ゲーム会社でイラストレーターを目指す人へ向け、必要なスキルや評価ポイント、ポートフォリオの作り方、学習計画、未経験からの経験作りまでをまとめます。求人で求められる目線や企業ごとの違いを意識して、採用で有利になる見せ方を紹介します。
ゲーム会社でイラストレーターに求められるレベルとまずやること
画力の目安と評価基準
画力はキャラクターデザイン、背景、アイテム描写などジャンルごとに求められる基準が変わります。キャラ絵なら顔の表現力やポージング、表情のバリエーションが重視され、背景ではパースや空間把握、質感表現が鍵になります。
評価は完成度だけでなく、デザインの再現性や仕様への対応力、修正に対する柔軟さも含まれます。色使いやライティングの理解、見せ方のバリエーションもチェック項目です。実務では短時間で一定水準を出せることが重要なので、速さと安定感も評価基準になります。
ポートフォリオでは意図が伝わる作品を選び、ラフから完成までの工程がわかると評価が上がります。企業の求める表現に合わせて作品を調整するのも有効です。提出前に他者に見てもらい、第三者目線での理解度を確かめておきましょう。
職種別のスキル分布
職種によって必要なスキルセットは異なります。キャラアーティストはデザイン、アナトミー、表情、コスチュームデザインが中心で、背景アーティストはパース、建築知識、質感表現が求められます。UIやアイテム担当は小物のデザイン力と情報設計の理解が必要です。
また、2Dのみ担当する場合と、3Dやモーションも行う場合で求められる技術は変わります。2Dアーティストでも、3Dデータの理解やレイアウト経験があると評価は高くなります。レイヤー管理やPSDの書き方、カラーモード管理などの実務スキルも職種により重視されます。
チームで動くことが多いため、コミュニケーション能力や工程管理、スケジュール感を持っているかも見られます。複数職種の業務を経験することで柔軟に対応できる人材になれます。
ポートフォリオの構成要素
ポートフォリオは見せ方が重要です。最初に代表作を置き、続けてジャンルごとの作品(キャラ、背景、UIなど)を分かりやすく並べます。各作品には短い説明を添え、役割や制作時間、使用ツール、担当範囲を明記してください。
制作工程のスライドを1〜2点入れるとプロセス理解が進みます。ラフ→カラーラフ→完成という流れを見せると、考え方や修正対応力が伝わります。サイズや解像度、納品形式など実務情報も記載しておくと好印象です。
最後に連絡先やSNS、使用ツール一覧をまとめておくと、採用側が次のアクションを取りやすくなります。ファイル形式は軽めのPDFやウェブポートフォリオが一般的ですが、企業指定があればそちらに合わせてください。
作業速度と品質の基準
ゲーム制作では納期が厳しいため、一定の品質を短時間で出せることが評価されます。目安としてはラフで構図と色味を短時間で固め、清書・彩色を効率よく進められる技術が求められます。実際の基準は職種やプロジェクトによりますが、複数枚をこなせる安定感が重要です。
品質は線の精度だけでなく、情報の伝わりやすさやゲーム内での使いやすさも含まれます。ミスが少なく修正が少ない状態で納品できると、信頼感が高まります。作業の速さはツール操作やショートカットの活用、テンプレート作成、作業フローの最適化で改善できます。
作業速度を上げるために、時間を計測して工程ごとの改善点を洗い出す習慣をつけると良いです。品質基準は社内のレビューに合わせて調整する柔軟性も求められます。
応募時の職名と役割
求人には「キャラクターデザイナー」「2Dアーティスト」「背景担当」など職名があります。それぞれの職名は企業ごとに役割範囲が異なるので、応募前に求人内容をよく確認してください。職名と自分のスキルが合致していることが重要です。
職務経歴書やポートフォリオでは、実際に何を担当したかを具体的に書きます。複数人で制作した場合は自分の担当範囲を明確にし、成果物への貢献度を示してください。募集要項にある必須スキルや歓迎スキルにマッチする作品を先頭に置くと印象が良くなります。
未経験や職種変更の場合は、「関連スキル」や「学習中のツール」を明示して、早期に戦力になれる姿勢を伝えるとよいでしょう。
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大手と中小で変わるイラスト評価の違い
大手パブリッシャーの評価傾向
大手はブランドや既存IPの世界観維持を重視します。既存のデザイン規定に沿えるか、クオリティの一定水準を長期間保てるかが評価ポイントです。細部の表現力や、多部門との調整ができるコミュニケーション力も重要視されます。
提出作品では完成度の高さに加え、修正対応力や設計に沿った作業の柔軟さを見られます。納期管理やレビュー文化への適応力も評価対象です。ツールや社内フォーマットに慣れていると採用されやすく、実務経験がある場合は特に有利になります。
大手は分業が進んでいるため、特定分野の高い専門性を持つ人材を求めるケースが多いです。複数工程を抱え込むよりも、自分の強みを明確に示すことが効果的です。
中堅デベロッパーの重視ポイント
中堅企業は柔軟性と即戦力を重視します。大きなルールに縛られない分、デザイン提案力や幅広い作業対応力が評価されやすいです。少人数チームで複数役割を担うことが多いため、複合スキルがあると採用が有利になります。
また、プロジェクトの進行に合わせて臨機応変に動ける人材が求められます。コミュニケーションの取り方やプロジェクトマネジメントの理解、簡潔な報告ができることもポイントです。ポートフォリオは多様な作業ができることを示すと良い印象を与えます。
中堅は成長機会が多く、新しい表現に挑戦しやすい環境もあります。自分の提案でプロジェクトに貢献した事例があれば、積極的にアピールしてください。
インディー系の採用目線
インディー系は表現力や個性を重視する傾向があります。独自の世界観やユニークなタッチが評価されやすく、自分の作風を明確に持っていることが強みになります。少人数での開発が多く、柔軟な対応力と企画寄りの視点も求められます。
技術面では、ゲームに組み込むための最適化意識や、プロトタイプ段階での迅速な制作能力が重宝されます。複数工程を一人で賄うことも多いので、デザインから実装まで理解していることが有利です。ポートフォリオは独自性のある作品を中心に見せると良いでしょう。
外注スタジオの発注基準
外注スタジオは納期厳守と品質の安定性を強く求めます。短期間で一定のクオリティを保てること、仕様書に忠実に対応できることが重要です。複数案件を同時進行することが多いため、自己管理能力やコミュニケーションの確実さも評価されます。
また、作業単位での見積もりや効率的なファイル管理、納品フォーマットへの対応力が求められます。過去の納品実績やリファレンスがあれば信頼感が増すので、クライアント名や担当範囲を明記しておきましょう。
海外企業と国内企業の差
海外企業はポートフォリオの直感的な強さや個性を重視する傾向があり、英語でのコミュニケーション力があると有利です。仕様の柔軟性が高い企業もありますが、リモートでのやりとりが多いため自己管理能力が重要になります。
国内企業は制作フローやチーム内での調整能力、既存IPへの適応力を重視することが多いです。面接やポートフォリオでの説明を重視する傾向があるため、制作意図や工程を日本語で明確に示せることがプラスになります。文化や表現の好みも異なるので、応募先に合わせた見せ方が効果的です。
採用で響くポートフォリオの見せ方
表紙と導入ページ
表紙はシンプルに代表作と名前、連絡先を配置します。最初のページで「どんな作家か」がぱっと伝わることが重要です。色味や作風を統一しておくと全体の印象が安定します。
導入ページにはスキル一覧や使用ツール、担当可能な業務を短くまとめてください。自分の得意分野を明示すると、採用担当が読みやすくなります。目次を付けると、企業側が見たい作品にすぐアクセスできます。
ページ数は多すぎず、厳選した作品を入れることをおすすめします。最初に見てもらう数点で興味を引けるかが勝負です。
代表作の選定基準
代表作は作風を最もよく表す作品と、募集職種に合う作品を優先します。完成度が高く、見た人の印象に残るものを選んでください。多様性を見せたい場合はジャンルや技法の違う作品を組み合わせます。
作品ごとに制作時間や役割、使用ツールを明記すると評価が上がります。チーム制作の際は自分の担当部分を明確に表記してください。古い作品を載せる場合はリメイクして最新の技術で見せるのが良いです。
制作工程の提示
工程はラフから完成までの流れをわかりやすく示します。工程を見せることで思考の過程や修正対応力が伝わります。重要なのは要点を絞って見せることです。全ての作品に工程を載せる必要はなく、代表作数点に絞ると効果的です。
工程説明は短めのキャプションで構いません。ポイントは「何を考えてその選択をしたか」を明確にすることです。修正前後やバリエーション案を載せると、共同作業での対応力がわかります。
ツール操作とファイル管理
使用ツールの一覧とバージョン、レイヤーやファイル命名規則などの管理方法を簡潔に示してください。PSDや該当ファイルのサンプルを提出できる場合は、フォルダ構成や素材管理がわかる形で用意すると好印象です。
ファイルサイズや解像度、納品形式の知識もアピールポイントになります。チームでの受け渡しを意識したファイル作りができることを示しましょう。
制作量の見える化
制作量は月間や週ごとの制作枚数、作業時間の目安を記載すると現場での見通しが立ちやすくなります。作業ペースや得意な作業量を具体的に示すことで、スケジュール調整の参考になります。
過去のプロジェクトでの担当枚数や納期厳守の実績があれば、数値で示すと説得力が増します。未経験の場合は学習でこなした制作数でも問題ありません。
効率よく画力を伸ばす学習の組み立て
模写と観察の習慣
模写は形や色、質感の再現力を高める基本です。短時間で形を捉える練習と、ゆっくりと観察してディテールを拾う練習を交互に行うと効果的です。日々のワークとして短めの模写を継続することをおすすめします。
観察は写真や実物から光や影、材質の違いを読み取る力を養います。観察メモを作り、気づいた点を言語化すると再現が容易になります。シンプルな形から複雑な形へ段階的に学ぶと挫折しにくいです。
デッサン基礎の練習メニュー
デッサンは厚みや立体感を出す基礎になります。基本メニューとして、ボールや箱などの立体から始め、徐々に人体や手足、衣服のシワへ進めてください。短時間のクロッキーと長時間のスタディを組み合わせると理解が深まります。
毎回の練習で目的を決め、観察した点を次回に活かすサイクルを作ると効果が出やすいです。定期的に過去のスケッチと比較して進捗を確認しましょう。
色彩と光表現の学習
色彩は配色感覚と光の理解が両方必要です。色相、彩度、明度の関係を意識しながらパレットを組む練習を行ってください。光源を一つに限定して影とハイライトの関係を整理することから始めるとわかりやすいです。
色の役割を理解するために、同じ構図で違う照明や時間帯を描き分ける練習も有効です。色に関するリファレンスを集め、分析する習慣をつけると表現の幅が広がります。
3D基礎の導入
3Dの基礎を学ぶと2D作業の効率が向上します。簡単なモデリングやライティングを学び、レンダリングをリファレンス代わりに使うと立体感や影の付け方が理解しやすくなります。モデリングが苦手でも、既存の3Dアセットを利用して形や視点を確認するだけでも役立ちます。
ツールは手軽なものから始めて、徐々にワークフローに組み込むと実務に活かしやすくなります。
週次の制作課題と振り返り
週に一度、テーマを決めた制作課題を行い、制作時間や改善点を記録してください。振り返りでは良かった点と改善点を分け、次週の目標に反映させます。継続することで制作速度と質が同時に上がります。
フィードバックを得られる環境があると成長が早まるので、SNSやコミュニティでの公開も検討してください。
未経験や転職で通用する経験の作り方
インターンとアルバイトの経験例
インターンやアルバイトは実務感覚を養う良い機会です。短期の案件でも納品の流れや指示への対応、チームでのやり取りを体験できます。小規模な開発現場や外注スタジオでの作業は特に学びが多いでしょう。
選ぶ際は担当業務と求められるスキルを事前に確認し、自分の成長につながる業務を選んでください。経験を得たら具体的な成果や学びをポートフォリオに反映させましょう。
フリーランスでの実績作り
クラウドソーシングや知人の紹介で小さな案件をこなすことで、実績と信頼を積めます。納期やコミュニケーション、修正対応の経験は評価につながります。受注時は仕様や報酬、納期を明確にしてトラブルを避けましょう。
複数の案件を経験することで、見積もりや作業ペースの感覚が身につきます。実績はポートフォリオに具体的に記載してください。
業界向けネットワーキング
イベントやオンラインコミュニティでの交流は情報収集と仕事のきっかけになります。業界関係者との接点を作り、人となりや仕事の進め方を知ってもらうことが重要です。名刺代わりになる作品を用意しておくと便利です。
継続的な関係づくりが将来的な推薦や仕事に繋がることが多いので、短期の出会いをきっかけに定期的な情報交換を心がけてください。
ポートフォリオの実務寄せ
未経験の場合は、架空プロジェクトでも実務に近い形で作品を作ると評価が上がります。納品物の形式や解像度、仕様書に沿った制作を示すことで即戦力感を出せます。プロセスや納期を意識した作品作りが効果的です。
また、リメイクや既存作品の実務用最適化を行い、実務適応力を見せることも有効です。成果物には担当範囲や時間を明記してください。
面接での作品説明のポイント
作品説明は目的と自分の役割を簡潔に伝えることが大切です。どの工程を担当し、何を考えて表現したのかを明確に説明してください。修正のやり取りや改善の事例があれば、それを交えて説明すると説得力が増します。
面接では質問に対して具体例を挙げつつ、相手のニーズに合わせた説明を心がけると良い印象になります。誠実に伝えることが重要です。
ゲーム会社のイラストレーターを目指すときに覚えておくこと
ここまで挙げた点は、技術だけでなくチームで働く姿勢や伝え方も重視されることを示しています。一定の画力に加え、納期や仕様に合わせる柔軟さ、コミュニケーション能力が採用の分かれ目になります。
学習は継続が大切です。短期間で急に伸ばすよりも、日々の練習と振り返りで着実にスキルを積み重ねていくことを心がけてください。ポートフォリオは自己紹介の場でもあるので、見やすさと必要情報の明示を意識して整えておきましょう。
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