色鉛筆画を始めたいけれど、どんな画材を選べばよいのか、どう描き進めていけばいいのか迷っていませんか。初めての方にとっては、色鉛筆や紙の種類、テクニックなど分からないことが多く、不安に感じることもあるでしょう。
この記事では、初心者の方でも分かりやすいように、色鉛筆画に必要な道具や選び方、基本の描き方、描いてみたい題材、さらには練習方法まで丁寧に解説します。色鉛筆を使った創作活動が楽しく続けられるよう、役立つ情報をまとめています。
初心者が知っておきたい色鉛筆画の基礎知識

色鉛筆画を始めるには、基本的な画材の知識や選び方を押さえておくことが大切です。ここでは、初心者がまず知っておきたい基礎知識について紹介します。
色鉛筆画に必要な画材の種類と選び方
色鉛筆画を始めるには、色鉛筆、紙、消しゴム、鉛筆削りなどの基本的な道具が必要です。色鉛筆は油性と水性の2種類があり、それぞれ発色や使い心地が異なります。初心者向けには、扱いやすい油性色鉛筆が人気です。消しゴムは練り消しタイプを選ぶと、細かい修正がしやすくなります。
また、紙も重要なポイントです。色鉛筆に合う紙は表面がややざらざらしたものがおすすめで、色がしっかりと乗りやすくなります。これらの基本画材を揃えることで、初めての色鉛筆画も安心して始められます。
初心者におすすめの色鉛筆セットの特徴
初心者用の色鉛筆セットは、色数が多すぎず、扱いやすいものを選ぶのがポイントです。24色セットは多様な色合わせができ、使い分けもしやすいため、最初の一本に適しています。芯が柔らかめで、なめらかに描けるタイプを選ぶと、塗りやすさを感じられるでしょう。
たとえば、以下のような特徴があるセットがおすすめです。
- 発色がよく、重ね塗りがしやすい
- 芯が折れにくい
- ケースがしっかりしている
有名なメーカーのエントリーモデルから選ぶと、品質にムラが少なく安心して使えます。
基本の下書きと線画のコツ
色鉛筆画を綺麗に仕上げるには、下書きが大切です。まず薄い鉛筆で、力を入れずに優しく輪郭を描きます。濃く描きすぎると消しゴムで消しにくくなるので、注意しましょう。
下書き後に線画をなぞる場合は、色鉛筆の同系色を使うと自然になじみます。細い線で描くと、絵全体がすっきりとした印象になります。線が重なりすぎないように、シンプルさを意識すると、色塗りもスムーズに進められます。
色鉛筆画でよく使われる紙の選び方
色鉛筆画に適した紙には、表面が少しざらざらしている画用紙やスケッチブック用紙があります。ざらざらした紙は色鉛筆の芯がしっかりと引っかかり、色が綺麗にのります。
また、紙の厚さも重要です。薄すぎる紙は削れたり丸まったりしやすいので、厚手のタイプを選ぶと丈夫で扱いやすくなります。手に入りやすい「画用紙」「スケッチブック」「ケント紙」などから、自分の描きやすいものを試して選んでみましょう。
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色鉛筆の種類と特徴を理解しよう

色鉛筆にもさまざまな種類や特徴があり、目的や描きたい表現によって最適なものが異なります。ここでは色鉛筆の基本的な違いについて整理します。
油性色鉛筆と水性色鉛筆の違い
油性色鉛筆は芯がしっかりしていて、なめらかに塗りやすいのが特徴です。重ね塗りや濃淡の表現がしやすく、初心者から上級者まで幅広く使われています。発色も鮮やかで、消しゴムでの修正もある程度可能です。
一方、水性色鉛筆は芯に水に溶ける成分が含まれており、塗った後に水を含ませた筆でなぞると、水彩画のような効果を出すことができます。繊細な色合いや、にじみのある表現に向いていますが、紙の種類によっては波打ちやすいので注意が必要です。
芯の硬さや太さが仕上がりに与える影響
色鉛筆の芯には「硬め」と「柔らかめ」があります。硬めの芯は、細かい線や細部の描き込みに適しており、細やかな表現が得意です。ただし、塗り広げるときには若干ムラができやすい傾向があります。
柔らかめの芯は、広い面をなめらかに塗る際に便利です。色が濃く出やすく、重ね塗りやぼかしの表現もしやすくなります。太さについても、細芯は細かい部分向き、太芯は大きな面を塗るのに役立ちます。用途や描きたいタッチに合わせて、芯の種類を選ぶと作品の幅が広がります。
初心者向けブランドとプロ向けブランドの比較
色鉛筆には初心者向けとプロ向けのブランドがあります。初心者向けは価格が手頃で、扱いやすさ重視のものが多く揃っています。プロ向けは色数が多く、発色や耐久性、滑らかさが高いのが特徴です。
ブランド例 | 主な対象 | 特徴 |
---|---|---|
トンボ、三菱 | 初心者向け | 手頃な価格、入手しやすい |
ファーバーカステル、ホルベイン | プロ向け | 発色や質感に優れる |
まずは初心者向けセットで基礎を身につけ、慣れてきたらプロ向けセットにステップアップするのも良い方法です。
色数やセット内容の選び方のポイント
色鉛筆セットは12色、24色、36色など種類が豊富にあります。最初は24色程度のセットを選ぶと、基本的な色が揃い、混色の練習もしやすくなります。色鉛筆は重ねて混ぜることで多様な表現ができるため、あまりたくさんの色数にこだわりすぎる必要はありません。
また、セット内容に金銀や白などの特殊色が含まれているかも確認しましょう。白はハイライトや混色に役立つため、入っていると便利です。自分の描きたいモチーフや作風に合わせて、無理なく使い切れるセットを選ぶことが大切です。
初心者でもできる色鉛筆画テクニック

色鉛筆画の基本技法を身につけることで、表現の幅が大きく広がります。ここからは、初心者でもすぐに実践できる塗り方や表現方法を紹介します。
平塗りや重ね塗りの基本技法
平塗りは、一定の力で均一に色を塗る方法です。芯を寝かせて広い面を塗ることでムラが少なく仕上がります。塗る方向をそろえると、見た目も美しくなります。
重ね塗りは、一度塗った色の上に別の色を重ねて、深みやニュアンスを出す技法です。例えば、黄色の上に青を重ねると、緑色のニュアンスが生まれます。軽い力で少しずつ重ねると、繊細な色合いを作ることができます。慣れてきたら、何色かを重ねて自分だけの色を探すのも楽しい方法です。
グラデーションと混色のコツ
グラデーションは色をなめらかに変化させる技法です。まず薄い色から濃い色へ、徐々に筆圧を強くしながら塗ります。隣り合う色を少しずつ重ねると、自然な色の変化が生まれます。
混色の際は、使用する色鉛筆を少しずつ重ねていくのがコツです。たとえば、赤と黄色を重ねてオレンジを作ったり、青と緑で深い森の色を表現したりできます。色鉛筆は透明感があるため、一度にたくさん塗るより、何度か重ねて調整するのが美しい仕上がりにつながります。
ハイライトや陰影の表現法
絵に立体感を出すには、ハイライトと陰影の描き分けがポイントです。ハイライトを入れたい部分は色を塗らず紙の白を残したり、白い色鉛筆で明るさを加えます。消しゴムを使ってハイライト部分をやさしく消す方法も効果的です。
一方、陰影部分は同系色の濃い色やグレー、青などを使い、段階的に重ねると自然な立体感が生まれます。光の当たる方向を意識しながら、明暗を分けて塗っていくと、よりリアルな仕上がりになります。
ムラなく塗るためのテクニック
色鉛筆でムラなく塗るには、芯の先を少し寝かせて広い面を均一な力で塗ることが大切です。短いストロークよりも、長いストロークで塗るとムラが少なくなります。
また、塗る方向を一定にそろえると見た目がすっきりします。どうしてもムラができる場合は、何度か重ねて塗ったり、ティッシュでやさしくぼかす方法もおすすめです。無理に力を入れず、リラックスして塗ると綺麗な仕上がりにつながります。
色鉛筆画を始めるのに揃えたいアイテム

色鉛筆画を楽しく続けるためには、画材だけでなく、便利な補助道具や収納アイテムも欠かせません。ここでは、揃えておきたいアイテムを紹介します。
必須の基本画材と便利な補助道具
色鉛筆画に必要な基本画材は以下の通りです。
- 色鉛筆(24色程度)
- スケッチブックや画用紙
- 鉛筆
- 消しゴム(練り消しタイプが便利)
- 鉛筆削り
さらに、便利な補助道具としては、ブレンダー(色鉛筆用ぼかしペン)、定規、ティッシュなどがあります。ブレンダーは色をなじませたり、グラデーションを滑らかにしたい時に役立つアイテムです。
収納ケースや持ち運びグッズの選び方
色鉛筆や画材をきちんと収納すると、使いたい時にすぐ取り出せて便利です。収納ケースは、仕切りがあり色ごとに分けられるタイプが整理しやすくおすすめです。
持ち運びにはロール式のペンケースや、軽量なプラスチックケースが便利です。家で描くことが多い場合は据え置き型のボックス、外出先で描く場合はコンパクトなケースを選ぶと良いでしょう。丈夫な素材で汚れにくいものを選ぶと、長く愛用できます。
初心者に役立つ教本や参考資料
色鉛筆画のスキルアップには、初心者向けの教本や参考資料も役立ちます。描き方の手順やテクニックが写真やイラストで解説されている本を1冊持っておくと、とても参考になります。
また、ネットや動画サイトにも多くのチュートリアルが公開されています。絵のテーマや技法ごとに探してみると、自分の学びたい内容に合った教材が見つかりやすいでしょう。複数の資料を組み合わせて学ぶことで、より理解が深まります。
作品を飾るためのフレームの選び方
完成した作品はフレームに入れて飾ることで、見栄えがぐっと良くなります。フレームは作品のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。市販のA4やB5サイズのフレームは使いやすく、手軽に手に入ります。
フレームの色は、作品の雰囲気や部屋のインテリアに合わせて選ぶと統一感が出ます。シンプルな木製や白色のフレームはどんな絵にも合いやすくおすすめです。ガラスやアクリル板付きのフレームを使えば、作品をホコリや汚れから守ることもできます。
色鉛筆画で描いてみたいおすすめ題材
色鉛筆画はさまざまなモチーフを描くことで、技術の幅が広がります。初心者にも描きやすいおすすめ題材を紹介します。
初心者に人気の花や植物モチーフ
花や植物は色が豊富で、グラデーションや重ね塗りの練習に最適なモチーフです。単純な形から複雑なパターンまで、自分のレベルに合わせて挑戦できます。
たとえば、チューリップやヒマワリ、葉っぱなどは輪郭が分かりやすく、塗りやすい題材です。花びらや葉の色合いをじっくり観察しながら描くことで、色鉛筆ならではの繊細な表現力を楽しむことができます。
果物や日用品をリアルに描くポイント
果物や日用品は、身近にあるので描きやすいだけでなく、立体感や質感の表現練習にもなります。丸みのあるリンゴやみかんは、陰影の付け方や色の重ね方を学ぶのに向いています。
ポイントは、観察したままの形や色をよく見ることです。光が当たる部分と影になる部分を意識し、色鉛筆を重ねて微妙なグラデーションを作るとリアルな仕上がりになります。素材の質感も意識して塗り分けてみましょう。
ペットや動物を色鉛筆で描く楽しさ
ペットや動物の絵は、毛並みや目の輝きなどを丁寧に描くことで愛らしさが伝わります。モコモコの犬や猫、ふわふわのウサギなどは、色を重ねて質感を出す練習にぴったりです。
毛の流れや顔の表情を観察し、細かく塗り分けることで、よりリアルに仕上がります。まずは写真を参考にしながら描いてみると、バランスが取りやすく、初心者でも挑戦しやすい題材です。
風景や身近な風物詩を色鉛筆画で表現
風景や季節の風物詩は、広い面を塗る技術や奥行きの表現を磨くのに適しています。たとえば、公園の木々や季節ごとの花、空や雲などを描くことで、色鉛筆ならではの優しい色合いや柔らかな雰囲気を表現できます。
遠近感を意識したグラデーションや、空気感のある背景作りにも挑戦できます。難しそうに思えるかもしれませんが、好きな風景写真を見ながら、少しずつ描く範囲を広げていくと楽しく仕上げることができます。
色鉛筆画の上達に役立つ練習方法とコツ
色鉛筆画を上達させるには、継続した練習と小さな工夫が大切です。ここでは、初心者の方が無理なく続けられる練習法やポイントをまとめます。
毎日続けられる簡単な練習課題
上達のコツは、短時間でもいいので毎日絵を描くことです。たとえば、身近なものをひとつ選んでスケッチしたり、色鉛筆のグラデーション練習やカラーチャートを作るのもおすすめです。
- 小さな花や葉っぱを1日1枚描く
- 曜日ごとに違うテーマを決める
- 色鉛筆の混色表を作る
このように簡単な課題を続けることで、自然と表現力が身につきます。
失敗しやすいポイントとその対策
初心者が失敗しやすいのは、塗りムラや濃淡の付け方、力の入れすぎなどです。ムラが出やすい場合は、塗る方向をそろえたり、何度か重ねることで改善できます。
また、力を入れすぎて紙が傷むこともあるので、やさしいタッチを心がけましょう。消しゴムでの修正は紙を傷めやすいので、なるべく下書きを薄く描いておくと安心です。失敗も練習のうちと考え、焦らず少しずつ上達を目指しましょう。
描いた作品の見直し方と改善のヒント
完成した作品は、少し時間をおいて見直すと客観的な視点で確認できます。全体のバランスや色の濃淡、ムラがないかを意識して見てみましょう。
気になる部分は、少しずつ重ね塗りを足してみたり、ハイライトや陰影を追加することで、仕上がりがぐっと良くなります。自分の作品と他の人の作品を比べて、良い点や直したい点をメモするのも上達への近道です。
早く上達するためのアドバイス
上達のためには、たくさんの作品を描いて経験を積むことが重要です。同じモチーフを何度も描いてみたり、違う色の組み合わせを試すのも練習になります。
また、他の人の作品を観察して「どのように色を重ねているか」「どこにハイライトを入れているか」などを研究すると、新しい発見があります。失敗を恐れず、楽しみながら続けることが早く上達する秘訣です。
まとめ:初心者が楽しむ色鉛筆画と画材の世界
色鉛筆画は、画材選びやテクニックを工夫することで初心者でも手軽に楽しむことができます。自分に合った色鉛筆や紙、道具をそろえ、身近なモチーフからチャレンジしていくことで、描く喜びもどんどん広がります。
失敗を恐れず、ちょっとした練習を重ねることで、表現の幅が広がり、見る人にも楽しさが伝わる作品が生まれます。ぜひ、自分だけの色鉛筆画の世界を楽しんでください。
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