最近は100均でも手軽に手に入るアクリル絵の具ですが、本格的に作品を作りたいとき、100均のアイテムだけで十分なのか迷うことはありませんか?
安さは魅力ですが、発色や耐久性の違いを知ることで、あなたの表現の幅はぐっと広がります。今回は、趣味をより楽しむための最適な選び方をご紹介します。
アクリル絵の具100均と市販品の選び方
セットの発色で選ぶ
アクリル絵の具を選ぶ際、最も大きな違いを感じるのが「発色」の良し悪しです。100均の商品はコストを抑えるため、色の元となる顔料の含有量が少なく設定されていることが多々あります。
そのため、一度塗っただけでは色が薄く感じられたり、下の色が透けて見えてしまったりすることが少なくありません。一方で専門メーカーのセットは、高濃度な顔料が使用されており、一筆で驚くほど鮮やかな発色を実現します。
特に、複数の色を混ぜ合わせて新しい色を作る際には、この顔料の質が重要になります。質の高い絵の具は、混色しても色が濁りにくく、思い描いた通りの色彩を表現することが可能です。
初心者の方こそ、まずは発色の良いメーカー品を手に取ることで、色彩感覚を養いながら作品作りを楽しむことができるでしょう。色の伸びや隠ぺい力の違いを実感することが、上達への近道となります。
容量とコスパを重視する
100均のアクリル絵の具は、1本110円という手軽さが最大のメリットです。しかし、実は容量あたりの単価で比較すると、メーカー品のセット購入の方がお得になるケースも少なくありません。
例えば、100均のチューブは1本あたりの容量が少ないため、広い面積を塗る作品ではすぐに使い切ってしまいます。結果として何度も買い足すことになり、トータルのコストが膨らんでしまうのです。
Amazonなどで販売されているベストセラーのセット商品なら、12色や24色がまとまっており、1本当たりのコストを抑えつつ豊富なカラーを揃えられます。
特に白や黒といった使用頻度の高い色は、大容量で販売されているメーカー品を個別に用意し、他の色はセットで揃えるのが賢い買い方といえます。
趣味として長く続けていくのであれば、最初に信頼できるメーカーのセットを手に入れておく方が、最終的なコストパフォーマンスは非常に高くなると言えるでしょう。
速乾性能を確認する
アクリル絵の具の大きな特徴は、水性でありながら乾くと耐水性になる「速乾性」にあります。この乾燥スピードが適切であるかどうかが、作業効率を大きく左右します。
100均の絵の具の中には、乾燥が早すぎてパレットの上ですぐに固まってしまったり、逆に乾きが遅くて重ね塗りに時間がかかったりするものが見受けられます。
市販の高品質なアクリル絵の具は、アーティストが作業しやすいように絶妙な乾燥速度に調整されています。これにより、グラデーションを作ったり、色を重ねたりする表現がスムーズに行えるのです。
また、乾燥後の表面の平滑性も重要なポイントです。高品質なものは乾燥してもヒビ割れしにくく、滑らかな質感を保つことができます。
速乾性が安定していると、次の色を塗るタイミングが読みやすくなるため、ストレスなく制作に没頭できます。自分の制作スタイルに合った乾燥スピードを持つ絵の具を見極めることが、作品の完成度を高める鍵となります。
耐水性の高さを比較する
アクリル絵の具は乾燥後に樹脂が固まり、水に溶けない膜を作ります。この耐水性の強さが、作品の長期保存や屋外での展示に大きな影響を与えます。
100均の商品は、この樹脂成分の質や量が控えめな場合があり、完全に乾いた後でも水に濡れると色が落ちたり、表面がベタついたりすることがあります。
大切な作品を長く綺麗に保ちたいのであれば、耐水性能がしっかり保証されているメーカー品を選ぶべきです。専門メーカーの絵の具は、過酷な環境下でも色あせしにくい耐光性も備えています。
また、耐水性が高いと、乾いた上から別の色を重ねても下の色が溶け出さないため、重厚な塗り込みや繊細なディテール表現が可能になります。
木材やプラスチック、布など、紙以外の素材に描く場合も、樹脂の定着力が強い市販品の方が剥がれにくく安心です。用途に合わせて、信頼できるブランドの耐水性を基準に選ぶようにしましょう。
「漫画で何を伝えるべきか」がわかる本!
著名な先生方のお話が満載で充実の一冊。
おすすめのアクリル絵の具セット7選
ターナー色彩 アクリルガッシュ 12色セット
圧倒的な隠ぺい力と、落ち着いたマットな質感が特徴の定番商品です。ムラなく均一に塗りやすいため、デザインやイラスト制作に最適です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,300円〜1,600円 |
| 特徴 | 超速乾でマットな仕上がり、隠ぺい力が高い |
| 内容量 | 11ml×12色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
サクラクレパス アクリルガッシュ 12色セット
学校教育現場でも長年愛されている信頼のブランドです。粒子が細かく、伸びが良いので、初心者でも扱いやすい滑らかな描き心地が魅力です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,000円〜1,300円 |
| 特徴 | 粒子が細かく伸びが良い、教育現場での実績 |
| 内容量 | 12ml×12色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ぺんてる アクリルガッシュ ラミネートチューブ 12色
最後まで絞り出しやすく、空気が入りにくいラミネートチューブを採用しています。絵の具が固まりにくいため、長期間使い続けたい方にぴったりです。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,100円〜1,400円 |
| 特徴 | 丈夫なラミネートチューブで保存性が高い |
| 内容量 | 11ml×12色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
【Shuttle Art】アクリル絵の具 24色セット
圧倒的な色数とコストパフォーマンスを誇る、Amazonで大人気のセットです。豊富なカラーが最初から揃っているため、混色の手間を省いて制作できます。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,800円〜2,200円 |
| 特徴 | 24色の多色展開でコスパ抜群 |
| 内容量 | 12ml×24色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ホルベイン アクリリックカラー 12色セット
プロの作家にも愛用者が多い、透明感と鮮やかさを兼ね備えた高品質な絵の具です。乾燥後の光沢感が美しく、重厚な油彩風の表現も可能です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約2,000円〜2,500円 |
| 特徴 | 美しい透明感と強い定着力、アーティスト品質 |
| 内容量 | 12ml×12色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
【Liquitex】リキテックス ベーシックス 12色
世界的に有名なアクリル絵の具ブランドのエントリーモデルです。粘度が適度で扱いやすく、キャンバスだけでなく様々な素材に描画できます。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,400円〜1,800円 |
| 特徴 | 世界的ブランドの信頼性、幅広い素材に対応 |
| 内容量 | 22ml×12色 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
マジックフライ アクリル絵の具 14色セット
手軽にアートを楽しみたい方向けの、筆やパレットがセットになった便利な商品です。これ一つで届いたその日から作品作りを始めることができます。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,500円〜2,000円 |
| 特徴 | 充実の付属品ですぐに始められる |
| 内容量 | 12ml×14色 |
| 公式サイト | メーカー公式サイトが見つかりませんでした |
アクリル絵の具を比較する際の重要な基準
1本あたりの単価比較
アクリル絵の具を選ぶとき、セット全体の価格だけに目を奪われがちですが、1本あたりの単価を計算することで真のコストパフォーマンスが見えてきます。
特にAmazonで販売されている大容量セットは、一見高価に見えても、1本あたりの価格に換算すると100均と同等か、それ以下になることが珍しくありません。
例えば、12色セットと24色セットを比較した際、1本当たりの価格が大幅に下がるのであれば、多色セットを選んだ方が将来的に追加購入する手間も省けます。
また、単価だけでなく、チューブの中身がどれだけ使いやすいかも考慮すべきです。安価すぎる商品は成分が分離しやすいこともあるため、注意が必要です。
予算に合わせて選ぶことは大切ですが、容量と価格のバランスを冷静に比較し、無理のない範囲で質の良いものを選ぶことが、長く趣味を楽しむ秘訣と言えるでしょう。
仕上げの質感の違い
アクリル絵の具には、大きく分けて「アクリルガッシュ」と「アクリルカラー」の2つの種類があり、それぞれ仕上げの質感が全く異なります。
アクリルガッシュは、不透明でツヤのない「マット」な仕上がりになります。ポスターやイラストのように、平面的で均一な色面を作りたい場合に非常に適しています。
対してアクリルカラーは、透明感があり乾燥後に「光沢」が出るタイプが多いのが特徴です。重ね塗りによって深みを出したり、油絵のような重厚な質感を表現したりするのに向いています。
100均の商品はどちらかというとマット寄りのものが多いですが、自分の作りたい作品のイメージが「サラッとした質感」なのか「高級感のある光沢」なのかで選ぶべき種類が変わります。
質感を間違えてしまうと、どんなに技術があっても理想の完成形には近づけません。購入前に、その絵の具がどのような質感に仕上がるのかを確認しておくことが重要です。
カラーバリエーション数
色が多ければ多いほど良いと思われがちですが、カラーバリエーションの選び方は自分のスキルやスタイルに合わせて考えるのがベストです。
初心者の場合、まずは12色程度の基本セットから始めるのがおすすめです。限られた色の中で「色を作る(混色)」経験を積むことで、色彩の仕組みを深く理解できるようになるからです。
一方で、特定のニュアンスカラー(パステルカラーや蛍光色など)を多用する場合は、最初から多色セットを選んだ方が、色の再現性が安定し、時短にも繋がります。
メーカー品は色のラインナップが非常に豊富で、必要になった時に1本単位で同じ色を買い足せるのが大きな強みです。100均では廃番や在庫切れのリスクがありますが、定番品ならその心配がありません。
将来的にどのような作品を描きたいかを想像しながら、拡張性の高いブランドのセットを選ぶことが、あなたのアーティストとしての成長をサポートしてくれるでしょう。
チューブ容器の扱いやすさ
意外と見落としがちなのが、絵の具が入っている「容器(チューブ)」の形状や素材です。これによって、作業中のストレスや保存のしやすさが大きく変わります。
最近主流となっているのは「ラミネートチューブ」です。これは金属とプラスチックの特性を併せ持っており、絞り出しやすく、形が復元しにくいため空気が入りにくいのが特徴です。
空気が入りにくいと、チューブ内の絵の具が酸化して固まるのを防げるため、長期間品質を保つことができます。100均の薄いプラスチックチューブは、キャップ周りが壊れやすいものもあるので注意が必要です。
また、キャップの形状も重要です。片手で開け閉めできるワンタッチキャップタイプは、作業の手を止めずにスムーズに色を出せるため、非常に効率的です。
一方で、しっかりと密閉できるネジ式キャップは、持ち運びの際に漏れる心配が少なく、プロ仕様の絵の具に多く採用されています。自分の作業環境に合った容器のタイプを選びましょう。
アクリル絵の具を使用する際の注意点
筆の乾燥と固着に注意
アクリル絵の具を使用する上で、最も気をつけなければならないのが筆の管理です。アクリル絵の具は乾燥すると強力な耐水性の膜を形成するため、一度筆の上で固まってしまうと、水では落とせなくなります。
制作中は、使っていない筆はこまめに水に浸けておくか、パレットの上で乾燥させないように注意してください。少しでも放置すると、根元から固まり始め、筆の柔軟性が失われてしまいます。
万が一固まってしまった場合は、専用のクリーナー(リムーバー)を使用する必要がありますが、筆の毛を傷める原因にもなります。基本的には「乾く前に洗う」を徹底しましょう。
後片付けの際は、中性洗剤や筆洗専用の石鹸を使い、根元に残った絵の具までしっかりと洗い流してください。筆を清潔に保つことが、長く愛用するための絶対条件です。
高級な筆を使っている場合は特に、この乾燥への注意が作品のクオリティ維持にも直結します。常に筆の状態を気にかけながら作業する習慣をつけましょう。
下地の素材との相性確認
アクリル絵の具は、紙、木、布、石、プラスチックなど、多種多様な素材に塗ることができます。しかし、素材によっては「下地処理」をしないと色が剥がれやすい場合があります。
特にプラスチックや金属などのツルツルした面は、そのまま塗っても絵の具が定着しにくいです。あらかじめサンドペーパーで表面を軽く荒らすか、専用の下地材「ジェッソ」を塗る必要があります。
布に描く場合は、洗濯した際に色が落ちないよう、布専用のメディウムを混ぜるのが一般的です。100均の絵の具を紙以外の素材に使う場合は、特に定着力が弱いため注意が必要です。
また、油性の下地の上にアクリル絵の具を塗ることはできません。油分が水を弾いてしまい、すぐに剥離してしまうからです。描画する素材がアクリルに適しているか、事前に小さな箇所でテストすることをおすすめします。
素材に合わせた適切な下準備を行うことで、絵の具の持ちが劇的に良くなり、プロのような仕上がりを実現することができます。
服への付着を防ぐ対策
アクリル絵の具は、一度服について乾いてしまうと、普通の洗濯ではまず落ちません。お気に入りの服を台無しにしないよう、事前の対策が非常に重要です。
制作を始める前には、必ずエプロンを着用するか、汚れても良い作業着に着替えるようにしましょう。特に小さなお子様と一緒に楽しむ場合は、腕カバーなども活用すると安心です。
もし絵の具が服についてしまったら、一秒でも早く対処してください。まだ濡れている状態であれば、大量の水と石鹸で揉み洗いをすることで、ある程度落とすことが可能です。
一度乾いてしまった場合は、除光液や専用の剥離剤を使う方法もありますが、生地を傷めたり色落ちしたりするリスクが高いです。基本的には「付いたらすぐ洗う」「汚れても良い格好でする」が鉄則です。
床やテーブルにも新聞紙やビニールシートを敷いておくなど、周囲を保護する準備も忘れないでください。安心して作業できる環境作りが、集中力を高めることに繋がります。
適切な保存方法の確認
せっかく揃えたアクリル絵の具も、保存方法が悪いと数ヶ月でチューブの中で固まって使えなくなってしまいます。長持ちさせるためのポイントは「密閉」と「温度管理」です。
使い終わった後は、チューブの口についた余分な絵の具をティッシュなどで綺麗に拭き取ってからキャップを閉めてください。口の部分に絵の具が残っていると、キャップが完全に閉まらず隙間から空気が入ってしまいます。
また、キャップをきつく締めすぎるのも注意が必要です。次に使う時に開かなくなったり、キャップが割れてしまったりすることがあります。適度な力で、隙間なく閉めることを意識しましょう。
保管場所は、直射日光の当たらない涼しい場所がベストです。極端に暑い場所や、凍結するような寒い場所は避けてください。絵の具の成分が分離したり、変質したりする恐れがあります。
たまにチューブを軽く揉んで、中の成分を均一に保つのも良い方法です。適切な管理を心がければ、メーカー品の絵の具は何年も使い続けることができ、結果として非常に経済的です。
自分に最適なアクリル絵の具を見つけよう
アクリル絵の具は、100均のものから専門メーカーの高品質なものまで、選択肢が非常に豊富です。手軽に試してみたい時は100均も便利ですが、作品の完成度や保存性を考えるなら、やはり信頼できるメーカーのセットがおすすめです。
今回ご紹介したターナーやサクラクレパス、ホルベインなどの製品は、どれも多くのアーティストに支持されている間違いのない逸品ばかりです。発色の美しさや伸びの良さを一度体験すれば、これまでの制作がより一層楽しくなるはずです。
道具が変われば、あなたの表現の可能性は無限に広がります。自分の描きたいスタイルや予算に合わせて、長く付き合っていける「最高のパートナー」となる絵の具セットを選んでみてください。
まずは基本の12色セットを手に取り、そこから自分だけの色彩の世界を広げていきましょう。あなたのクリエイティブな毎日が、より鮮やかで素晴らしいものになることを心から願っています。
世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

