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アクリル絵の具は水で落ちるの?乾く前後の違いや落とし方をわかりやすく解説

漫画やイラスト制作で使用するアクリル絵の具は、発色が鮮やかで扱いやすいため、多くの方に人気があります。しかし「水で本当に落ちるの?」「乾いたらどうしたらいい?」といった不安や疑問を持つ方も少なくありません。

また、衣服や手、身の回りの道具についたときの対策や、他の画材との違いも気になるものです。本記事では、アクリル絵の具と水の関係や、落とし方のコツ、画材のメンテナンス方法まで、分かりやすく詳しく解説します。

目次

アクリル絵の具は水で落ちるのか仕組みと注意点

アクリル絵の具は水で薄めることができるため、つい「水で簡単に落ちる」と思われがちです。しかし、乾く前後で性質が大きく変わるため、取り扱いには注意が必要です。

アクリル絵の具が乾く前は水で落とせる理由

アクリル絵の具は、アクリル樹脂が水に溶けている状態で提供されています。筆やパレット、手や衣服についた場合でも、絵の具が乾ききる前であれば水で簡単に洗い流すことができます。

これは、アクリル樹脂が水分を含んでいる間は液体状態を保ち、物質に密着せずに浮いているためです。水ですすぐと、樹脂ごと絵の具が流れ落ちるため、手や道具に付着した場合は早めの対処が効果的です。もし時間が経ってしまうと、樹脂が固まり落ちにくくなるため、作業中もこまめに洗うようにしましょう。

乾燥後のアクリル絵の具は水で落ちなくなる仕組み

アクリル絵の具は乾燥すると、アクリル樹脂が水分を失い、固い膜を形成します。この膜は水に溶けず、耐水性が高まります。

そのため、乾いてしまったアクリル絵の具は、通常の水洗いだけでは落とせません。衣服や道具、皮膚などについた場合、乾燥後は専用のクリーナーやアルコールなど、他の方法が必要になります。また、乾燥後の絵の具は剥がしたり削ったりする必要がある場合もあるため、作業の際は乾く前の対処が重要です。

他の絵の具との水による落ちやすさの違い

アクリル絵の具と他の代表的な絵の具(たとえば水彩絵の具、油絵の具)では、水での落としやすさが異なります。主な違いは以下の通りです。

種類乾燥前の落ちやすさ乾燥後の落ちやすさ
アクリル絵の具落ちやすい落ちにくい
水彩絵の具落ちやすい水で再び溶ける
油絵の具水では落ちにくい水では落ちない

このように、アクリル絵の具は水彩絵の具と同じく水で溶かせますが、乾くと耐水性が高くなります。水彩は乾いても水で再度溶かせるため、違いを知っておくとトラブル時に役立ちます。

アクリル絵の具の耐水性を活かした使い方

アクリル絵の具の特徴は、乾燥後の高い耐水性です。これを活かして、重ね塗りやコラージュ、ミクストメディア作品に幅広く活用できます。

たとえば、一度乾いた層の上から別の色を塗っても下の色が混ざりません。そのため、色ごとにくっきりとしたラインを描いたり、立体感を出したい時に便利です。また、仕上げにニスを塗ることで、さらに塗膜の強度を高められます。これらの特徴を知っておくと、制作の幅が広がります。

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アクリル絵の具が落ちなくなる前にできる対策

アクリル絵の具が乾く前に落とすことは、後片付けの手間を大きく減らすコツです。身の回りの物や手に付着した場合、早めの対応が重要です。

服や手についたアクリル絵の具をすぐに落とす方法

服や手にアクリル絵の具がついた場合、できるだけ早く流水で洗い流しましょう。特に服は、濡らしたタオルやティッシュで軽く拭き取った後、石けんや中性洗剤を使って優しくもみ洗いします。

手の場合は、ぬるま湯と石けんでしっかり洗うのが効果的です。絵の具が爪や指のシワに入り込んだ場合は、綿棒ややわらかいブラシを使うときれいに落とせます。乾く前の素早い対応が、美しい仕上がりや道具の長持ちにつながります。

筆やパレットについた絵の具の洗い方

筆についたアクリル絵の具は、作業中もこまめに水ですすぎながら使うと、乾燥による固着を防げます。作業後は、ぬるま湯で優しく振り洗いし、石けんを使って筆先に残った絵の具を落としましょう。

パレットは、乾く前にティッシュやペーパータオルで拭き取り、その後洗い流すときれいになります。もし乾きかけていた場合は、ティッシュで湿らせてから拭くと落ちやすくなります。筆やパレットを清潔に保つことで、次回の作業も快適になります。

落としやすくするための準備と予防策

作業前に予防策をとることで、アクリル絵の具の付着トラブルを減らすことができます。例えば、作業着やエプロンを着用し、手袋を使うと衣服や手への付着を防げます。

また、作業台や床に新聞紙やビニールシートを敷くと、万が一こぼれても後始末が簡単です。パレットや水入れも、使い捨てや洗いやすい素材を選ぶと手間が省けます。ちょっとした工夫が、片付けを格段に楽にしてくれます。

落ちにくい場所別アクリル絵の具の対処法

アクリル絵の具が落ちにくい場所には、布、木材、プラスチック、ガラスなどがあります。場所ごとの対策を知っておくと安心です。

  • 布:乾く前なら洗剤でこすり洗い。乾いたら専用クリーナーやアルコールを使うと落ちやすくなります。
  • 木材:表面がざらついている場合、乾燥前は水拭き、乾燥後は削り取るか研磨が必要です。
  • プラスチック:乾く前は拭き取り、乾燥後はアルコールや専用クリーナーで対応します。
  • ガラス:乾く前は簡単に拭き取れますが、乾いた場合はスクレーパーやアルコールを使います。

素材によって適切な対処法が異なるため、事前に確認しておくと失敗が減ります。

乾いてしまったアクリル絵の具を落とすコツ

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アクリル絵の具が乾いてしまうと、落とすのが難しくなります。しかし、素材や状況に応じた方法で対応すれば、ある程度きれいにできます。

服や布についた場合の落とし方

乾いてしまったアクリル絵の具は、まずヘラやスプーンの裏で優しく削り取ります。その後、アルコールや除光液(アセトン入り)を布に染み込ませ、たたくようにして落とします。

強くこすると生地を傷めるおそれがあるため、目立たない場所で試してから行いましょう。専用の染み抜き剤も市販されているので、頑固な汚れにはそちらの使用も効果的です。

壁や床に付着したアクリル絵の具の落とし方

壁や床についた場合、乾いていると通常の水拭きでは落ちにくくなります。まず、プラスチック製のヘラやカードで表面を軽くこそげ取ってください。

残った部分は、アルコールや専用クリーナーを含ませた布で拭き取ると効果的です。素材によっては、表面を傷つけないように気を付けましょう。広範囲の場合は、作業前に養生テープやカバーを使用することもおすすめです。

専用クリーナーや家庭用品を使った落とし方

乾いたアクリル絵の具には、専用のクリーナーが便利です。アクリル絵の具用クリーナーや除光液(アセトン入り)、消毒用アルコールなどが広く利用されています。

一般家庭用品としては、重曹やキッチン用の中性洗剤も効果があります。たとえば、重曹を水でペースト状にして塗布し、しばらく置いてから拭き取ると落ちやすくなります。ただし、素材によっては色落ちや傷みの原因になるため、使用前に目立たない部分で試すことが大切です。

アクリル絵の具が皮膚についたときの安全な落とし方

皮膚についた乾いたアクリル絵の具は、無理にこすらず、ぬるま湯と石けんでやさしく洗いましょう。どうしても残る場合は、ベビーオイルやハンドクリームをなじませてから洗うと落ちやすくなります。

アルコールや除光液は皮膚を傷めるおそれがあるため、なるべく使用を避けてください。落ちにくい場合は数回に分けて洗い、肌を保護するために作業後は保湿クリームを塗ることもおすすめします。

アクリル絵の具の特徴と他の画材との比較

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アクリル絵の具の特性や、水彩や油絵の具との違いを知ることで、用途に合った画材選びがしやすくなります。

アクリル絵の具と水彩絵の具の違い

アクリル絵の具と水彩絵の具はどちらも水で薄めて使いますが、性質や仕上がりに大きな違いがあります。水彩絵の具は乾いても再び水を加えると溶け出し、柔らかいぼかしやグラデーションを作るのが得意です。

一方、アクリル絵の具は乾燥すると水に溶けなくなり、くっきりした発色や塗り重ねがしやすいのが特徴です。にじみやすさ、重ね塗りのしやすさ、耐久性など、目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

アクリル絵の具と油絵の具の落としやすさ比較

アクリル絵の具と油絵の具は、落としやすさや使い勝手に違いがあります。油絵の具は水では全く落ちず、専用の溶剤やクリーナーが必要です。

一方、アクリル絵の具は乾く前であれば水で落とせますが、乾くと水では落ちません。下の表で比較できます。

種類使用時の落としやすさ乾燥後の落としやすさ
アクリル絵の具水で洗える専用クリーナーが必要
油絵の具水では落ちない溶剤が必要

使いやすさやメンテナンスの手間を考えて、自分に合った画材を選ぶことが大切です。

アクリル絵の具の耐水性が生まれる化学的な理由

アクリル絵の具の耐水性は、アクリル樹脂が持つ性質によるものです。絵の具が乾燥することで、水分が蒸発し、アクリル樹脂が固い膜を形成します。

この膜は水分をはじくため、一度乾いたアクリル絵の具は水に強くなります。化学的には「重合」と呼ばれる現象で、分子同士がしっかり結びつくことで強固な塗膜が生まれるのです。これによって、耐久性や耐水性が高くなり、さまざまな素材への定着が可能になります。

画材選びで知っておきたいアクリル絵の具のメリットとデメリット

アクリル絵の具を選ぶ際は、メリット・デメリットを知っておくと安心です。主な特徴は以下の通りです。

メリットデメリット
発色が鮮やか乾くと修正しにくい
速乾性が高い筆やパレットが固まりやすい
耐水性・耐久性がある乾燥後は水で落ちない

鮮やかな発色や速乾性はアクリル絵の具の大きな魅力ですが、乾燥後の修正が難しい点や、道具の手入れに手間がかかることも考慮しましょう。

アクリル絵の具を使う際のおすすめテクニック

アクリル絵の具を快適に使うためには、道具のメンテナンスや取り扱い方法、作品の仕上げ方にコツがあります。

描画前後でしておきたい画材のメンテナンス

描画前には、筆がきれいでやわらかい状態か確認し、パレットや水入れも清潔に保ちましょう。作業後も、使った道具はすぐに洗い、絵の具が固まらないようにします。

特に筆は、根元に絵の具が残りやすいので、洗剤を使ってしっかり洗い、よく乾かしてからしまいましょう。定期的に柔軟剤を使うと、筆先の状態が長持ちします。道具のコンディションを整えることで、よりよい作品作りにつながります。

失敗しないアクリル絵の具の取り扱い方法

アクリル絵の具は乾きが速いので、必要な分だけパレットに出すようにしましょう。使う色を小出しにすることで、無駄なく使えます。

また、作業中は筆を水につけておく、こまめに道具を拭く、作業台の周囲を保護するなど、ちょっとした工夫で失敗を防げます。大きな面を塗る際は、乾きすぎないように霧吹きを使うのもおすすめです。

長持ちする作品作りのためのコーティング方法

完成したアクリル画を長持ちさせるには、保護用のニスやコーティング剤を使うと効果的です。専用のアクリル用ニスは、作品表面に透明な保護膜を作り、ホコリや紫外線から守ります。

コーティングは、作品が完全に乾いてから薄く均一に塗ります。光沢やマットなど仕上がりの違いも選べるため、作品の雰囲気に合わせて使い分けると良いでしょう。

初心者でも安心して使えるアクリル絵の具の選び方

初心者は、基本色が揃った少量セットや、使いやすい固さのアクリル絵の具から始めるのがおすすめです。筆やパレットも、初心者向けのセットが販売されています。

絵の具は、水で薄めやすい「学生用」や「クラフト用」から試すと失敗が少なくてすみます。また、ネットや店頭で実際に試してみて、色や発色を確かめて選ぶのも安心です。必要に応じて、専用の下地材や仕上げ材も揃えておくと、より満足度の高い制作ができます。

まとめ:アクリル絵の具と水の関係を知って快適に制作しよう

アクリル絵の具は、水で薄めて使える一方、乾燥後は耐水性が高くなるという特徴を持っています。使い方や落とし方、道具の手入れを知っておくことで、トラブルを防ぎながら快適に制作できます。

他の画材との違いや、落とすための対処法、メンテナンスのポイントを知っておくことで、アクリル絵の具をより安心して使いこなせるはずです。自分のスタイルや用途に合わせて賢く選び、楽しい創作活動を続けてください。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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