デッサンを始めるとき、どの鉛筆を選べばよいか迷う人は多いです。鉛筆の硬さや芯材、ブランドで描き心地や表現が大きく変わります。ここでは、初めて揃える組み合わせから携帯向けのセット、硬度ごとの使い分けや手入れ法まで、読みやすく整理して紹介します。まずは基本の組み合わせから見ていきましょう。
デッサンに使う鉛筆のおすすめと最初に揃える組み合わせ
初心者向け基本硬度セット
初心者にはHからBまでバランスよく入ったセットがおすすめです。具体的には2H、HB、2B、4Bの4本をまず揃えると、薄描写から中間調、濃い影まで対応できます。2Hは細部や下描き、HBは汎用、2Bは影の構築、4Bは濃さの調整に向きます。
鉛筆以外に消しゴム(練り消し)と鉛筆削りも用意してください。練り消しは部分的なトーン調整やハイライト作りに便利です。削り器は刃の良いものを選ぶと芯先が安定し、描きやすくなります。
最初は安価なセットでも問題ありません。大切なのは使い慣れることと、描きたい表現に応じて少しずつ硬度を増やすことです。描きながら自分に合う硬さを見つけていきましょう。
万能に使える硬度組み合わせ
万能セットは広い表現範囲をカバーできることが重要です。おすすめは4H、2H、HB、2B、6Bの組み合わせです。4Hでの下描きや微細描写、2Hで輪郭の補強、HBで一般的な線や中間調、2Bで影の構築、6Bで深い暗部や豊かな黒を表現できます。
この組み合わせなら、明暗のグラデーションや質感の違いを出しやすく、人物デッサンから静物まで対応可能です。描くたびに硬度を替えてタッチの幅を広げると絵に奥行きが生まれます。
携行性を考える場合は上位の硬度を減らし、よく使うHB〜6Bを中心にすると使いやすくなります。用途に応じて硬度の追加や入れ替えを検討しましょう。
コスパ重視の鉛筆銘柄
コスパ重視なら国内ブランドの一般品や海外の大量生産品が候補になります。価格が抑えられている分、替えが効きやすく、練習量を稼ぐのに向いています。書店や文具店で手に入りやすい点も利点です。
まれに芯が折れやすかったり黒さが不均一だったりするため、購入後に数本試して描き心地を確認してください。気に入った硬度だけ少量ずつ買い足すと無駄が少なくなります。
消耗が早い場合は替え芯や替え鉛筆をまとめ買いするとコストを抑えられます。まずは手持ちの予算に合わせた銘柄で続け、必要に応じて少し上位のものに切り替えていきましょう。
携帯向けケース付きセット
外出先やスケッチには携帯向けのケース付きセットが便利です。多くはHB〜4B程度までの硬度をコンパクトに収めており、消しゴムや削り器が付属することもあります。軽量でポケットやバッグに入るサイズが魅力です。
選ぶポイントはケースの保護性と持ち運びのしやすさ、硬度のバランスです。屋外での速写や構図取りが主な用途ならHBと2B中心のセットで十分な場合が多いです。長時間の使用には替芯や追加の鉛筆を別に持つと安心です。
耐久性の高いケースや開閉が簡単なタイプを選ぶと、描きたいときにすぐ使えます。見た目だけで選ばず、使い勝手を優先して選びましょう。
購入本数の目安
最初に揃える本数は用途で変わりますが、初心者向けなら4〜6本が目安です。多様な表現を試したいなら10本前後のセットを検討してください。屋外用と自宅用で分けるなら、それぞれ3〜5本ずつあると便利です。
消耗品としてはHBと2Bがよく減るため、これらを多めに揃えておくと安心です。また、特に濃淡をつける作業が多い場合は4B以上を複数持っておくと効率的です。
購入時は試し描きして感触を確かめ、気に入った硬度を中心に追加購入していくのが無駄が少ない方法です。
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表現が変わる硬さと芯材の選び方
薄描写向けの硬度帯
薄描写にはH系の硬度が向いています。特に3H〜6Hの範囲は線が細く、消しやすいため下描きや細部の描写に適しています。硬い芯は紙への食いつきが穏やかで、淡い線や微妙なトーンを作りやすい特徴があります。
硬度が高いほど光沢感は抑えられ、繊細な表現が可能になります。薄描写を多用する場合は芯先を細く削り、安定した手の動きで描くと美しい線が引けます。
一方で硬い芯は擦ると紙を傷めやすいので、薄いトーンを広く塗るときは注意が必要です。紙の選択も大切で、あまり荒い目の用紙だと線がかすれることがあります。
濃暗部向けの硬度帯
濃い暗部や深い黒にはB系の濃い硬度が適しています。4B〜8Bは黒が深く、濃淡の幅を広げるのに役立ちます。柔らかい芯は紙にしっかりと黒色をのせ、豊かなトーンを出せます。
濃暗部を描くときは一度に強く塗らず、層を重ねるようにトーンを築いていくとムラが出にくくなります。指やブレンダーでぼかすと滑らかなグラデーションが作れます。
ただし柔らかい芯は減りやすく折れやすいので、太めに削るか芯ホルダーを使うと扱いやすくなります。紙への圧力のコントロールも重要です。
グラファイト芯の特性
グラファイト芯は光沢があり、滑らかな描き心地が特徴です。多くの鉛筆で使われる一般的な芯材で、硬度の幅が広く表現の自由度が高いです。紙上での伸びが良く、陰影や線描の両方に対応できます。
光の当たり方で黒の見え方が変わるため、写真撮影やスキャン時に影や反射に注意が必要です。ツヤのある仕上がりを好む場合はグラファイトが適しています。
欠点としては擦ると指の跡が残りやすいことと、強い筆圧で紙を滑らかにしすぎると質感が失われる点です。保管時は汚れがつかないよう注意してください。
カーボン芯の特性
カーボン芯は深い黒とマットな質感が特徴で、写真のような黒を再現しやすいです。グラファイトに比べて反射が少なく、濃淡がはっきりして見えます。木炭に近いニュアンスが欲しい場合に向いています。
ただしカーボンは粉状になりやすく、手や紙の周辺を汚しやすい点に注意が必要です。フィキサチーフで定着させるか、保護紙を挟むなどして擦れを防いでください。
強い黒を必要とする部分に使うと、作品が引き締まりやすくなります。組み合わせて使用すると表現の幅が広がります。
光沢感と質感の違い
グラファイトは光沢を帯びやすく、ツヤのある黒が特徴です。これに対してカーボンはマットで落ち着いた黒味になります。作品を写真に撮るときや展示する際は、この違いが見え方に影響します。
光沢を活かすならグラファイトを主体にし、マットな質感を求めるならカーボンを取り入れるとよいでしょう。用途に応じて両方を使い分けると立体感や深みが増します。
描画の方向性や仕上げ方法によって適した芯材を選んでください。見栄えと扱いやすさのバランスを考えることが大切です。
筆圧別の硬度目安
筆圧が強い人は硬めのHB〜2Hを使うと紙を傷めずにコントロールできます。硬い芯は折れにくく、強い筆圧でも安定した線が引けます。逆に筆圧が弱い人は2B〜6Bなど柔らかめを選ぶと濃さが出やすくなります。
途中で力を入れすぎると紙目が崩れることがあるため、自分の筆圧を知っておくと硬度選びが楽になります。練習を重ねて筆圧を調整すると、より幅広い硬度が扱えるようになります。
指や手首の使い方も影響するため、筆圧だけでなく持ち方や腕の使い方も意識してみてください。
ブランド別に分かる描き心地と価格の目安
三菱ハイユニの特徴
三菱ハイユニは安定した硬さと滑らかな描き心地で人気があります。芯が折れにくく、濃度のバラツキが少ない点が評価されています。値段は中程度でコストパフォーマンスに優れ、練習用から作品制作まで幅広く使えます。
グラファイトの光沢感も程よく、線の伸びが良いため細密描写にも向いています。初めての本格的な鉛筆として選ばれることが多いブランドです。
ステッドラーの特徴
ステッドラーは芯の硬度や均一性に定評があり、欧米系の硬さ感が好まれる傾向があります。描き心地はしっかりとしており、細かい描写にも耐えます。価格はやや高めのものもありますが、品質の高さが魅力です。
セットものはバランスよく構成されており、プロや美術系学生にも広く使われています。耐久性や安定性を重視する人に向いています。
ファーバーカステルの特徴
ファーバーカステルは芯の滑らかさと黒の深みが特徴で、描き心地が非常に良いと評判です。高級ラインもあり、長時間の制作でも疲れにくい描き味があります。価格は高めですが、表現の幅を広げたい人に人気です。
色鉛筆や画材全般での信頼性が高く、統一感のあるセット構成が揃っています。プロの作品制作にも適しています。
トンボなど国内ブランドの特徴
トンボなどの国内ブランドは価格と品質のバランスがよく、入手しやすさも魅力です。初心者から中級者まで幅広い層に支持されており、使い勝手が安定しています。消耗品としてまとめ買いしやすい点も利点です。
描き心地は安定しており、セット内容も実用的です。幅広く使えるため最初の一本に向いています。
高級ブランドの価値ポイント
高級ブランドは芯の均一性や滑らかさ、長時間使用での疲れにくさが優れています。黒の深さやツヤ感、耐久性など細部の品質が高く、作品の仕上がりにも差が出やすいのが特長です。
価格は高めですが、納得のいく描き心地が欲しい人や展示を目指す人には価値があります。長く使う道具として検討すると良いでしょう。
セット構成の比較
セットは初心者向けの基本硬度からプロ仕様の幅広い硬度まで様々です。安価なセットは硬度の偏りがあることがあるので、購入前にラインナップを確認してください。
高価格帯のセットは収納ケースや付属品も充実しており、一本ずつの品質も安定しています。自分の用途と予算に合わせて選び、必要に応じて単品で補充する方法が無駄が少なくなります。
セット購入と単品購入の選び分けポイント
セット内容の硬度バランス
セットを買うときは硬度のバランスをチェックしてください。下描き用のH系、中間調のHB、濃いB系が適度に入っているかが重要です。偏りがあると使いにくいので、自分の描き方に合う組み合わせかを確認しましょう。
初心者は基本が揃ったセットが手間なく始められて便利です。一方で特定の硬度だけをよく使うなら単品で揃えるほうが無駄が少なくなります。
本数と携帯性の比較
セットは多くの硬度を一度に手に入れられますが、かさばることがあります。携帯性を重視するなら厳選した数本を別途用意するのがおすすめです。外出用と自宅用で分けると便利に使えます。
必要な硬度だけを小分けにして持ち歩くことで作業効率が上がります。
ケースと付属品の有無
ケースや付属品(削り器、練り消しなど)が充実していると使い始めが楽になります。セット購入の大きな利点はこれらが一緒に揃う点です。付属品の品質も確認しておくと良いでしょう。
単品購入では自分好みの付属品を合わせられる利点があります。必要に応じて組み合わせてください。
価格と耐久性の比較視点
セットは一括で買うことで割安感がありますが、中身の品質は価格帯で差が出ます。単品で上質な鉛筆を少数揃えると長期的には満足度が高くなることがあります。耐久性や描き心地を重視するかコストを重視するかで選び分けてください。
使用頻度の高い硬度は少し良いものを選ぶと節約につながる場合があります。
長期使用向けの単品選び
長く使う予定があるなら、よく使う硬度を上質な単品で揃えるのが良いです。芯の均一性や折れにくさ、握り心地などを重視して選ぶと作業が快適になります。
定期的に消耗品を補充しつつ、自分の好みを反映させたラインナップに育てていきましょう。
描き方に合わせる鉛筆の使い分けと手入れ
持ち方のパターン
描き方には細かいライン向けの指先寄りの持ち方と、大きく腕を使うために先端を持つ持ち方があります。細密描写は手首と指先のコントロールで行い、ダイナミックな線やショートストロークは肘や肩を使うと安定します。
持ち方を変えるだけで線の表情が変わるため、描く部分に応じて使い分けてください。疲れにくい持ち方を見つけることも大切です。
削り方の種類
芯先の形状は削り方で変わります。細い線を引くなら尖らせ、広い面を塗るなら丸く削ると良いです。ナイフで削ると自分好みの先端が作れ、精密な調整が可能になります。
市販の鉛筆削りは手軽ですが、ナイフとやすりで仕上げるとプロ仕様の先端が作れます。安全に注意して作業してください。
芯先の形状と用途
尖った先は精密なライン、斜めに削った先は広い面のトーン作りに向きます。丸めの先は柔らかい表現や混色に適しています。描画中に先端を調整すると描線の幅や濃淡を自在に変えられます。
用途ごとに数種類の削り方を使い分けると作業効率が上がります。
消しゴムとの併用方法
消しゴムは線を消すだけでなくハイライトを作るための道具としても有効です。練りゴムは部分的なトーン調整に便利で、消しゴムは輪郭の修正に向いています。
消すときはこすり過ぎに注意し、紙面を傷めないように優しく使ってください。併用することでクリーンな仕上がりが得られます。
画用紙とスケッチブックの選び方
紙の目と厚さは表現に大きく影響します。細かい描写は滑らかな目の紙、濃淡を重ねたい場合はやや目のある厚手の紙が向いています。スケッチブックは携帯性と紙質のバランスで選んでください。
日常的に描くなら中性紙や耐久性のある製品を選ぶと色あせや黄ばみを防げます。
保管と湿気対策
鉛筆や紙は湿気に弱いので、湿度の高い場所は避けて保管してください。ケースや引き出しに乾燥剤を入れると効果的です。長期保存する場合は直射日光や高温を避けることも重要です。
消しゴムや削り器も一緒に保管し、定期的に点検して使いやすい状態を保ちましょう。
これだけあれば始められるデッサン鉛筆リスト
- 2H:下描きや細部描写用
- HB:万能の基本鉛筆
- 2B:影の構築に便利
- 4B:中~濃い影用
- 6B:深い暗部や強い黒表現用
- 練り消し:トーン調整・ハイライト用
- 鉛筆削り(またはナイフ):芯先の整形用
- スケッチブック(中性紙・中目)または画用紙:描画用紙
まずは上のリストを基に揃えてみてください。用途に合わせて一本ずつ追加していくと、自分らしい道具が整っていきます。
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