VTuberはどれくらいの値段で始められる？10万から100万以上まで費用の目安をわかりやすく解説

初めてVTuberを始めるとき、どれくらいの費用が必要かは気になるポイントです。機材やアバター制作、ソフトの選び方で総額は大きく変わりますし、予算に合わせた選択肢も多くあります。ここでは、手軽に始めるケースから事業利用まで、具体的な価格帯と内訳、節約のコツをわかりやすくまとめます。自分の目的や予算に合わせて検討できるよう、項目ごとに整理しています。

vtuberの値段はどれくらいで始められる

手軽に始める最安ケースは約10万円

手軽に始める最安ケースでは、既製アバターや簡易トラッキング、最低限の機材で対応します。既製の2D・3Dモデルを購入して、フリーソフトや低価格の配信ツールを使うと初期費用を抑えられます。スマホのカメラと内蔵マイク、無料のOBSなどで配信すれば、追加のハードウェアをほとんど必要としません。

費用の内訳例は以下の通りです。

• 既製アバター購入：1万〜3万円
• マイク（エントリーモデル）：1万〜2万円
• 簡易ウェブカメラまたはスマホ利用：0〜1万5千円
• 配信ソフト（無料）：0円
• その他（配信アクセサリ、電源ケーブルなど）：5千〜1万円

こうした構成なら合計で約10万円前後に収まります。クオリティは高くありませんが、まずは配信を続けて方向性を固めたい場合や試験的に始めたい人には向いています。

個人で標準的に始めるなら約30万円前後

個人で標準的に始める場合は、自作やオーダーした2Dアバター＋Live2Dでの表現、ミドルレンジのPCやマイクを揃えることが多いです。配信品質をある程度保ちつつ、見た目や音質にも配慮した構成になります。

費用の内訳例は以下の通りです。

• 2Dイラスト＋Live2Dモデリング：10万〜15万円
• 中〜高性能マイク：2万〜4万円
• ウェブカメラまたはエントリー用カメラ：1万〜3万円
• ミドルスペックPC（配信対応）：10万〜15万円
• ソフトウェア・小物：1万〜3万円

合計で約30万円前後が目安です。見た目の自由度や表現の幅が広がるため、配信の継続性やファン獲得を目指す場合に選ばれる構成です。

中堅のクオリティなら50万円前後

中堅のクオリティでは、オリジナルデザインの2D/3Dアバター、高性能PCや本格的な音響機材、トラッキング機器を導入します。表情や動きの再現性が高く、動画編集や配信の品質も向上します。

費用の内訳例は以下の通りです。

• オリジナルアバター制作（高品質2D＋Live2D／簡易3Dの選択）：20万〜30万円
• 高性能マイクとオーディオインターフェース：5万〜10万円
• 高性能PC：15万〜25万円
• カメラ・ライティング・トラッキング機器：5万〜10万円
• ソフトウェア・編集ツール：数千〜数万円

合計で約50万円前後となり、配信や収録の見栄えが良く信頼感を出せます。活動を本格化させたい個人に適しています。

事業利用や3Dフルオーダーは100万円以上

事業利用やフルオーダーの3Dモデルでは、キャラクターデザインからモデリング、リグ、表情・動作の細かい調整まで専門チームで行います。商用利用や多人数での展開、グッズ展開を見越した契約を結ぶことが多く、費用が大きくなります。

費用の内訳例は以下の通りです。

• フルオーダー3Dモデル（高品質リグ含む）：50万〜200万円
• モーションキャプチャ機材や高精度トラッキング：50万〜数百万円（場合による）
• 映像制作や編集、演出：数十万〜数百万円
• 継続的な運用スタッフ、人件費：月単位で発生

合計で100万円を超えることが多く、ブランドや収益化を重視する場合に選ばれます。長期的な展開や多方面での利用を考えるなら投資に見合う価値が出やすいです。

アバター制作にかかる費用の内訳

キャラクターデザインの相場

キャラクターデザインはアバター制作の出発点であり、イメージの方向性を決めます。個人クリエイターに依頼する場合、ラフから清書までの作業量や修正回数で価格が変わります。シンプルな立ち絵デザインなら数万円から受けてもらえますが、複雑な装飾や細かな設定が必要な場合は数十万円になることもあります。

デザインで確認すべき点は、表情や衣装の差分、商用利用の可否、納期と修正回数の範囲です。これらを事前に取り決めることで、後工程での追加費用を抑えられます。複数案を出してもらえるプランやポートフォリオの確認も重要です。

発注先によってはセット価格でキャラクターデザイン＋モデリングを割引してくれることがあります。全体の予算感を把握したうえで、どの段階を外注するか決めると良いでしょう。

2Dイラスト制作の標準価格

2Dイラストの価格は画風やクオリティで幅があります。立ち絵一枚での受注だと、一般的には数万円から十数万円が目安です。表情差分や衣装差分を追加すると、それぞれ数千円〜数万円が加算されます。商用利用や独占利用を求める場合は別途料金が発生することが多いです。

発注の際は解像度や納品形式、透過データの要否を明確に伝えましょう。Live2D用にパーツ分けが必要な場合は、その分の作業工数も考慮して見積もりを取ると安心です。納期と修正回数の上限も確認しておくことをおすすめします。

Live2Dモデリングの料金目安

Live2Dモデリングは、2Dイラストを動かせるように分割・設定する工程です。基本的な顔や手の動きができる標準モデルであれば10万〜20万円程度が相場です。複雑な揺れ表現や細かな物理演算、モーション作成を含めると20万〜40万円ほどに上がることがあります。

依頼時には、動かしたい範囲（口パク、視線、体の傾きなど）を明確に伝えると見積もりが出しやすくなります。SDKや配信環境との互換性、ファイル形式の指定も忘れずに行いましょう。

3Dモデリングとリグの予算

3Dモデルはモデリング、テクスチャ、リグ（骨入れ）、表情差分、物理演算など複数工程があります。フルオーダーの3Dモデルは50万〜200万円が一般的なレンジです。簡易的な3Dモデルや既製アセットのカスタマイズだと20万〜50万円程度に抑えられます。

リグの精度やフェイシャル表現、衣装の揺れなどの要求が高いほど費用も増えます。用途に応じて、どの程度の可動域や表情表現が必要かを整理してから見積もりを取ると無駄を減らせます。

表情差分や動作の追加費用

表情差分、手や衣装の追加動作、モーション作成は別料金となることが多いです。表情差分は1パターン数千円〜数万円、モーション一式は数万円〜数十万円が目安です。モーションキャプチャを利用する場合は機材費やスタジオ費用が別途発生します。

定期的に追加する可能性があるなら、初回契約でオプション価格を決めておくと予算管理が楽になります。既存モデルへの差分追加は比較的安く済む場合が多いです。

納品形式やライセンスで変わる料金

納品形式（PSD、FBX、VRM、Live2Dファイルなど）やライセンス条件（商用利用可否、二次配布の可否）で価格は変わります。商用利用や独占使用を求める場合は追加料金が発生するのが一般的です。

利用範囲を明確にし、販売やグッズ展開を考えているならその旨を早めに伝えましょう。納品後の改変や再配布に関する契約も確認しておくとトラブルを防げます。

維持や改修で発生する費用

アバターは完成後も改修やアップデートが必要になることがあります。季節衣装の追加や表情の改良、バグ対応などは都度費用が発生します。月額で保守契約を結べる制作会社もありますが、個別対応だと都度見積りになることが多いです。

長く活動する予定がある場合は、保守費用を見込んでおくと安心です。将来的な改修を見越したデータ受け渡しの確認も重要です。

配信機材とソフトにかかる費用の目安

PCのスペック別の予算例

配信向けPCは用途によって必要なスペックが変わります。軽めの配信ならエントリー〜ミドルスペックで十分ですが、高画質やゲーム配信をするならハイエンドが必要です。

目安は以下の通りです。

• エントリー（OBSで顔出し配信のみ）：5万〜10万円
• ミドル（ゲーム配信や高画質配信）：10万〜20万円
• ハイエンド（同時録画や高負荷ゲーミング）：20万〜40万円

配信の安定性を重視するならCPUとメモリ、ストレージの速度を優先して選びましょう。

音声機材とマイクの価格帯

音声の質は視聴者の印象に直結します。USBマイクの入門モデルは1万〜2万円、コンデンサーマイクとオーディオインターフェースの組み合わせは3万〜10万円が相場です。ポップガードやスタンド、インシュレーターなどの小物も併せて揃えると良いです。

クリアな音声を得るために録音環境（防音や反響対策）も検討すると良いでしょう。

カメラやスマホを使う場合の費用

顔トラッキングや配信用のカメラは用途で選びます。ウェブカメラは数千円〜3万円程度、ミラーレスや一眼を使う場合は5万〜20万円以上です。スマホを使う場合は既存端末で済むことも多く、追加投資は最低限にできます。

画質や背景のボケ、明るさを重視するならミラーレスを検討すると見映えが大きく向上します。

トラッキング機器の種類と費用

トラッキングにはソフトウェアだけで済む方法から、専用機器を使う方法まであります。Webカメラ/スマホのみでのフェイストラッキングは無料〜数千円のソフトで可能です。より精度を求めるなら以下の選択肢があります。

• ハンドトラッキングデバイス（例：Leap Motion）：数千〜数万円
• フルボディトラッキング（例：VRトラッカー）：数万〜数十万円
• モーションキャプチャスタジオ：数万円〜数十万円（利用料）

用途に合わせて投資のバランスを決めましょう。

配信ソフトやトラッキングソフトの料金

配信ソフトは無料のOBSが一般的ですが、有料の配信管理ツールやプラグインを使うと利便性が上がります。トラッキングソフトも無料〜数万円の製品があります。定期的にライセンス更新が必要な場合はランニングコストとして見積もりに入れておきましょう。

編集や素材作成のための追加コスト

動画編集ソフトやサムネイル作成ソフト、効果音やBGMの購入などが追加費用になります。編集ソフトはサブスク型が多く、月額数百円〜数千円程度です。外注で編集を頼む場合は1本あたり数千〜数万円の費用が発生します。

長期運用で必要なランニングコスト

長期運用では、ソフトのサブスク、クラウドストレージ、音楽や素材のライセンス更新、サーバー費用、スタッフへの報酬などが継続的にかかります。月ごとの目安は活動規模によって幅がありますが、小規模運用で数千円〜数万円、中〜大規模なら数十万円になることもあります。

依頼先のタイプ別に見る価格差と費用を下げる方法

個人クリエイターに頼むときの相場と注意点

個人クリエイターは比較的価格が抑えられ、柔軟な対応を期待できます。相場は作業内容により大きく変わりますが、小規模な2DイラストやLive2Dの簡易モデリングなら数万円〜十数万円が一般的です。注意点としては納期や修正回数の取り決め、商用利用範囲の確認を必ず行ってください。

信頼できるポートフォリオや過去実績を確認し、事前に細かい仕様を書面で残すとトラブルを防げます。

制作会社に依頼する場合の費用とメリット

制作会社は体制が整っており、デザインからモデリング、保守まで一括で対応できます。価格は個人より高めで、品質保証やスケジュール管理がしっかりしています。事業利用や複数人での展開を考えている場合は制作会社に依頼するメリットが大きいです。

見積もりの際は納品範囲と保守契約の有無を確認しましょう。

既製モデルを使う場合のコストと使い方

既製モデルは費用を大きく抑えられる選択肢です。BOOTHやnizimaなどのマーケットプレイスで安価に購入でき、すぐ配信を始められます。カスタマイズが必要な場合は、パーツ差し替えや小規模な修正で対応可能です。

ただし、同一モデルが他者と被るリスクがある点と、商用利用に制限がある場合がある点に注意してください。

SKIMA ココナラ BOOTH nizimaの使い分け

• SKIMA：個人クリエイターと直接やり取りしやすく、カスタム依頼に向く。
• ココナラ：多ジャンルで気軽に依頼できる。安価なサービスも多い。
• BOOTH：既製品の販売が中心で、すぐ使える素材が見つかる。
• nizima：主に2D/Live2D系の素材が多く、アバター関連の既製品も豊富。

用途に応じて使い分けると費用対効果が高くなります。

分割発注や作業分担で抑える方法

工程を分割して安価な部分は個人に頼み、専門的な部分だけ制作会社に依頼することで費用を抑えられます。たとえば、キャラデザインは個人、Live2Dモデリングは専門家に依頼するといった組み合わせが考えられます。

また自分でできる作業（小物作成、簡単な編集など）を担うことで外注費を減らせます。

無料素材や中古モデルを活用する方法

無料素材や中古モデルを活用すると初期費用を大幅に削減できます。フリー素材はライセンス条件を確認して商用利用が可能かを確認してください。中古モデルは価格が安い反面、前所有者の利用状況やライセンス条件に注意が必要です。

クラウドファンディングや協賛の活用法

制作費を外部から調達する方法としてクラウドファンディングやスポンサー協賛があります。目標金額に応じたリターンを設定し、制作費の一部または全額を集めることが可能です。企画力とプレゼンが重要になるため、支援者に訴求できる要素を準備しましょう。

依頼時に確認する契約と権利の項目

発注前に必ず確認すべき項目は次の通りです。

• 商用利用の範囲
• 二次配布・改変の可否
• 納品形式と納期
• 修正回数と追加料金
• 支払い条件とキャンセルポリシー

これらを明確に契約書やメッセージで残しておくと、後のトラブルを避けられます。

これから始める人が確認するチェックリスト

• 使用目的（趣味／収益化／事業）を明確にする
• 総予算と優先順位（外見／音質／機能）を決める
• 必要な納品形式とライセンス条件を整理する
• 依頼先の実績とレビューを確認する
• 納期と修正回数を事前に取り決める
• 維持費（サブスク、保守）を見積もる
• 既製素材の利用可否と被りリスクを検討する
• 配信環境（PCスペック、音響、照明）をチェックする
• クラウドファンディングや協賛の可能性を検討する
• 契約書で商用利用や権利帰属を明確にする

このチェックリストをもとに、自分の目的と予算に合った計画を立ててください。必要な項目を整理することで無駄な出費を避け、スムーズに活動を始められます。