イラストの依頼を受けるとき、最初のやり取りや条件整理で時間を無駄にすると後のトラブルにつながりやすくなります。ここでは受注から納品、契約、次につなげる流れを短時間で把握できるように、確認項目やテンプレート、見積りの出し方などをまとめました。忙しいときでも使いやすい実用的な情報を、読みやすく段落や箇条書きで整理しています。
イラストの依頼の受け方を短時間で押さえるコツ
イラスト受注で重要なのは、最初に必要な情報を素早く集めることです。依頼内容、用途、納期、予算、修正回数などを明確にすることで、後の齟齬を減らせます。メールやチャットのテンプレートを用意しておくと、やり取りがスムーズになります。
また、見積りや納期の目安を簡単に提示できるよう、作業時間の目安と単価を整理しておくと便利です。依頼ごとに判断が必要な著作権や二次使用の取り決めもあらかじめ考えておくと安心です。最後に、受注後の流れ(ラフ提出→中間チェック→納品)を相手に伝えておくと信頼感が高まります。
受注の初期確認リスト
受注時に最低限確認すべき項目をリスト化しておくと抜けがありません。以下は基本のチェック項目です。
- 依頼内容:イラストの種類(キャラ、背景、アイコンなど)
- 用途:商用利用の有無、SNS、印刷、同人など
- サイズ・解像度:ピクセルやcm、dpi指定
- カラー:カラー/モノクロ、カラーモード(RGB/CMYK)
- 納期:希望日と余裕日数
- 予算:総額または目安
- 修正回数:無料で行う回数の上限
- 納品形式:PNG/JPEG/PSD/AIなど
- 著作権範囲:改変可否、二次配布の許可
初回の会話でこれらを順に確認するだけで、後の誤解を減らせます。確認は箇条書きで送ると相手も返答しやすくなります。必要に応じてヒアリングシートを渡し、画像や参考資料を一緒に受け取ると作業がはかどります。
返信テンプレート集
テンプレートを用意すると返信が早く、印象も安定します。下は用途別の短めテンプレート例です。
- 受注確認:
「ご依頼ありがとうございます。以下を確認させてください:用途/サイズ/色数/納期/ご予算。参考画像があれば共有ください。確認後、見積りをお送りします。」
- 見積り送付:
「ご依頼内容をもとに見積りを作成しました。金額:◯◯円、納期:◯月◯日、修正回数:◯回(有料は追加)。ご確認のうえご返信ください。」
- ラフ提出案内:
「ラフをお送りしました。構図や表情の変更があればご指示ください。大きな修正はラフ段階でお願いします。」
- 納品連絡:
「納品ファイルをお送りしました。ご確認ください。不具合や修正があれば3日以内にお知らせください。」
テンプレートは口調や内容を自分のスタイルに合わせて調整してください。よく使うものはクリップボードやテンプレ管理ツールに登録しておくと便利です。
簡易見積りの算出手順
見積りは作業時間×時間単価をベースに、追加項目を加算する方法が分かりやすいです。まず作業工程を分けておきます。
- ラフ作成時間
- 線画・着色時間
- 仕上げ・レタッチ時間
- 納品準備(書き出し、フォルダ整理)
- コミュニケーション時間(打ち合わせ、修正対応)
各工程の想定時間を合計し、自分の時間単価を掛けます。さらに以下を加算します。
- 急ぎ料金(短納期の場合の割増)
- 商用利用や著作権の拡張料金
- 追加修正の単価(無料回数を超えた場合)
最後に提示額は切り上げて、範囲を示すために「概算:◯〜◯円」とするのが現実的です。見積りに根拠となる作業時間の内訳を簡潔に添えると、クライアントが納得しやすくなります。
納期の目安一覧
納期の設定は作業量と他案件の状況によって変わりますが、一般的な目安を示しておくと相談が楽になります。
- アイコン(単体・簡易背景):2〜5日
- キャラクター一人(バストアップ・色つき):5〜10日
- 全身キャラ(複雑な服装・小物あり):7〜14日
- 背景込みのイラスト(単純背景):10〜21日
- 背景込みの複雑イラスト:2〜4週間
繁忙期や修正が増えそうな案件は余裕を持って提示してください。急ぎ対応は別途料金を設定すると無理なく受けられます。納期提示の際は「ラフ提出→確認→最終納品」の段階ごとに目安日を示すと安心されます。
修正回数の取り決め
修正回数はトラブルを防ぐため明確にしておくべき項目です。基本は以下のような設定が分かりやすいです。
- ラフ段階:2回まで無料
- 線画・着色後:1回まで無料
- 以降の修正は1回あたり◯◯円
修正内容の範囲も定義しておくと良いです。例えば「表情やポーズの軽微な変更は無料、構図や大幅な描き直しは有料」といった形です。修正を受け付ける期限(例:納品後3日以内)を設けると、長期の対応を避けられます。
文章でルールを示したら、依頼前に同意を取るか見積りに明記しておくと後で問題になりにくいです。合意が取れたらチャット履歴を保存して証拠にしておきましょう。
利用範囲と著作権の整理
著作権と利用範囲は案件ごとに取り決める必要があります。まず基本の項目を確認してください。
- 制作者帰属(著作権を留保するか譲渡するか)
- 利用範囲(商用利用、二次配布、改変の可否)
- 使用期間や地域の制限(例:国内のみ、期間限定広告)
一般的には著作権は制作者に残し、商用利用や独占利用は別料金で設定するケースが多いです。利用範囲の例を見積りに記載しておくと誤解を防げます。必要なら簡単な利用許諾書を作成して相互署名を求めると安心です。
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依頼を受ける前に整えておく準備
受注をスムーズにするための事前準備を整えておくと、信頼感が増して案件の獲得率が上がります。ポートフォリオや料金表、ヒアリングシートなどを用意しておきましょう。
ポートフォリオの準備
ポートフォリオは見やすさを重視してください。まず代表作を5〜10点程度に絞り、ジャンルごとに分けて掲載すると依頼者が探しやすくなります。
各作品には簡単な説明を添えてください。使用用途や作業時間、担当範囲(背景含むかどうか)を一行で示すだけで十分です。閲覧方法は、ウェブページ、PDF、もしくはリンク一つで見られる形が便利です。スマホ表示も必ず確認して、読み込みやすさを優先しましょう。
ヒアリングシートの雛形
ヒアリングシートはテンプレ化しておくと毎回同じ確認ができて便利です。項目はシンプルにまとめてください。
- 依頼タイトル、用途
- 希望のイメージ(キーワード、参考画像)
- サイズ・解像度・カラーモード
- 納期、予算
- 修正の希望回数
- 著作権・利用範囲の希望
シートはフォーム形式でもテキストでも構いません。送った後に追加で質問が出る場合があるので、柔軟に対応できる余地を残しておくと良いです。
料金表のテンプレート
料金表は明瞭にしておくと問い合わせが増えます。基本料金、オプション、商用利用料金、急ぎ料金を分けて記載してください。例を示すとクライアントが判断しやすくなります。
表は3列程度にまとめ、項目と金額、備考を入れると見やすいです。よくある組み合わせ(例:バストアップ+簡易背景セット価格)を用意しておくと見積りが簡単になります。
納品形式とファイル整理
納品形式は事前に指定を確認しておきましょう。一般的なフォーマットはPNG/JPEGと、編集可能なPSDやAIです。レイヤー分けや透過の有無も確認項目です。
ファイル名やフォルダ構成は統一しておくと後で参照しやすいです。例:projectname_clientname_v1.png のようにバージョン管理を組み込むと誤送信を防げます。クラウド共有のリンクも用意しておくと大容量ファイルの送付が楽になります。
支払い方法と請求準備
支払い方法は複数用意しておくと受注の幅が広がります。銀行振込、PayPal、各種決済サービスの中から主要なものを設定してください。前金を取る場合は比率(例:50%前金)を決めておきます。
請求書はテンプレート化して、必須項目(依頼内容、金額、振込先、締切日)を明記してください。領収書の発行や税務対応についても基本方針を決めておきましょう。
対応可能ジャンルの明確化
得意なジャンルと不得意なジャンルを明確にしておくと、ミスマッチが減ります。プロフィールや料金表に「対応ジャンル:ファンタジー系、ゲーム系、SNS用アイコン」などと書いておくと問い合わせが適切になります。
不得意分野や対応できない表現(R指定や過度な暴力表現など)も明示するとトラブル回避になります。対応できるか迷う案件は、まず簡単な相談窓口を設けて判断する方法も有効です。
やり取りで信頼を築く受け方の流れ
信頼は透明なやり取りと時間厳守で生まれます。定期的な中間報告や丁寧な確認を心がけると良い評価につながります。
初回連絡での確認項目
初回連絡では要点を短くまとめて確認することが大切です。依頼の目的、納期、予算、参考画像、著作権希望の有無を最初に聞きます。
返信はテンプレートから始め、質問が多い場合はヒアリングシートを送付してください。初回で求められる情報を整理しておくと、その後の見積りとスケジュール提示がスムーズになります。
ラフ提出のタイミング
ラフは受注後できるだけ早く提示すると安心感が出ます。一般的には受注確定から2〜4日以内が目安ですが、作業量に応じて調整してください。
ラフ提出時には複数案を出すか、主要なポイントごとに選べる形にすると確認が簡単になります。ラフで大きな方向性を固めることで、後段の修正回数を抑えやすくなります。
中間チェックの頻度設定
中間チェックはプロジェクトの規模に応じて設定します。小さな案件ならラフ後に最終確認のみ、大きな案件は線画時と着色時に一度ずつ確認を取ると安心です。
頻度は見積り時に提示してクライアントと合意しておくと、タイムラインが守りやすくなります。チェックの際は変更点を箇条書きで受け取り、作業に反映するのが効率的です。
修正履歴の記録方法
修正履歴は簡単な表で残すと後で見返しやすいです。以下の3列が基本です。
- 日付
- 指示内容
- 対応状況(完了/保留)と担当コメント
チャットやメールの重要な指示はコピーして保存し、納品物と一緒に保管しておくと万が一の時に役立ちます。
納品前チェック項目
納品前に確認すべき項目は次の通りです。
- サイズ・解像度が依頼通りか
- レイヤーやフォントの埋め込み(必要な場合)
- カラーモードの最終確認
- ファイル名・フォルダ構成の整備
最終確認チェックリストを作っておくと、うっかりミスを防げます。チェック後に納品メッセージとダウンロードリンクを送って完了です。
対応スピードの目安
迅速な返信は信頼に直結します。目安としては24〜48時間以内に初回返信、進行中は48時間以内の更新を心がけるとよい評価を得やすいです。
急ぎの対応が必要な場合は「対応可能だが追加料金が発生する」旨を事前に伝えておくと双方にとって明確になります。
料金と契約で安心して進める受け方
料金や契約を明確にすることで、金銭トラブルや認識違いを減らせます。書面やメッセージで合意を取る習慣をつけましょう。
料金項目の内訳例
料金は項目ごとに分けて提示すると納得されやすいです。内訳例は次の通りです。
- 基本制作費(ラフ〜仕上げ)
- 背景・小物追加費
- 商用利用料金
- 透過・高解像度書き出し
- 追加修正費、急ぎ料金
内訳を示すことでクライアントが調整しやすく、予算に合わせた提案がしやすくなります。
見積りの提示方法
見積りは金額と納期、含まれる作業を明確に示してください。例:「合計◯◯円(ラフ2案、修正2回まで、最終納品形式:PNG/PSD)納期:◯月◯日」。
見積りは有効期限を設けると、価格変動やスケジュール調整に対応しやすくなります。提示はメールか見積り書で行い、承認を得たら作業開始に移ります。
追加作業の料金基準
追加作業の料金基準をあらかじめ設定しておくと揉めにくくなります。例として以下の区分が使えます。
- 軽微な修正:無料(回数内)
- 構図やキャラ差し替え:基本料金の30〜50%
- 大幅な描き直し:基本料金の100%
明確な金額レンジを示しておくとクライアントも納得しやすく、追加依頼が出た際にスムーズです。
支払い条件の提示文例
支払い条件は簡潔に示しましょう。例文を一つ挙げます。
「制作着手は前金で総額の50%、残金は納品確認後7日以内にお支払いください。振込手数料は依頼者負担でお願いします。」
前金、支払期限、手数料負担の有無を明記することで支払いトラブルを防げます。
契約書で確認するポイント
契約書には最低限以下を入れておきます。
- 仕事内容と納期
- 金額と支払い条件
- 著作権と利用範囲
- 修正回数と追加料金
- キャンセルポリシー
口頭だけで進めるよりも書面で合意を取ることで、万が一の際に双方を守れます。テンプレートを用意しておくと手続きが速くなります。
キャンセルと返金の扱い交渉
キャンセルや返金はルール化しておくと事後対応が楽になります。一般的な例は次の通りです。
- 着手前のキャンセル:全額返金または手数料差引
- 制作着手後のキャンセル:着手分を差し引いた金額を返金
- 納品後のキャンセル:原則不可(例外対応は検討)
返金率や手数料は見積りや契約書に明記しておくと、トラブルを未然に防げます。
次の仕事につなげる受け方のまとめ
良い関係を継続するためには、納品後のフォローや評価依頼を行うことが大切です。納品から一定期間内に感想を伺い、修正や別件の提案をすると次の依頼につながりやすくなります。
定期的な情報発信(ポートフォリオ更新やSNS投稿)で新しい案件を呼び込みやすくなります。仕事の質だけでなく対応の速さやルールの明確さも評価されるポイントです。以上を押さえれば、安心して効率よく依頼を受けられるようになります。
世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

