グリザイユ画法は明暗を先に描いてから色を乗せる手法で、効果的に立体感を出せます。ただ、慣れないと面倒に感じたり、思った色が出せず挫折しやすい方法でもあります。ここでは続けるかやめるかの判断基準や、嫌いに感じる理由、今日からできる工夫、代替の塗り方までをわかりやすく紹介します。自分の制作スタイルに合うか見極めたい人向けに書いています。
グリザイユ画法が嫌いなら続けるかやめるかの見分け方
グリザイユ画法を続けるかやめるかは、時間と目的、感覚の3点から判断すると迷いが減ります。まず、作品制作にかけられる時間を考えてください。工程が増えるため、短時間で仕上げたい場合は不向きです。逆にじっくり描いて丁寧な仕上がりを求めるなら向いています。
次に色に対する許容範囲です。色味の正確さや自由度を重視するなら、色彩調整の手間がストレスになるか確認しましょう。色の変化に敏感で違和感が許せない場合は、別の塗り方を検討したほうが楽になります。
最後に学習負担を見てください。新しい手順やレイヤー管理が負担に感じるかどうかで続ける価値が変わります。短期間で結果が欲しい場合は、他の塗り方を試す選択が合理的です。これらを照らし合わせて、自分にとってのメリットが大きければ続け、ストレスが勝るなら別の方法へ移るのがおすすめです。
想定制作時間
グリザイユ画法は工程が分かれているため、完成までにかかる時間が長めになります。まず明暗のベースを作り、その上に色を重ねる工程が必要で、各段階で調整や修正が入りやすいです。初心者で慣れていない場合は、同じ仕上がりを得るのにさらに時間がかかります。
時間配分の目安としては、ラフと明暗作りに全体の半分、色乗せや微調整に残りの時間を充てるとバランスが取りやすいです。短時間で複数枚仕上げたいなら、工程数の少ない塗り方が向いています。一方で、一枚に集中して細部までこだわりたい場合は、グリザイユの手順が有利になることもあります。制作スケジュールに応じて使い分けるとよいでしょう。
色に対する許容範囲
グリザイユ画法は明暗優先で色は後から乗せるため、最初に意図した色味と仕上がりがずれることがあります。色の微妙なニュアンスに敏感な人は、この差に不快感を覚えやすいです。反対に、色味に柔軟でトーン重視の表現を好む人は違和感が少なくなります。
許容範囲を測るには、仕上がりのサンプルをいくつか作ってみるとよいです。明暗ベースに色を重ねたときの変化を確認し、自分が受け入れられる色のズレの幅を把握してください。許容できる範囲が狭ければ、色を先に置く別の塗り方が向いています。逆に幅が広ければ、グリザイユの強みである立体感を活かせます。
学習負担の見積もり
グリザイユは技術的な習得に時間がかかる場合があります。レイヤー構成やマスク、乗算・オーバーレイなどの合成モードを使いこなす必要があるため、ツール操作にも慣れが必要です。初めは手順に戸惑うことが多く、効率よく進められるようになるまで反復練習が必要になります。
学習負担を減らす方法としては、工程を段階的に覚えること、よく使う設定だけに絞って試すことが挙げられます。短時間で習得したいなら基礎だけを押さえて、詳細なテクニックは後から学ぶ姿勢が負担を軽くします。負担が大きすぎると感じるなら、一旦別の塗り方に切り替えてから再挑戦するのも手です。
作品用途の分類
作品の用途によって向き不向きが分かれます。商業イラストや背景、キャラクターの立体表現を重視する作品には向いていますが、短納期の案件や大量生産が必要な仕事には手間が合わないことがあります。SNS用の軽い落書きやラフイラストなど、短時間で済ませたい用途では別の塗り方が効率的です。
用途別に分けて考えると選びやすくなります。時間があり品質重視ならグリザイユ画法を採用し、速さや色の即時性が求められる場合はアニメ塗りや直塗りのような方法を選んでください。用途に応じた基準を決めておくと判断がぶれにくくなります。
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グリザイユ画法が嫌いに感じられる主な要因
グリザイユ画法が合わないと感じる理由はいくつかあります。代表的なのは発色の違和感、作業工程の冗長さ、レイヤー管理の煩雑さ、色再現の難しさです。これらが重なるとストレスがたまり、続ける意欲が下がります。
原因をはっきりさせると対処法も見えてきます。何が一番嫌なのかを具体的に分けて考えるだけで、改善の余地があるか判断しやすくなります。以下でそれぞれの要因を分かりやすく説明します。
発色の違和感
グリザイユでは明暗を先に決めるため、色を乗せたときに発色が想定と違って感じられることがあります。特に暖色・寒色の微妙な差や彩度の表現で違和感を覚えやすいです。色味が薄く見えたり、くすんで見えたりすることが不満の原因になります。
この違和感は、合成モードの選び方や色レイヤーの重ね方で変わりますが、慣れるまでは思った色が出にくく感じるのが普通です。色そのものを優先したい場合は、色を先に置く塗り方のほうがストレスが少ないでしょう。
作業工程の冗長さ
明暗→色と工程が分かれているため、作業が長く感じられます。段階ごとに修正や確認が入るので、短時間で集中して仕上げたいときには不向きです。工程が増えると気持ちの集中も途切れやすく、モチベーションが下がる原因になります。
工程が多いこと自体が嫌な場合は、工程を簡略化したり、限られた段階だけ使う方法を取り入れると負担が減ります。短時間で結果を出したいなら、別の塗り方に切り替える選択肢も考えてください。
レイヤー管理の煩雑さ
グリザイユはレイヤー数が増えやすく、名前付けや整理を怠ると後で混乱します。マスクやクリッピング、合成モードを多用するため、レイヤー構成の理解が必要です。管理が雑だと修正時に時間がかかりストレスが増します。
対策としては、最初からレイヤー命名ルールを決める、不要になったレイヤーをこまめに統合するなどの習慣をつけることが有効です。管理が面倒に感じるなら、レイヤーを減らした塗り方に変えるのも手です。
色再現の難しさ
明暗ベースの上に色を置くと、元の色イメージが変わりやすく、意図した色を再現するのが難しく感じることがあります。特に肌や素材感の微妙な色合いは再現の幅が狭く感じられることが多いです。
色再現に不安がある場合は、カラーパレットを用意して比較しながら進めると安心です。それでも難しい場合は、色を先に塗る別の方法を選んでみると、意図した色味が出しやすくなります。
嫌いな点を和らげるために今日からできる工夫
グリザイユが合わないと感じる部分は工夫でかなり緩和できます。工程の簡略化や合成モードの工夫、パレット管理、ブラシ選びなど、小さな変更でストレスを減らせます。ここでは今日からすぐ試せる工夫を紹介します。
どれも大きな準備は不要で、普段の制作に取り入れやすい方法です。少し変えるだけで作業感が軽くなることが多いので、自分に合うものを試してみてください。
グレースケールの簡略化
明暗作業を簡略化するには、最初から細部まで描き込まずに主要な形だけを押さえると効率が上がります。ラフ段階で大きな光源と影の位置を決め、ディテールは色を乗せた後で調整する流れにすると工数が減ります。
また、ブラシを限定してうまく馴染ませるだけで十分な場合もあります。グレースケールをざっくり作ることで、後の色乗せが楽になり、全体の時間短縮につながります。短縮した分を色調整に回すとバランスが取りやすくなります。
オーバーレイ着色の活用
色を乗せる段階でオーバーレイやソフトライトなどの合成モードを活用すると、明暗を生かしつつ色味を素早く整えられます。これにより発色の違和感が抑えられ、色の調整にかかる手間も減ります。
合成モードを複数使い分けるより、よく効くモードをひとつに絞って使い慣れると効率的です。色味を重ねる際にレイヤー不透明度を調整するだけでも大きく印象が変わるため、細かい塗り直しを減らせます。
限定パレット運用
色数を限定したパレットを事前に用意すると、色選びに悩む時間を減らせます。3〜6色程度に絞ることで統一感が出やすく、色のズレによる違和感も少なくなります。素材別にパレットを用意しておくとさらに便利です。
パレットを使えば色の管理が楽になり、結果としてレイヤーや調整の手間も減ります。まずはシンプルな組み合わせを試し、慣れてきたら微調整を加えていくのがおすすめです。
時短志向のブラシ選択
ぼかしや馴染ませが一度で済むようなブラシを選ぶと、工程を短縮できます。テクスチャがついたブラシやソフトエッジのブラシを使うと、細かい調整を減らして自然な仕上がりにできます。
ブラシ設定を保存しておけば、次回から同じ流れで作業できるため時間を節約できます。まずは数種類のブラシに絞って使い込むと、効率が上がり作業のストレスが減ります。
合わないと感じたときに試したい別の塗り方
もしグリザイユが合わないと感じたら、他の塗り方を試してみるのが早い解決策です。塗り方にはそれぞれ得意分野があり、用途や好みに合わせて選べます。ここでは代表的な4つの塗り方を紹介します。
短時間で仕上げたい場合や色味を優先したい場合など、目的に合わせて切り替えると作業が楽になります。実際にいくつか試してみて、自分の作業感に合う方法を見つけてください。
厚塗り
厚塗りはテクスチャと光の表現に強く、重厚でリアルな描写が得意です。ブラシを重ねて塗ることで表面の質感を出しやすく、グリザイユで得られる立体感とは別の方向性で深みを出せます。
工程は多めですが、色味を直接扱えるため発色の違和感が少ないのが利点です。じっくり描くのが好きで、素材感や光沢表現を重視する場合には向いています。
アニメ塗り
アニメ塗りは工程が少なくスピーディーに仕上げられるので、短時間で枚数をこなしたいときに適しています。影をシンプルに分け、輪郭をはっきりさせることで視認性の高い絵になります。
色を先に置くことが多く、色再現のストレスが少ないためグリザイユより扱いやすいと感じる人が多いです。SNS向けや商業案件で納期が厳しい場合に向いています。
ブラシ塗り
ブラシ塗りは表現の自由度が高く、筆跡の質感を活かした絵作りができます。柔らかいタッチから勢いのあるタッチまで幅広く表現でき、手早く表情を出せるのが特徴です。
レイヤー管理をシンプルに保てるため、煩雑さが苦手な人にも向いています。色の重ね方を工夫すれば深みのある仕上がりにもなります。
直塗りカラー
直塗りは色を迷わずにそのまま塗っていく方法で、最も手早く結果が出ます。色味のコントロールが直接できるため、発色に不安がある人でも扱いやすいです。
細かいテクスチャや光の表現は別の手法に比べて控えめになりがちですが、スピード重視や色鮮やかな表現には向いています。
塗り方選びの簡単な目安
塗り方を選ぶときは、「時間」「色の優先度」「表現の方向性」で考えるとわかりやすくなります。時間があるならグリザイユや厚塗り、短時間ならアニメ塗りや直塗りがおすすめです。色の正確さを重視するなら色を先に置く方法、立体感や質感を重視するなら明暗優先の手法が向いています。
最初は一つの方法に固執せず、作品や用途に応じて使い分けてみてください。比較してみることで自分に合った塗り方が自然に見えてきます。
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