やかで、重厚感や透明感を自由に表現できます。
一方、水彩やアクリル絵具は水で溶かして使い、比較的短時間で乾きます。水彩は透明感があり、アクリルは重ね塗りや修正がしやすいですが、油絵ほどの奥行きや質感は出せません。油絵は独特のにおいや画材の管理に注意が必要ですが、じっくり描きたい方にはぴったりの画材です。
初心者におすすめの油絵のスタート方法
初めて油絵を描くなら、必要最小限の道具をそろえて小さめのキャンバスから始めるのがおすすめです。扱いやすい画材を選び、シンプルな静物や果物などをモチーフにすると良いでしょう。いきなり難しい題材に取り組むよりも、基本的な流れや色を重ねる感覚をつかむことが大切です。
また、絵具の量や溶き油の使い方を練習しながら、筆使いや色の重ね方に慣れていきましょう。失敗しても簡単に修正できるのが油絵の魅力です。少しずつ自分のペースで練習を重ねることで、自信を持って制作に取り組めます。
油絵制作に必要な基本画材セット
油絵を始めるには、以下のような画材をそろえておくと安心です。
画材 | 用途 | 初心者向けポイント |
---|---|---|
油絵具 | 色を作る | 6~12色のセットが便利 |
キャンバス | 絵を描く土台 | 小さめサイズがおすすめ |
筆 | 描く道具 | 平筆・丸筆数本用意 |
ペインティングナイフ | 絵具を混ぜる・塗る | 小型が扱いやすい |
溶き油 | 絵具ののびを良くする | においの少ないものを選ぶ |
これらの基本セットに加え、パレットや筆洗い用の容器、汚れてもよい布や新聞紙を準備すると、制作時のストレスを減らせます。無理に高価な道具をそろえず、気軽に始められるものを選ぶことが続けやすさにつながります。
油絵の基礎知識と安全な取り扱い
油絵具や溶き油には特有のにおいがあり、換気の悪い部屋で使うと体調を崩すことがあります。作業する際は必ず窓を開け、換気を心がけましょう。また、溶き油や洗浄液は肌につくと荒れやすいので、手袋を使うと安心です。
油絵で使う道具は洗浄や保管にも注意が必要です。使い終わった筆やパレットはそのままにせず、専用の洗浄液や石けんでこまめに洗います。火気に近い場所での使用や保管は避け、万が一のために使用後は手洗いを徹底しましょう。
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初めてでも迷わない油絵の描き出しステップ

初めて油絵を描くときは、どこから始めていいか戸惑うかもしれません。ここでは、モチーフ選びから具体的な塗りの手順まで、順を追って解説します。
モチーフと構図の決め方
油絵を始める際、まず描きたいモチーフを決めます。初心者には果物や花瓶など、シンプルな形の静物が扱いやすいです。複雑なモチーフよりも、光と影がしっかり見えるものを選ぶと、立体感を表現しやすくなります。
構図を考えるときは、画面のどこに主役を配置するかを意識しましょう。一般的には、画面の中心を少し外した位置(「三分割法」)がバランスよく見えます。主役と背景のバランスや、余白の取り方を工夫することで、絵の印象が大きく変わります。
下描きのポイントと鉛筆の選び方
油絵の下描きには、木炭や鉛筆がよく使われます。初めてなら、やや濃いめの鉛筆(2B~4B)を選ぶとスムーズです。あまり濃すぎると絵具がはじかれることがあるので、強く描き過ぎないように注意します。
下描きは細かく描き込みすぎず、主な形や大まかな影だけを捉える程度にとどめましょう。あとから絵具で描き直せるので、ざっくりしたアタリをつけておくイメージで進めると、描きやすくなります。
下塗りとおつゆ描きの基本
下描きが終わったら、キャンバス全体に薄めた絵具で下塗りをします。溶き油を多めに混ぜて、絵具をサラサラにした状態で塗る「おつゆ描き」を行うことで、その後の塗り重ねがしやすくなります。
下塗りの色は、モチーフの雰囲気や背景に合わせて選びます。たとえば温かみのある絵にしたいときは黄色やオレンジ系、落ち着いた雰囲気ならブルーやグレー系を使うとよいでしょう。一度に厚塗りせず、薄く全体に色を広げていくのがポイントです。
背景と主役の塗り分け順番
油絵では、主役のモチーフと背景の順番を意識して色を塗ることで、絵がまとまりやすくなります。一般的には、背景から塗り始めてから、主役を描き込む手順がおすすめです。
背景を先に仕上げておくことで、主役との境界が自然になり、後から調整もしやすくなります。主役に取りかかるときは、背景の色を少し取り込むことで、全体のなじみが良くなります。塗る範囲を大まかに決め、段階的に細部を描き込むとバランスが整いやすいです。
油絵の色の重ね方と塗る順番のコツ

油絵の魅力は、色を重ねることで深みや立体感が生まれる点にあります。ここでは、色の置き方や塗り進める順番、パレットや筆の使い方について詳しく紹介します。
固有色の置き方と暗部から明部への流れ
まず、モチーフ本来の色(固有色)をキャンバスに置いていきます。その際、暗い部分から順に色を載せるのが基本です。暗部から明部へグラデーションをつけていくことで、自然な立体感を表現できます。
暗い色から始めることで、明るい色を後から重ねたとき、混ざりすぎを防げます。明るい部分には白や黄色などの色を段階的に重ね、少しずつ描き進めると失敗しにくくなります。固有色の見極めと、光の方向を意識しましょう。
明暗や立体感を生み出す色の重ね方
油絵では、色を何層にも重ねることで、微妙な色合いや立体感を作り出します。一度に濃く塗るのではなく、薄い色を少しずつ何度も重ねていくのがコツです。
たとえば、影の部分には青や紫など冷たい色を混ぜると奥行きが増します。明るい部分は黄色やオレンジを重ねると暖かみが出ます。筆のタッチや塗り方を変えながら、メリハリのある画面作りを心がけると、絵が生き生きとしてきます。
油絵具の混色とパレットワークの工夫
油絵ならではの混色の楽しさを味わうために、パレット上で色を作るときは、使う色を整理しておくのがポイントです。あらかじめ使う色を少しずつ出し、混ぜすぎずに必要な分だけ作りましょう。
色を調整する際は、主な原色(赤・青・黄)をベースにして、補色や白・黒を少量加えて色幅を広げます。パレット上で色が混ざりすぎると濁りやすいため、使い終わったらすぐに余分な絵具を拭き取り、新しい色を作るスペースを確保しておきます。
色ムラを防ぐための筆使いと塗り方
色ムラが気になるときは、筆圧を一定に保ち、筆の向きを揃えて塗ることが大切です。細かい部分は小さめの筆、広い面は大きめの筆を使い分けてみましょう。
塗り重ねる際は、一度乾かしてから次の色を乗せると、下の色がにじまず鮮やかに仕上がります。また、筆に絵具をつけすぎない、余分な油を拭き取る、などちょっとした工夫を続けることで、きれいな仕上がりが目指せます。
仕上げとメンテナンスで作品を美しく保つ方法

油絵を長く楽しむためには、仕上げの工程や画材のメンテナンスが欠かせません。細部の描写から保存方法まで、作品を美しく保つためのコツをまとめます。
細部の描写とハイライトの入れ方
全体のバランスが整ったら、最後に細部やハイライトを加えます。ハイライトは、光が最も当たる部分に白や明るい色で小さく描き入れるのが効果的です。
細かい部分は、細筆やペインティングナイフを使うと描きやすくなります。ハイライトを入れるだけで、モチーフが立体的に見え、仕上がりの完成度が高まります。描きすぎず、必要な場所だけにアクセントを加えることを意識してください。
乾燥と画面保護のための工程
油絵は乾燥に時間がかかるため、描き終わった後はしっかりと乾かすことが必要です。作品をホコリや直射日光から守るために、通気の良い場所で乾燥させましょう。
完全に乾いたら、必要に応じて仕上げ用のニスを塗ると表面の保護になります。ニスを塗ることで色あせや汚れから作品を守る効果が得られ、ツヤや発色も良くなります。乾燥やニス塗りの作業は、焦らずじっくり時間をかけて進めましょう。
使用後の画材の片付けと保存方法
制作が終わったら、使った筆やパレットをすぐに洗浄します。筆は専用の洗浄液や石けんで丁寧に洗い、しっかり水気を切って自然乾燥させましょう。パレットやナイフも、残った絵具を拭き取ってから保管します。
画材をきちんと片付けることで、次回の制作がスムーズになります。溶き油や洗浄液の容器は密閉し、火気や日光を避けた安全な場所に収納してください。日常的に画材の手入れを心がけることで、長く愛用できるようになります。
油絵を長く楽しむためのメンテナンスポイント
完成した油絵は、湿気や強い光を避けて保存します。特に湿度が高いとカビが発生することがあるため、風通しの良い場所を選ぶのが安心です。
また、定期的にホコリを払ったり、飾る場所を変えることで、作品の劣化を防げます。たまに作品を見直し、表面の状態をチェックして必要に応じてニスを塗り直すと、美しい状態を長く保つことができます。
まとめ:油絵の書き方と順番を知れば誰でも楽しく描ける
油絵は、ゆっくりと色を重ねながら自分らしい表現を楽しめる画材です。基本的な画材の使い方や描き方の順番を押さえることで、初めての方でも安心して取り組むことができます。
道具の準備や安全面に気を配りながら、少しずつ描き進める時間を楽しんでください。自分のペースで練習を重ねるうちに、油絵ならではの表現や色の奥深さを感じられるはずです。最初はシンプルなモチーフから始め、制作や保存のコツを覚えていきましょう。
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