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アクリル絵の具に使うニスの選び方や塗り方で作品の仕上がりや耐久性を高める方法

漫画やイラストをアクリル絵の具で仕上げるとき、せっかく描いた作品を美しく長く残したいと考える方は多いのではないでしょうか。アクリル画には仕上げとして「ニス」を使うことがよくありますが、種類や使い方に悩んでいる方も多いようです。

この記事では、アクリル絵の具に使うニスの基礎知識から、選び方やおすすめ製品、塗り方のコツ、作品を守るメンテナンス方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。あなたの大切な作品をより美しく、しっかり守るための参考にしてみてください。

目次

アクリル絵の具に使うニスとは何か知っておきたい基本

アクリル 絵の具 ニス

アクリル画の仕上げで使われる「ニス」について、どんな役割があるのか、どのように選ぶべきなのかを知ることは、絵を描くうえでの安心感につながります。まずは、ニスがもたらす基本的な効果や種類について触れていきます。

ニスを使う理由とアクリル画の仕上がりへの影響

アクリル画を描いたあとにニスを塗ることで、作品表面がしっかりと保護されるようになります。アクリル絵の具自体も乾燥すると水に強くなるのですが、日常のちょっとした摩擦やほこり、紫外線などによる色あせからは完全に守りきれません。

また、ニスを塗ることで表面の質感や色の鮮やかさが変わることも特徴です。ツヤが出て発色がより豊かに見えたり、反対に落ち着いたマット感を演出できたりします。つまり、ニスは見た目の仕上がりにも大きく影響を与えるため、作品のイメージに合ったものを選ぶことが大切です。

主要なニスの種類とそれぞれの特徴

アクリル用ニスには大きく分けて「グロス(ツヤあり)」「サテン(半ツヤ)」「マット(ツヤ消し)」の3種類があります。それぞれの特徴を理解しておくと、作品の雰囲気に合わせて最適なニスを選びやすくなります。

  • グロス:表面に強いツヤが出て、色が鮮やかに見えます。透明度も高く、装飾的な作品に向いています。
  • サテン:グロスとマットの中間で、自然な仕上がりになります。テカリを抑えつつ、色の鮮やかさも程よく保てます。
  • マット:ツヤがなく落ち着いた印象になります。光の反射を抑え、繊細な表現や落ち着いた雰囲気の作品におすすめです。

また、種類によってUVカット効果があるものや、耐久性が高いものもあるため、用途や保存環境を考慮して選びましょう。

ニスが作品を守る具体的な効果

ニスはただ表面を覆うだけでなく、さまざまな要因からアクリル画を守る役割があります。たとえば、ホコリや湿気による汚れ、手垢、紫外線による色あせ、擦り傷などから作品をガードしてくれます。

特に紫外線はアクリル絵の具の色を徐々に褪せさせる原因となるため、UVカット効果のあるニスを選ぶと安心です。また、展示や長期保存の際には、ニスの有無で作品の保存状態が大きく変わることもあります。定期的なメンテナンスも含めて、ニスの活用を意識すると良いでしょう。

初心者が知っておくべきニスの基礎知識

初めてニスを使う方は、「どのタイミングで塗れば良いのか」「失敗したらやり直せるのか」など不安があるかもしれません。アクリル画の場合、絵の具がしっかり乾燥してからニスを塗布するのが基本です。

また、ニスには「取り外し可能タイプ(リムーバブル)」と「取り外し不可タイプ」があります。初心者の方が最初に使うなら、やり直しができるリムーバブルタイプが安心です。道具や使い方も難しくないので、チャレンジしてみる価値は十分にあります。

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アクリル画に適したニスの選び方とおすすめ製品

アクリル 絵の具 ニス

アクリル画の印象を大きく左右するニスは、作品の雰囲気や用途によって選び方が変わります。ここではツヤのタイプや保護性能、人気製品など、実際の選び方とおすすめの製品に焦点を当ててご紹介します。

ツヤの種類で選ぶグロスサテンマットの違い

ニス選びで最も迷いやすいのが、ツヤのタイプです。グロス・サテン・マットの違いによって、完成した作品の雰囲気が大きく変わります。

  • グロス(ツヤあり):鮮やかな発色で、色の深みや透明感が強調されます。華やかな作品やデジタル風のイラストにもぴったりです。
  • サテン(半ツヤ):自然な印象を持ち、ツヤと落ち着きを両立させたいときに向いています。人物画や風景画など、幅広いジャンルに使いやすいです。
  • マット(ツヤ消し):落ち着いた質感で、光の反射を抑えます。繊細な表現やシックな雰囲気を大切にしたい場合におすすめです。

作品のテーマや展示場所の照明、見せたい質感に合わせて選ぶと、仕上がりに満足しやすくなります。

UVカットや耐久性を重視したい人向けのニス

屋外展示や明るい場所に作品を飾る場合、UVカット効果や耐久性を重視したニス選びが重要です。紫外線に長時間さらされると、色あせや劣化が進みやすくなります。

最近では「UVカット成分配合」「高耐久タイプ」といった表記のあるニスも多く登場しています。こうした製品を選ぶことで、作品の美しさをより長く維持することが可能です。また、水や湿気に強い耐水性もチェックすると安心です。特に、お子さんの手が触れる場所や公共スペースでの展示など、耐久性が求められるシーンでは適したニスを選ぶようにしましょう。

使いやすさと仕上がりで選ぶ人気のニス製品

ニスは各メーカーからさまざまな製品が販売されています。使いやすさや仕上がりに定評のある、人気のニス製品を表にまとめました。

製品名タイプ特徴
リキテックス アクリルバーニッシュグロス/マット塗りやすく初心者にも人気
ターナー グロスバーニッシュグロスUVカット効果あり
ホルベイン アクリルバーニッシュサテン落ち着いた半ツヤ仕上げ

このように、目的や好みに合わせて選べる幅広い商品があります。初めての場合は、口コミやレビューで評価の高いものを選ぶと安心です。

初心者にも扱いやすいスプレータイプと液体タイプ

ニスには「スプレータイプ」と「液体タイプ」があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。初心者が扱いやすいのは、手軽に均一に塗れるスプレータイプです。

  • スプレータイプ:広い面積にもムラなく吹き付けることができ、乾きも早いのが特徴です。ただし、屋外など換気の良い場所で使う必要があります。
  • 液体タイプ:刷毛やスポンジで塗るため、細かい部分も丁寧に仕上げられます。重ね塗りなど質感の調整がしやすく、自分好みの仕上がりに近づけたい方に適しています。

用途や作業環境、作品のサイズによって、どちらが合うか検討してみましょう。

ニスの塗り方と失敗しないためのコツ

アクリル 絵の具 ニス

せっかく選んだニスをきれいに仕上げるには、正しい塗り方やコツを押さえておく必要があります。ここからは、道具の準備から塗布のポイント、トラブル時の対処法まで具体的に説明します。

ニス塗布の基本手順と準備する道具

ニスを塗布する際に必要な道具は、主に以下のとおりです。

  • ニス本体(液体またはスプレー)
  • 刷毛、スポンジ(液体タイプの場合)
  • 汚れても良い下敷き
  • 手袋、マスク(安全対策)

まず、作品表面のホコリや汚れをやさしく落とします。次に、平らな場所に作品を置き、ニスが均等に広がりやすいように準備します。液体タイプの場合は、刷毛にたっぷり取りすぎないようにし、一定方向に薄く広げるのがコツです。スプレータイプは、20~30cmほど離してまんべんなく吹き付けるよう心がけましょう。

均一に塗るためのポイントと注意点

ニスを均一に塗るには、いくつかのポイントがあります。まず、一度に厚く塗らないことが大切です。厚く塗るとムラや気泡が入りやすくなります。

また、刷毛やスポンジを使う場合は、塗る方向をそろえ、一筆一筆を丁寧に重ねていくことが仕上がりの美しさにつながります。スプレータイプは、作品から適切な距離を保ち、動かしながらまんべんなく塗布してください。作業中のホコリやゴミの付着にも気を配り、静かな場所で落ち着いて作業するのがコツです。

乾燥時間や重ね塗りのタイミング

ニスを塗ったあとは、必ず十分に乾燥させる時間をとることが大切です。乾燥が不十分だと、表面に指紋が付いたり、重ね塗り時にムラの原因となります。

目安として、液体タイプは2~3時間、スプレータイプは30分~1時間程度で表面が乾きます。ただし、湿度や気温によって差があるため、触ってベタつきがなくなったことを確認してから次の作業に進みましょう。重ね塗りをする場合は、完全に乾いてから行うことで、均一で美しい仕上がりになります。

失敗例とそのリカバリー方法

ニス塗りでよくある失敗例としては、「ムラができる」「気泡が入る」「ホコリやゴミが付着する」などがあります。これらのトラブルも、冷静に対処することでリカバリーが可能です。

ムラができた場合は、乾燥後にもう一度薄く塗り直すことで改善できます。気泡が入った場合は、乾く前なら刷毛でやさしくなじませたり、スポンジで吸い取ると良いです。ホコリが付着したときは、乾燥後にきれいな布や粘着テープでやさしく取り除いてから、再度薄くニスを塗り重ねましょう。あわてず一つ一つ丁寧に対応することが、仕上がりの質を高めるポイントです。

アクリル絵の具用ニスの活用シーンと上手なメンテナンス

アクリル 絵の具 ニス

アクリル画にニスを使うことで、作品の美しさが長持ちします。展示や保存、定期的なメンテナンスに役立つニスの使い方や注意点を知っておくと、作品をより良い状態で保つことができます。

作品展示や保存時のニスの役割

作品を展示する際には、多くの人の目に触れやすい反面、空気中のホコリや手垢、湿気などからも影響を受けやすくなります。ニスは、こうしたダメージから作品表面を守る役割を果たします。

また、長期保存時にも、色あせやカビ、光による劣化を防ぐ効果が期待できます。特に額装せずそのまま飾る場合や、移動・梱包を繰り返す場合は、ニスによる保護が作品寿命を延ばすポイントとなります。

定期的なメンテナンスとニスの除去方法

作品を長く美しく飾り続けるためには、時折表面を観察し、必要に応じてメンテナンスを行うことが大切です。通常はやわらかい布でほこりを優しく払う程度で十分ですが、表面に劣化や汚れが目立ってきた場合は、ニスを一度除去して塗り直す方法もあります。

リムーバブルタイプのニスであれば、専用のリムーバー(除去液)を使って表面だけを落とすことができます。再度ニスを塗り直せば、作品の美しさがよみがえります。ただし、除去作業は説明書を必ず確認し、適切な方法で行いましょう。

ニスを使う際に気をつけたい環境や安全面

ニスを塗る際は、換気の良い場所で作業することが大切です。特にスプレータイプは、揮発性の成分を吸い込まないよう、必ず窓を開けたり屋外で作業しましょう。

手袋やマスクを着用すると、肌荒れやアレルギーの予防になります。小さなお子さんやペットが近くにいる場合は、使用後もしっかり換気を行い、道具や残ったニスは安全に保管してください。

ニスの選び方が変わる素材別の注意点

アクリル画以外にも、紙や木、布、キャンバスボードなど、さまざまな素材に描く場合があります。素材によっては、ニスの種類や塗布量に注意が必要です。

たとえば紙は水分に弱いため、水性ニスを使うと波打ちや変形が起きやすくなります。木や布の場合は、素材表面にあらかじめ下地処理(シーラーやジェッソなど)をしておくと、ニスの密着が良くなり、仕上がりも美しくなります。素材ごとの使い方や注意点も確認しながら、適切なニス選びを心がけましょう。

まとめ:アクリル絵の具のニスで作品の魅力と耐久性を高めよう

アクリル画にニスを使うことで、作品が受けるさまざまなダメージを軽減し、美しい仕上がりや質感を長く保つことができます。ツヤの違いやUVカット、耐久性など、用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。

正しい塗り方やメンテナンスのポイントを押さえることで、初心者でも失敗なく使いこなせます。大切な絵をより魅力的に、長く楽しむためにも、ニスの活用をぜひ取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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