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手のデッサンは簡単なポーズから挑戦!形を捉えるコツと練習に役立つ道具

手を描くことは多くの絵描きにとって大きな壁ですが、最初から複雑なポーズに挑む必要はありません。まずは構造を理解しやすい「簡単なポーズ」から練習を始めることで、デッサンの基礎力が着実に身につきます。この記事では、初心者の方が挫折せずに上達するためのポーズの選び方や、立体的に描くための具体的なコツ、さらには練習を支える便利な道具まで幅広くご紹介します。

目次

手のデッサンの簡単なポーズは「形が固まりやすい動き」から描くと上達しやすい

手のデッサンにおいて、いきなり指を複雑に絡ませたポーズを描こうとすると、比率が狂いやすくなってしまいます。最初は「形が固まりやすい動き」を選ぶことが成功の近道です。手がどのようなパーツで構成されているかを意識できるポーズを選ぶことで、描き込みの段階でも迷いが少なくなります。まずは大きな塊として手を捉える練習から始めましょう。

握りこぶしは立体が取りやすい

握りこぶしは、5本の指が一つにまとまっているため、手全体を一つの「大きな箱」として捉えやすいポーズです。指が伸びている状態だと各関節の位置や長さを個別に気にしなければなりませんが、こぶしの状態なら、まずは手の甲から指の関節にかけての大きな面を意識するだけで形が整います。

こぶしを描く際は、親指を除いた4本の指が作るアーチ状のラインに注目してください。このラインを一つの塊として捉えることで、指の厚みや手のひらの奥行きを表現しやすくなります。また、こぶしには「面」の切り替わりがはっきりと現れるため、光の当たる方向と影になる部分の区別がつけやすく、立体感を出す練習にも最適です。

最初は細かなシワを追うのではなく、こぶしを「岩」や「箱」のような立体物として描き進めることが大切です。大きな構造が正しく描けていれば、後から指の境界線や関節の凹凸を書き足すだけで、驚くほど説得力のあるデッサンに仕上がります。

指をそろえると比率が崩れにくい

指をバラバラに開いたポーズは動きがあって魅力的ですが、それぞれの指の角度や長さを正確に描くのは非常に難度が高い作業です。初心者の方におすすめなのは、4本の指をぴたりとそろえたポーズです。指をグループ化することで、手のひらと指の長さの比率(およそ1対1)を測りやすくなります。

指をそろえた状態は、手のひら全体のシルエットを把握しやすく、外側のラインをなぞるだけで基本的な形が取れます。このとき、中指が最も高く、小指にかけて緩やかに下がっていくラインを意識すると、より自然な手の形になります。指の隙間を気にしなくてよいため、指一本一本の太さがバラバラになるという失敗も防げます。

また、指をそろえることで「指の付け根のライン」が一直線に見えるようになり、骨格の構造を理解しやすくなるのもメリットです。このポーズで基本的な比率をマスターしておけば、指を開いたポーズに挑戦したときも、基準となる形を頭の中でイメージできるようになり、デッサンの精度が向上します。

手のひら正面は面で考えやすい

手のひらを正面から見たポーズは、奥行きの圧縮(短縮法)が少ないため、見たままの形を紙に写しやすいポーズです。手のひらの中央には適度な窪みがあり、親指の付け根(母指球)と小指側の膨らみが作る「丘」のような起伏を観察するのに適しています。

正面から描く際は、手のひらを「四角形」として捉えることから始めてください。そこに指の付け根のラインを引き、指がどの方向に伸びているかをガイド線で書き込みます。手のひらには手相のような細かな線がありますが、まずはそれらを無視して、大きな面の高低差を意識しましょう。

手のひら正面は、手首との繋がりを最もシンプルに観察できる角度でもあります。手首から手のひらへ、そして指先へと力がどのように伝わっているかを意識しながら描くことで、平面的な絵に「重み」が加わります。このポーズを繰り返すことで、手のパーツごとの距離感を正確に掴めるようになります。

親指の向きが形の印象を決める

親指は他の4本の指とは全く異なる動きをする、手のデッサンにおける最重要パーツです。親指がどの方向を向いているかによって、その手が「リラックスしているのか」「力を入れているのか」という印象が大きく変わります。簡単なポーズであっても、親指の付け根の位置と向きを正しく捉えるだけで、一気に手らしく見えます。

親指は手のひらの横側から生えているのではなく、手のひらの「底」に近い部分から複雑な関節を介して繋がっています。親指の付け根の大きな膨らみが、手のひらの全体の形の半分近くを占めていることを意識してください。ここを平面的に描いてしまうと、途端に手袋のような不自然な形になってしまいます。

親指の向きを観察するときは、爪の向きに注目すると分かりやすくなります。爪が自分の方を向いているのか、横を向いているのかを確認することで、関節のひねり具合を正確に描写できます。親指を制する者は手のデッサンを制すると言われるほど、この一本の指の扱いで完成度が左右されます。

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手のデッサンが続く簡単ポーズ練習おすすめアイテム

自分の手を見ながら描くのも良い練習ですが、より効率的に、そして飽きずに練習を続けるためには、外部の資料や道具を活用するのが賢い方法です。プロの絵描きも利用している資料や、作画環境を快適にするアイテムを揃えることで、モチベーションを維持しながら上達のスピードを上げることができます。

手のポーズ集の書籍

手の形は複雑なため、様々な角度や状況での手の形を網羅したポーズ集が手元にあると非常に心強いです。写真だけでなく、解剖学的な解説が含まれているものを選ぶと、表面の形だけでなく「なぜそう見えるのか」という理由まで学べます。

商品名特徴公式サイト
手のポーズ集(各種)専門モデルによる様々な角度の写真が豊富グラフィック社
スカルプターのための美術解剖学手を含む全身の骨格・筋肉構造を詳細に図解ボーンデジタル

手の写真資料集や図解資料

インターネット上の画像検索も便利ですが、解像度の高い写真資料集は細かな質感や影の落ち方を観察するのに最適です。また、手のアニメーション用素材や3Dモデルの資料も、形の単純化を学ぶのに役立ちます。

資料タイプメリット推奨サイト
手の3Dポーズ素材自由な角度から構造を観察できるCLIP STUDIO ASSETS
筋肉・骨格図解資料内部の構造を知り、説得力を高めるPinterest (Art References)

スマホ三脚とタイマー撮影

自分の手をモデルにする場合、片手で描かなければならないため、ポーズが制限されがちです。スマホ三脚を活用してタイマー撮影をすれば、両手を使ったポーズや、普段は自分では見られない角度の手を記録して資料にすることができます。

アイテム名用途公式サイト
スマホ用三脚・自撮り棒理想の角度で手を固定して撮影エレコム公式サイト
リモコンシャッターポーズを崩さずに撮影が可能ハクバ写真産業

リングライトやデスクライト

デッサンにおいて光の当たり方は形を捉えるための生命線です。リングライトや角度調整ができるデスクライトを使えば、意図的に強い影を作り出し、面の切り替わりをはっきりと確認できるようになります。

アイテム名メリット公式サイト
LEDリングライト均一な光で細部まで明るく照らすサンワサプライ
Zライト(アームライト)光の方向を自由に変えて影を調整山田照明

鏡で自分の手を確認する道具

自分の手をあらゆる角度から観察するために、卓上ミラーは欠かせません。三面鏡タイプであれば、普段は見ることができない手の裏側や横側を同時に確認できるため、立体構造を多角的に把握するのに非常に役立ちます。

アイテム名特徴リンク例
三面卓上ミラー多角度から手の形を一度に観察可能Amazon.co.jp (ミラーカテゴリ)

手袋や布でシワを減らす小物

手の細かなシワに惑わされて大きな形が見えにくいときは、薄手の手袋をはめて観察するのも一つの手です。手袋をすることで皮膚の質感が隠れ、手全体の大きなボリュームや関節の曲がり具合だけを抽出して観察しやすくなります。

アイテム名用途備考
綿手袋(白)複雑なシワを隠し、大きな立体感を捉えるドラッグストア等で購入可能

簡単なポーズでも説得力が出る描き方のコツ

たとえシンプルなポーズであっても、基本に忠実な手順で描くことで、絵の説得力は劇的に向上します。いきなり指の爪や関節のシワといった細部に飛びつくのは避けましょう。手を構成する幾何学的な形を意識し、段階を踏んで密度を上げていくことが、破綻のないデッサンを仕上げるための鉄則です。

手首から箱で組み立てる

[Image of human hand anatomy bone structure]

描き始めの第一歩は、手首と手のひらの繋がりを「箱」として捉えることです。手首は単なる棒ではなく、複雑な骨が集まった塊であることを意識してください。手首から手のひらにかけて、一つの平らな箱が繋がっているイメージでアタリを取ります。

この箱がパース(遠近法)に沿って正しく描けていれば、その上に乗る指が狂うことはありません。手首の断面を意識し、そこから手の甲がどの角度で伸びているかを、面を意識して描きましょう。この「土台となる箱」の正確さが、最終的なデッサンの安定感を決定づけます。

指は円柱で流れをそろえる

指を描くときは、それぞれの節を「円柱」の集合体として考えます。指先に向かって少しずつ細くなる円柱が、3つ繋がっていると想像してください。円柱として捉えることで、指が奥に曲がっているときの短縮(パース)を表現しやすくなります。

特に複数の指を並べて描くときは、指の流れをそろえることが大切です。指先同士を曲線で結んだリズム感や、関節が並ぶラインを意識することで、バラバラだった指が一つの手としてのまとまりを持ちます。指の節の境目に、円柱の断面を意識した補助線を薄く入れると、より立体的な厚みが生まれます。

関節の山と谷を位置で覚える

手の外側のラインを引くときは、単なる直線ではなく、関節による「山」と「谷」を意識しましょう。指の背側には骨が出っ張った「山」があり、指の腹側には肉の膨らみによる「山」があります。これらの凹凸を交互に配置することで、手の柔らかさと硬さが共存したリアリティが出ます。

特に、握りこぶしを作ったときに見える「ナックル(指の付け根の骨)」の位置は重要です。この山の頂点がどこにあるかを正確に捉えるだけで、骨格の強さが表現されます。逆に、指の腹側のぷにっとした質感は、緩やかな曲線を使って「谷」を作ることで表現できます。この起伏を観察する癖をつけましょう。

影は面の切り替わりで付ける

デッサンの仕上げにおいて、影は「面が切り替わる場所」に置くのが基本です。例えば、手の甲から指の側面へ切り替わる角の部分に、一番濃い影(明暗境界線)を置くと、それだけでガッチリとした立体感が生まれます。

光がどこから当たっているかを常に意識し、光が当たっていない「影の面」を一気に薄く塗ります。その中にある細かな凹凸やシワは、影の面を塗り終えた後に少しずつ描き足していく程度で十分です。影を闇雲に付けるのではなく、立体の構造を説明するための道具として使うことが、説得力のあるデッサンへの近道です。

手のデッサンを簡単なポーズで伸ばすポイントまとめ

手のデッサンは、難しいポーズに挑戦することよりも、簡単なポーズを通じて「手の構造」を深く理解することの方が上達を早めます。まずは握りこぶしや指をそろえたポーズから始め、手を箱や円柱といったシンプルな立体の組み合わせとして捉える習慣をつけましょう。

練習を支える道具や資料をうまく活用し、自分の手を多角的に観察する時間を増やすことも大切です。手首という土台から丁寧に組み立て、面を意識した影を乗せることで、あなたの描く手には確かな存在感が宿ります。焦らず一歩ずつ、シンプルな形の中に潜む美しさを探し出す感覚で、毎日のデッサンを楽しんでください。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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