色鉛筆で描いた絵をきれいに消したいと感じたことはありませんか。消えにくかったり、紙が傷んでしまったりと、意外と悩むことが多いテーマです。
また、どの消しゴムや道具を選べばよいか分からず迷っている方も多いでしょう。今回は色鉛筆をきれいに消すための消しゴムの仕組みや選び方、実際の使い方のコツ、さらにはおすすめ画材までまとめてご紹介します。
色鉛筆を消せる消しゴムの仕組みと選び方

色鉛筆の線や色がきれいに消えずに困った経験は多くの方が持っていると思います。まずは、色鉛筆と通常の鉛筆の違いや、消しゴムの種類・選び方を知ることが大切です。
色鉛筆と鉛筆の芯の違いを知ろう
色鉛筆と普通の鉛筆では、芯の中身の構成が大きく異なります。鉛筆の芯は主に黒鉛(グラファイト)と粘土でできていて、紙に書いたあとでも消しゴムで比較的簡単に消すことができます。
一方で、色鉛筆の芯は顔料とワックス(またはオイル)を主成分としています。このワックスやオイルが紙にしっかりと密着しやすく、顔料が紙の繊維に染み込むため、普通の消しゴムでは鉛筆ほど簡単には消えません。芯の仕組みを知ることで、なぜ色鉛筆が消しにくいのかが理解しやすくなります。
色鉛筆が消しにくい理由とその原理
色鉛筆の色が消しにくい理由は、主に顔料とワックス・オイルが紙に強く定着するからです。顔料は細かい粉状の色の元で、紙の凹凸や繊維の奥に入り込みます。また、ワックスやオイルは顔料を紙に密着させる役割を持っています。
そのため、一般的な消しゴムでこすっても、表面だけが消えて色味が残りやすくなります。また、強くこすると紙が傷んだり、消えた部分が不自然になったりする原因にもなります。色鉛筆の特性を理解したうえで、適切な方法や道具を選ぶことが大切です。
色鉛筆を消せる消しゴムの種類と特長
色鉛筆用の消しゴムにはいくつか種類があります。主なものを表にまとめました。
種類 | 特長 | 向いている使い方 |
---|---|---|
プラスチック消しゴム | 一般的な白い消しゴム | 軽い色や細い線の修正 |
砂消しゴム | ざらざらした粒子入り | 濃い色や広範囲の修正 |
練り消しゴム | 柔らかく形が変えられる | 細かい部分やトーン調整 |
プラスチック消しゴムは使いやすいですが、色鉛筆の濃い部分にはやや力不足です。砂消しゴムは紙の表面を削るため強力ですが、紙が傷みやすいので注意が必要です。練り消しゴムは色を薄くしたいときや、細かい部分を調整するときに重宝します。
色鉛筆用消しゴムの選び方とポイント
色鉛筆用消しゴムを選ぶ際は、どのような用途で使うかを考えることが大切です。細かい線を消したい場合は先端が細いものや、練り消しゴムなど形を変えやすいものがおすすめです。
広い面を消したい場合や濃い色を修正したい場合は、砂消しゴムや電動消しゴムも選択肢に入ります。ただし、砂消しゴムや電動消しゴムは紙を傷めやすいので、目立たない場所で試してから使うと安心です。消しゴムを選ぶときは、用途別に複数のタイプを揃えておくのが失敗しにくいポイントです。
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色鉛筆をきれいに消すためのコツとテクニック

色鉛筆を消すときは、消しゴムの種類だけでなく、使い方にも工夫が必要です。効果的な使い方や、ちょっとした裏ワザを取り入れることで、よりきれいに修正できます。
消しゴムの使い方を工夫する方法
色鉛筆を消すときは、消しゴムの当て方や動かし方にコツがあります。強くこすると紙が傷むため、まずは軽い力で優しくトントンと叩くように使うとよいでしょう。
部分的に消したい場合は、消しゴムを細くカットしたり、角を使ったりして狙った部分だけを消します。また、消しゴムの先端をきれいに保ち、色が他の部分に移らないように気を付けましょう。消しゴムをこまめに掃除することも大切です。
マスキングテープやワセリンを使った裏ワザ
色鉛筆を塗る前に、消したくない部分にマスキングテープを貼っておくと、はみ出しを防ぐことができます。剥がすときはゆっくりめくると紙を傷めません。
また、ワセリンをほんの少量だけ紙面に塗ると、色鉛筆が密着しづらくなり、後から消しゴムで消しやすくなります。ただし、ワセリンは塗りすぎると油分で紙が変質することがあるため、控えめに使用しましょう。これらのワザを使うことで、より正確な表現や修正が可能になります。
電動消しゴムやカッターを活用するテクニック
細かな修正や、しっかり色を消したい場合には電動消しゴムを使うのもおすすめです。電動消しゴムは先端が細く、ピンポイントで力を加えやすいため、細い線や小さな部分をきれいに消せます。
また、カッターの刃先を使って、紙の表面だけをそっと削る方法もあります。これは最終手段として使う方法ですが、消しゴムだけで消しきれなかった色も、慎重に削れば目立たなくなります。ただし、紙が破れやすくなるので、慎重に作業することが重要です。
色鉛筆の色を明るくするための工夫
完全に消すのが難しい濃い色には、色を薄くする工夫も有効です。たとえば練り消しゴムで軽く叩くようにして色を吸着させると、全体のトーンを明るくできます。
さらに、白色の色鉛筆を上から重ねて塗ると、元の色をやわらげて目立たなくすることも可能です。このように「消す」だけでなく、「薄くする」「重ねる」といった工夫で、仕上がりを調整することができます。
色鉛筆用消しゴムの実力を比較検証

実際にいくつかの消しゴムを使い比べてみると、その性能や消しやすさの違いがよく分かります。ここでは人気消しゴムの実力や、色鉛筆の種類ごとの違いなどを検証します。
人気消しゴム各種で色鉛筆を消してみた
市販の人気消しゴムをいくつか使って、色鉛筆の線を消してみると、消しやすさや仕上がりに差が見られます。たとえば、定番のプラスチック消しゴムは、薄い色や淡い線には効果的ですが、濃い色や何度も塗り重ねた部分はうっすらと色が残りやすい傾向があります。
一方、砂消しゴムはしっかりと色を落とすことができますが、紙の表面にざらつきや傷が残る場合もあります。練り消しゴムは線を薄くするのには適していますが、完全に消すことは難しいです。それぞれの特徴を理解して、用途に合わせて使い分けることが重要です。
色鉛筆専用消しゴムと一般消しゴムの違い
色鉛筆専用消しゴムは、顔料やワックス成分をより効率的に除去できるように設計されています。一般的な消しゴムと比べて、紙への食付きや色の落ち方が異なります。
また、専用消しゴムの中には、粒子が細かくて紙を傷めにくいものや、形を細く調整できるタイプなどがあり、使い勝手の良さも魅力です。ただし、すべての色や紙に万能に使えるわけではないので、試し消しをしてから本番に使うと安心です。
100均や文具店で手に入るおすすめ消しゴム
最近では100均でも質の良い色鉛筆用消しゴムが手に入るようになりました。手軽に試せる点も魅力です。文具店では、さらに多様な種類やプロ仕様の消しゴムが揃っているので、比較して選ぶことができます。
店舗 | おすすめ消しゴム | 特徴 |
---|---|---|
100均 | 色鉛筆用砂消し丸型 | 安価・手軽に使える |
文具専門店 | 専用スティック消しゴム | 細かい部分に最適 |
店舗ごとにラインナップが異なるため、実際に試し消しできる店舗で選ぶのがおすすめです。価格やサイズもチェックして、自分に合ったものを見つけましょう。
色鉛筆の種類別で消え方を比べてみよう
同じ消しゴムでも、色鉛筆の種類によって消え方に違いが出ます。特に、油性や水性などの色鉛筆では、紙への定着力が異なるため、消しやすさも変わります。
油性色鉛筆はワックス分が多く、消すのが難しい傾向があります。水性色鉛筆は比較的消しやすいですが、塗り重ねると消しにくくなることもあります。消しゴムの種類と色鉛筆の特徴を組み合わせて、よりきれいな仕上がりを目指しましょう。
画材選びで押さえておきたいポイント

色鉛筆や消しゴム選びは、描きやすさや修正のしやすさに大きく影響します。目的やレベルに合った画材選びが、きれいな作品づくりの第一歩です。
初心者におすすめの色鉛筆と消しゴムの組み合わせ
はじめて色鉛筆画に挑戦する方には、描きやすくて発色の良い色鉛筆と、柔らかめのプラスチック消しゴムの組み合わせがおすすめです。消しやすさを重視する場合は、消しゴムの角が細いものや、持ちやすい形状のものを選ぶとよいでしょう。
具体的には、木軸の標準的な色鉛筆と、消しくずがまとまりやすい消しゴムの組み合わせが扱いやすいです。最初は高価なものよりも、手に入りやすいものから試してみて、自分に合った道具を見つけることが上達の近道です。
プロ仕様の画材で仕上がりをワンランクアップ
より高い表現力や美しい仕上がりを求める場合は、プロ仕様の色鉛筆や専用消しゴムを使うのがおすすめです。プロ用色鉛筆は顔料の発色が良く、重ね塗りやグラデーションも美しく仕上がります。
消しゴムも、電動タイプや極細タイプなど、用途に合わせて選ぶことで、思い通りの表現がしやすくなります。画材選びで迷った場合は、画材店のスタッフに相談したり、実物を試してみたりするのも良い方法です。
失敗を防ぐ紙の選び方と描き方のコツ
紙選びも色鉛筆画の完成度を左右する重要なポイントです。表面が滑らかすぎる紙は色が乗りにくく、ざらつきが強すぎる紙は消しにくくなる場合があります。
一般的には、中目(ちゅうめ)と呼ばれるほどよく凹凸のある紙がおすすめです。また、最初から濃く塗りすぎず、徐々に色を重ねていくことで、失敗しても修正しやすくなります。下描きは薄めに描き、間違えたら早めに消すことで、紙の傷みを防げます。
色鉛筆画をきれいに仕上げる保存とメンテナンス
完成した色鉛筆画は、描いたままにしておくと色あせや汚れ、こすれによる劣化が生じやすいです。作品をきれいに保存するには、透明なブックカバーやクリアファイルに入れておくと安心です。
また、仕上げに専用の定着スプレーを軽く吹きかけることで、色移りや色落ちを防ぐことができます。保管場所も直射日光を避け、湿気の少ない場所を選びましょう。日々のメンテナンスを心がけることで、大切な作品を長く美しく残すことができます。
まとめ:色鉛筆をきれいに消すコツと画材選びのポイント
色鉛筆をきれいに消すには、消しゴムや道具の選び方、使い方の工夫、そして画材選びが重要です。芯や紙の違いを理解し、用途に合ったアイテムを使うことが、きれいな仕上がりへの近道です。
また、消すだけでなく、色を薄くしたり、重ね塗りで調整したりといった様々な工夫も役立ちます。自分のスタイルや目的に合わせて、最適な道具とテクニックを見つけてみてください。画材選びや保存にも気を配り、より楽しく色鉛筆を使ってみましょう。
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