漫画やイラストを描くとき、どんなシャーペンや画材を選べばよいか迷った経験はありませんか。自分に合う道具を見つけることで、より快適に思い描いた線を表現できるようになります。描きやすさや仕上がりの違いを知ることは、初心者だけでなく経験者にも役立ちます。
この記事では、絵を描くためのシャーペンの基礎知識から、おすすめのブランド、効率的な使い方や画材の選び方まで幅広く解説します。自分にぴったりの道具を見つけて、イラスト制作をさらに楽しいものにしましょう。
絵を描くシャーペンの基礎知識と選び方

絵を描くシャーペン選びは、普段の筆記用とは異なるポイントが重要になります。快適な描き心地や、仕上がりに差が出るポイントを押さえて選びましょう。
絵を描くのに適したシャーペンの特徴
イラスト用のシャーペンは、安定して線が引けることや、長時間使っても疲れにくいことが重視されます。一般的な筆記用のものより、グリップ部分がしっかりしていたり、重心が低く設定されているモデルが多いです。
また、芯がブレにくい構造や、細かなパーツまでしっかり作られている製図用シャーペンが好まれる傾向があります。以下のポイントも参考にしてみてください。
- 手にフィットするグリップ
- 芯の繰り出し量を調整できる
- 芯径が複数から選べる
これらの特徴が揃っていると、細かい線やトーンの変化も自由に描けるため、初心者から上級者まで扱いやすいです。
鉛筆との違いと使い分け
シャーペンと鉛筆は、見た目や使い心地に違いがあります。まず、シャーペンは芯を入れ替えることで長く使え、常に安定した細い線が描けます。鉛筆は芯の太さや形が変わるため、線の表現に幅があります。
使い分けのポイントは以下の通りです。
- 細かい描写や均一な線:シャーペン
- 大胆なタッチや濃淡表現:鉛筆
また、鉛筆は芯を削る手間がある反面、グラデーションや太い線の表現がしやすいです。一方でシャーペンは消耗品の補充が手軽で、細かい作業や修正が多い漫画やイラストの下書きに適しています。
芯の太さや濃さの選び方
シャーペンの芯は、用途によって太さや濃さを選ぶことが大切です。主に使われる芯の太さは0.3mm、0.5mm、0.7mmがあり、それぞれに特徴があります。
芯の太さ | 向いている用途 | 特徴 |
---|---|---|
0.3mm | 細かい描写、仕上げ | 線が細く繊細 |
0.5mm | 一般的なイラスト全般 | バランス良好 |
0.7mm | 太めの線やラフスケッチ | 強弱が出る |
濃さは「HB」や「B」、「2B」などがあります。線を強調したい場合は「B」以上、薄く下書きをしたい場合は「HB」がおすすめです。自分の描き方や修正のしやすさを考えて選ぶとよいでしょう。
初心者におすすめのシャーペンタイプ
初心者には、扱いやすくバランスのとれた0.5mm芯のシャーペンが適しています。グリップが柔らかいものや、軽量で手が疲れにくいタイプも良い選択です。
また、芯が折れにくい構造や、少し太めの0.7mmも練習には向いています。最初から高価な製図用を選ばず、文房具店やネットで手に入る手頃な価格のものから試すのも良い方法です。自分の描きやすい重さや形状を探してみるのがおすすめです。
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人気のイラスト用シャーペンと注目ブランド

イラスト制作に人気のあるシャーペンや、注目されているブランドについて紹介します。どのモデルも使いやすさや耐久性に定評があります。
定番の製図用シャーペン
製図用シャーペンは、イラストや漫画の現場で定番となっています。代表的なモデルには、ぺんてるの「グラフ1000」やロットリングの「600」などが挙げられます。どちらも線が安定していて長時間描いても疲れにくい設計です。
特にグリップ部分が金属やラバーでできているため、手にしっかり馴染みます。芯の太さも選べるため、用途や好みに合わせて細い線も太い線も自在に描けます。下記のようなポイントが評価される理由です。
- 芯がブレにくい
- 細かい作業に適している
- デザインが無駄なくシンプル
話題のイラスト向けシャーペンブランド
最近では、uni(三菱鉛筆)の「クルトガ」シリーズや、パイロットの「S3」なども注目されています。クルトガは芯が自動で回転し、一定の細さを保てる独自の機能が特徴です。
こうしたブランドのモデルは、カラーバリエーションやグリップの工夫など、デザイン面でも人気があります。また、芯の折れを防ぐ仕組みや、軽量設計も魅力です。女性や子どもにも使いやすいモデルが多く、幅広い層に支持されています。
プロも愛用する高評価モデル
プロのイラストレーターや漫画家に支持されているのは、ロットリングやオレンズネロ(ぺんてる)などの製図用シャーペンです。これらのモデルは耐久性や精度が高く、細い線を長時間安定して描ける点が重視されています。
特にオレンズネロは芯が折れにくい機構と滑らかな描き心地が特徴です。ロットリング600は金属軸の重厚感とバランスの取りやすさが魅力で、プロフェッショナルから信頼されています。自分の描きたいタッチや作業量に合わせて選ぶと良いでしょう。
コストパフォーマンス重視の選択肢
コストパフォーマンスを重視する場合は、パイロットの「S3」やぺんてるの「スマッシュ」などが人気です。これらは手頃な価格でありながら、描き心地や耐久性もしっかりしています。
また、芯のバリエーションも豊富に用意されているため、初めてイラスト用シャーペンを選ぶ人にもおすすめです。以下のような特徴があります。
- 低価格帯でも品質が良い
- 修理やパーツ交換がしやすい
- 学生や初心者にも扱いやすい
シャーペンでイラストを描くメリットとデメリット

シャーペンでイラストを描くときの利点や注意点について見ていきます。良い点だけでなく、気をつけたいポイントも押さえておきましょう。
線の安定感や描き心地の良さ
シャーペンは細い芯と均一な線が特徴で、長時間描いても手が疲れにくい構造が多いです。グリップがしっかりしているタイプは、描き始めから終わりまで安定したタッチを保つことができます。
特に製図用タイプは、芯がブレずに滑らかに動くため、細かいディテールや繊細な表現も思い通りに仕上げることが可能です。線の太さを一定に保ちたい場合や、細かい作業が多い人には非常に魅力的な道具です。
シャーペンならではの表現テクニック
シャーペンは芯の角を使えば鋭い細線、寝かせて使えばやや太めの線など、角度や力加減でさまざまな表現ができます。芯の太さや濃さを変えたり、複数本のシャーペンを使い分けることで、線の強弱や質感の違いを出すことも可能です。
また、軽い筆圧で何度も線を重ねることで、下書きやラフ画の際に修正しやすくなります。消しゴムで消しやすい芯を選ぶことで、細かな調整や描き直しも簡単にできます。
芯の折れやすさと対策方法
シャーペンの芯は鉛筆に比べて細いため、強い筆圧や無理な使い方で折れてしまうことがあります。特に0.3mmや0.2mmなどの細い芯は、力加減に注意が必要です。
折れやすさへの対策としては、芯が折れにくい設計のモデルを選ぶか、適度な筆圧で描くことが効果的です。最近は芯を自動で送り出す機構や、芯をカバーするパイプがついたタイプもあるので、こうしたモデルを活用するのもおすすめです。
消しゴムとの相性や修正のしやすさ
シャーペンの線は消しゴムで簡単に消しやすく、何度も描き直しができるため、下書きやラフスケッチに最適です。芯の濃さによっては、消し跡が残りにくいものを選ぶこともできます。
ただし、濃い芯や紙質によっては消しゴムの種類にも気をつけましょう。少し柔らかめの消しゴムや、細かい部分用のペン型消しゴムなど、用途に合わせて準備しておくと修正作業がスムーズに進みます。
シャーペンで絵を上達させるコツと実践ポイント

シャーペンを使ってイラストをもっと上達させるための工夫や小技を紹介します。細かいコツを意識することで作品の質が向上します。
線の強弱やタッチの活かし方
線の強弱は、絵の印象や立体感に大きな影響を与えます。シャーペンでは筆圧を調整することで、太く濃い線や、細く薄い線を描き分けられます。
練習の際は、同じ線を太くしたり細くしたりしながら描いてみましょう。力加減を変える練習を重ねることで、自然な強弱が身につきます。また、芯をこまめに回すことで広い面を描くときも線が潰れにくく、美しいタッチを維持できます。
描きやすい持ち方や姿勢
疲れにくく安定した線を描くには、ペンの持ち方や姿勢も重要です。グリップは指先に力を入れすぎず、手首や腕全体を使って動かすよう意識しましょう。
また、机と椅子の高さを調整し、背筋を伸ばして座ることで長時間の作業も楽になります。紙を少し傾けて描くと自然な動きがしやすく、線のブレも減らせます。
シャー芯のメンテナンスと管理
芯が詰まったり、折れ残ったりすると描き心地が悪くなります。こまめに芯を補充し、使い終わった芯は中で詰まらないよう取り除いておきましょう。
また、芯ケースのふたをしっかり閉めておくと、湿気やゴミが入らず品質を保てます。特に細い芯は割れやすいので、持ち運びにも注意が必要です。
使い分けたい芯の種類やカラー芯
イラストの雰囲気や用途によって、芯の種類を使い分けるのもおすすめです。通常の黒芯のほか、ブルーやレッドなどのカラー芯も利用できます。カラー芯は、下書きと本描きを区別したいときや、色分けで整理したいときに便利です。
また、濃さや太さの異なる芯を複数持っておくと、描きたい部分ごとに使い分けやすくなります。自分の作風や目的に合った芯を選んでみましょう。
イラスト制作をもっと楽しくするおすすめ画材
シャーペン以外にも、イラスト制作に役立つ画材はたくさんあります。用途ごとに便利なアイテムや組み合わせ方を見てみましょう。
デッサンや下書きに役立つアイテム
下書きには、紙質や消しゴムにもこだわりたいところです。スケッチブックやコピー用紙、専用のデッサン用紙は滑らかな描き心地を実現します。消しゴムは、細かな部分用と全体用を使い分けると便利です。
また、定規やコンパスもラインをきれいに引きたいときに役立ちます。以下のアイテムもおすすめです。
- ペン型消しゴム(ピンポイント修正用)
- ねり消しゴム(グラデーションや微調整用)
- トレーシングペーパー(色分けや重ね書き)
デジタルイラストへの応用方法
最近では、シャーペンで描いた線画をスキャンやカメラでデジタル化し、パソコンやタブレットで仕上げる方法も一般的です。紙の質感や手描きの良さを残しつつ、色づけや加工が自由にできるのが魅力です。
また、タブレット専用のスタイラスペンも、シャーペンに近い感覚で使えるモデルが増えています。アナログとデジタルを組み合わせて、表現の幅を広げることも可能です。
コピックや色鉛筆との組み合わせ
シャーペンで下書きをした後、コピックや色鉛筆で色を加える方法も人気です。コピックは発色が良く、イラストの仕上がりが鮮やかになります。色鉛筆は柔らかなタッチやグラデーション表現に適しています。
組み合わせの際は、線が消えにくい芯を使ったり、色を塗る前に線画をペン入れしておくと、にじみや消えを防げます。好みに合わせてさまざまな画材を試してみましょう。
画材の選び方と長く使うためのポイント
画材を選ぶ際は、使いやすさやコストだけでなく、耐久性やメンテナンス性も重要です。シャーペンや消しゴムは定期的に掃除や補充を行い、芯や替えゴムをストックしておくと安心です。
また、画材ごとに専用のケースやポーチに収納することで、持ち運びやすくなり紛失も防げます。長く愛用するために、日頃の手入れや管理を心がけましょう。
まとめ:自分に合ったシャーペンでイラスト制作をもっと快適に楽しもう
シャーペン選びや使い方によって、イラスト制作の快適さや表現の幅は大きく変わります。自分の描き方や目的に合った道具を選ぶことで、作業がスムーズになり作品への満足度も高まります。
さまざまな画材やテクニックを試しながら、自分にぴったりのシャーペンやアイテムを見つけて、イラスト制作をもっと楽しく続けていきましょう。
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