動物の絵を描きたいけれど、どこから手を付けていいか分からないという方は多いのではないでしょうか。複雑な毛並みや筋肉の動きを再現しようとすると難しく感じますが、実は「丸」と「線」というシンプルな図形の組み合わせだけで、驚くほどかわいらしい動物を描くことができます。まずは形を捉える基本のコツを知ることで、誰でも簡単にお気に入りの動物たちを紙の上に表現できるようになります。
簡単にかける動物は「丸と線」で形が決まるものから始めると上達しやすい
動物を上手く描くための第一歩は、実物を「記号」のようにシンプルに捉えることです。複雑なディテールをすべて描こうとせず、まずは顔を丸、体を楕円、足を線といった具合に置き換えて考えてみましょう。この「アタリ」をつける方法を覚えるだけで、全体のバランスが崩れにくくなり、どんな動物でも一定のクオリティで描けるようになります。まずは基本的な考え方のコツをいくつか紹介します。
顔のパーツが少ない動物が描きやすい
初めて動物を描くときは、目、鼻、口といった顔のパーツが少なくて済むモチーフから選ぶのがおすすめです。例えば、パンダやペンギンなどは、白と黒の色の塗り分けだけでもその動物だと認識しやすいため、細かい造形に頼らなくてもそれらしく見えます。パーツが少なければ、それぞれの位置関係を調整しやすくなり、作画のハードルがぐっと下がります。
逆に、馬や犬など、鼻筋が長かったり耳の構造が複雑だったりする動物は、少しのズレで違和感が出てしまいがちです。まずは丸い顔の中に、目と鼻をちょんと置くだけで完成するような、デフォルメしやすい動物から練習してみましょう。シンプルな顔が描けるようになると、自然と手の動かし方に慣れ、自信を持って次のステップへ進むことができます。
シルエットが分かりやすい動物が失敗しにくい
「何の動物を描いたのか」を一目で伝えるためには、シルエットが特徴的なものを選ぶのが賢い方法です。例えば、耳の長いうさぎや、首の長いキリンなどは、たとえ中身が真っ黒な影だったとしても、そのシルエットだけで正解が分かります。このように、一目で「これだ!」と分かる特徴を持っている動物は、多少形が歪んでもかわいらしくまとまるというメリットがあります。
描き始めるときは、その動物の一番の特徴となる部分(耳、しっぽ、ツノなど)から意識してみましょう。特徴的なシルエットがしっかり取れていれば、細かい部分は省略しても大丈夫です。むしろ、特徴を一つ強調して、あとはシンプルにまとめる方が、キャラクターとしての魅力が増して見えます。シルエットを捉える訓練は、将来的に複雑なポーズを描くときにも必ず役に立つ大切なスキルです。
模様よりも形を優先すると整う
初心者がやりがちな失敗として、トラのしま模様やヒョウの点々など、表面の模様を一生懸命描いてしまうことが挙げられます。しかし、土台となる「形」が歪んでいると、いくら細かく模様を描いても上手く見えません。まずは模様のことは一度忘れて、丸と線だけで綺麗な輪郭を作ることに集中しましょう。
形が整ったら、模様は「おまけ」程度の気持ちで書き加えるのがコツです。しま模様なら数本、ぶち模様ならバランスの良い場所に数カ所配置するだけで、十分その動物らしさは伝わります。模様を描き込みすぎると、画面がうるさくなってしまい、肝心の表情やポーズが目立たなくなることもあるので、引き算の意識を持って取り組んでみてください。
目の位置でかわいさが決まる
動物を「かわいく」描けるかどうかは、実は目の位置がすべてを握っていると言っても過言ではありません。人間や多くの動物の赤ちゃんは、顔の下の方にパーツが集まっているという特徴があります。これを利用して、丸い輪郭の真ん中よりも少し下の位置に目を描いてみましょう。これだけで、幼くて守ってあげたくなるような愛らしい表情になります。
逆に、目を高く配置したり、目と目の間隔を極端に狭くしたりすると、大人っぽかったり、あるいはユニークな個性が強まったりします。自分が「かわいい」と感じるイラストや写真を見本にして、輪郭に対して目がどの位置にあるのか、鼻との距離はどのくらいかをじっくり観察してみてください。ほんの数ミリの差で印象が劇的に変わるのが、動物イラストの面白いところです。
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簡単にかける動物のおすすめ練習アイテム
道具を揃えることは、絵を描くモチベーションを高めるだけでなく、上達のスピードを早めてくれます。初心者の方が無理なく始められ、かつ使い勝手の良いアイテムを厳選してご紹介します。
| カテゴリ | 商品名 | 特徴 | 公式サイト |
|---|---|---|---|
| 入門書 | 1日10分でえがじょうずにかける本 | 手順が非常に分かりやすく、子供から大人まで基本が学べる | 講談社 |
| 鉛筆 | 三菱鉛筆 ハイユニ 2B | 芯が柔らかく滑らか。濃淡を出しやすい定番の鉛筆 | 三菱鉛筆 |
| ペン | サクラクレパス ピグマ | 耐水性で描きやすい。太さのバリエーションが豊富 | サクラクレパス |
| スケッチブック | マルマン 図案スケッチブック | 鉛筆の乗りが良い中目の紙。サイズ展開も豊富 | マルマン |
| 消しゴム | ホルベイン 練り消しゴム | 紙を傷めず、汚れを吸着して消せる必須アイテム | ホルベイン |
動物の描き方入門の本
独学で始めるのも良いですが、一冊お手本となる入門書があると迷いがなくなります。特に「丸を描いてから耳をつける」といった、手順がステップごとに写真やイラストで示されている本がおすすめです。プロがどのように形を簡略化しているかを知ることで、自分の中に「描き方のパターン」が蓄積され、何も見なくても描けるようになります。
ポーズ集や写真資料集
動物は生きているため、常に動き回ります。そのため、写真資料集やポーズ集は非常に頼もしい味方になります。図鑑のような正面からの写真だけでなく、横を向いたり、丸まって寝ていたりする様々な角度の写真を見ることで、動物の体の構造が立体的に理解できるようになります。お気に入りの動物の写真を見ながら、それを丸と線の記号に置き換える練習を繰り返してみましょう。
2B鉛筆とシャープペン
最初は修正ができる鉛筆で描くのが一番です。2B程度の少し柔らかい鉛筆は、筆圧の調整で薄い線から濃い線まで自由自在に操れるため、動物の柔らかい質感を出すのに適しています。また、細かい部分を仕上げるときには、0.5mmのシャープペンシルがあると便利です。下書きは鉛筆でゆったりと、仕上げはシャープペンシルでシャープに、といった使い分けを試してみてください。
消しゴムと練り消し
絵を描くとき、普通の消しゴムに加えて「練り消し」を用意しておくと表現の幅が広がります。練り消しは紙をこすらずに、ポンポンと叩くようにして鉛筆の粉を吸い取ることができるため、紙を傷めません。また、動物のハイライト(光が当たっている部分)をふんわりと作りたいときにも非常に重宝します。指先で形を自由に変えられるので、消す道具というよりは「明るい色を置く道具」として使ってみましょう。
太めのサインペンやミリペン
鉛筆での下書きに慣れてきたら、ペンで清書をしてみましょう。サクラクレパスのピグマのようなミリペンは、インクがにじみにくく、初心者でも安定した線を引くことができます。また、あえて太めのサインペンを使って、迷いのない力強い線で描くのも面白いです。線に強弱をつけることで、一気にイラストとしての完成度が上がり、自分だけのオリジナル作品という実感が湧いてきます。
スケッチブック(中目)
描き心地を左右するのが紙の質です。マルマンの図案スケッチブックのように、表面に適度な凹凸(中目)がある紙は、鉛筆やペンの乗りが非常に良いです。コピー用紙のようなツルツルした紙よりも、描いたときに「描いている実感」が得られやすく、上達を実感しやすくなります。お気に入りの一冊を決めて、一ページずつ動物で埋めていく楽しみは格別です。
すぐ描ける簡単動物モチーフと描き方のコツ
それでは、具体的にいくつかの動物を例に挙げて、簡単に描くための手順を解説します。すべては「丸」から始まります。形を正確に捉えようとせず、まずは自分なりのかわいい形を探すつもりで、リラックスして描いてみてください。
ねこは丸い顔と耳で決まる
ねこを描くときのポイントは、まず少し横に長い楕円形の顔を描くことです。その上に、三角形の小さな耳を左右につけましょう。ねこの耳は付け根を少し広く取ると、よりねこらしく見えます。目は顔の横幅を三等分したあたりに配置し、鼻は目の高さよりも少し下に小さな逆三角形を描きます。
[Image showing step-by-step drawing of a cat: circle, triangular ears, facial features]
体を描くときは、顔の下に少し大きな楕円をくっつけます。しっぽは細長く、自由なカーブを描くようにすると動きが出ます。最後に、口元からピンと横に伸びるひげを左右に3本ずつ描き込めば、どこから見てもねこにしか見えないイラストの完成です。ひげの角度を変えるだけで、楽しそうに見えたり、少し驚いているように見えたりと、表情の変化を楽しめます。
うさぎは長い耳で形が作れる
うさぎの最大の特徴は、なんといっても長い耳です。顔はねこよりも少し縦長の丸、あるいは卵形をイメージして描きます。そのてっぺんに、顔の高さと同じくらいの長さの耳を二本並べて描きましょう。耳を片方だけ少し倒したり、左右に広げたりすると、うさぎの感情を表現できます。
[Image showing step-by-step drawing of a rabbit: egg-shaped face, long ears, round body]
うさぎの体は、丸まった餅のような形を意識するとかわいくなります。足はほとんど描かなくても、体から少しだけ見えるように配置するだけで十分です。目は少し離れ気味に配置すると、おっとりとしたうさぎらしい雰囲気が出ます。お尻の部分に小さな丸いしっぽをちょこんと乗せれば、うしろ姿もかわいいうさぎの出来上がりです。
くまは丸い輪郭でまとまる
くまは、すべてのパーツが丸で構成されているといっても過言ではありません。顔は正円、耳も小さな半円、鼻の周り(マズル)も丸、といった具合です。くまをかわいく見せるコツは、目と鼻を顔の中央寄りにぎゅっと集めることです。これにより、テディベアのような愛嬌のある顔立ちになります。
[Image showing step-by-step drawing of a bear: circular head, semi-circle ears, rounded limbs]
体のラインも、首をあまり意識せず、顔と体が直接つながっているような、ずんぐりとしたシルエットにすると安定感が出ます。手足の先も丸く描きましょう。くまはシンプルだからこそ、茶色や白など、色を変えるだけでシロクマやヒグマに描き分けることができます。模様がない分、ポーズを少し工夫するだけで、とても表情豊かなキャラクターになります。
とりはしずく形で体が描ける
とりを簡単に描くなら、水滴のような「しずく形」を活用しましょう。しずくの丸い方を顔、尖った方をしっぽに見立てて、横向きの形を描きます。そこに小さな三角形のくちばしと、点のような目をつけるだけで、あっという間にとりの形になります。
[Image showing step-by-step drawing of a bird: droplet shape body, triangle beak, stick legs]
翼は体の真ん中に小さなカーブを一枚描き加えるだけで十分です。足は細い線で「Y」の字を書くようにして、地面に立たせましょう。スズメやインコ、ヒヨコなど、ほとんどの小鳥はこのしずく形をベースにして描くことができます。形がシンプルなので、何羽も並べて描くと、賑やかで楽しい画面になります。
簡単にかける動物を続けて上達するまとめ
動物の絵は、まず「丸と線」という基本的な図形に分解して考えることで、誰でも驚くほど簡単に、そして楽しく描き始めることができます。最初から本物そっくりに描こうとせず、顔のパーツの配置を少し変えてみたり、耳の長さを調整してみたりしながら、自分が「これだ!」と思えるかわいさを見つけていくことが上達への近道です。
おすすめの道具を揃えて、毎日数分でもスケッチブックに向かう習慣をつければ、あなたの手の中から次々と新しい動物たちが生まれてくるようになります。ねこ、うさぎ、くま、とり。基本の描き方をマスターしたら、次はあなたの好きな動物にも同じ方法で挑戦してみてください。描き続けるほどに、動物たちの生き生きとした表情や動きが、自由自在に表現できるようになっていくはずです。
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ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

