絵を描いていると、思わぬタイミングでアクリル絵の具が服についてしまい、焦った経験がある方も多いのではないでしょうか。特にお子さまと一緒に作業する場合や、大切な服を汚してしまった場合、どう対処すればいいのか不安になることもあります。
この記事では、アクリル絵の具が服についたときの具体的な対処法や、乾いてしまった場合の落とし方、他の画材との違い、さらには汚れの予防方法まで幅広くご紹介します。安心して創作活動を楽しむためのヒントを、分かりやすくお伝えします。
アクリル絵の具が服についた時の洗濯での対処法

アクリル絵の具が衣類についてしまった場合、早めの対応がポイントです。特に乾く前の正しい処置や洗剤の選び方に悩む方が多いですが、いくつかのポイントを押さえれば、焦らずに対処できます。
乾く前にできる応急処置のポイント
アクリル絵の具は乾くと定着しやすくなるため、できるだけ早く対応することが大切です。まずは、ティッシュや清潔な布で余分な絵の具を軽く取り除きましょう。このとき、こすらず押さえるようにして、汚れが広がらないように注意します。
水で濡らした布や流水を使って、汚れた部分を裏からやさしく流します。裏から流すことで、繊維の奥まで絵の具が入り込むのを防げます。完全に乾く前にこの処置を行うことで、その後の洗濯がより効果的になります。
洗濯前に取り除いておくべきアクリル絵の具の量
洗濯前にできるだけ多くのアクリル絵の具を取り除くことで、洗濯機に入れた際の再付着や他の衣類への色移りを防げます。ヘラやカードなどで、表面の絵の具をやさしくこそげ落としましょう。
下記に、取り除く方法の一例をまとめます。
- ヘラやスプーンの背でやさしくすくい取る
- ティッシュや布で押さえながら吸い取る
- 乾いた部分があれば、爪やピンセットでそっとはがす
このような前処理をすることで、洗濯の効果が上がり、よりきれいに落とすことが期待できます。
洗濯機と手洗いどちらが効果的か
アクリル絵の具が付いた衣類の洗い方には、洗濯機と手洗いの2つの方法があります。乾く前の新しい汚れであれば、手洗いでも十分に落ちる場合が多いです。特に部分的な汚れは、手洗いでやさしく洗い流すと生地を傷めにくいというメリットがあります。
一方で、広い範囲に絵の具が付着している場合や、素材が丈夫な場合は洗濯機の利用も選択肢です。ただし、他の衣類への色移りを防ぐために、個別で洗う・洗濯ネットに入れるなどの工夫も必要です。状況に合わせて、どちらの方法が適しているか判断しましょう。
洗剤や漂白剤の選び方と注意点
アクリル絵の具を洗濯する際は、まず中性洗剤や液体タイプの洗剤を使用するのが安全です。漂白剤を使う場合は、服の素材や色柄によって適した種類を選ぶことが大切です。
色柄物の場合は酸素系漂白剤を、白物限定であれば塩素系も検討できますが、素材にダメージが出ないか事前に目立たない場所で試しましょう。また、漂白剤の使用には十分な換気と、使用量の守り方が必要です。説明書をよく読んで使用してください。
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乾いてしまったアクリル絵の具の落とし方

アクリル絵の具が完全に乾いてしまうと、通常の洗濯だけでは落としにくくなります。しかし、いくつかの前処理や専用の溶剤を組み合わせることで、汚れを目立たなくすることも可能です。
頑固な汚れを落とすための前処理方法
乾いたアクリル絵の具は、繊維にしっかり付着しているため、まずは固まった部分をそっとはがすことから始めましょう。爪やヘラなどで、無理のない範囲で表面をこそげ落とします。
次に、液体洗剤や台所用中性洗剤を直接塗り、数分間なじませてからやさしくもみ洗いします。洗剤が繊維に浸透することで、少しずつ絵の具が浮き上がりやすくなります。これを数回繰り返すと、落ち具合が変わることもあります。
除光液やクレンジングオイルの使い方
市販の除光液(アセトン入り)やクレンジングオイルは、乾いたアクリル絵の具を柔らかくし、落としやすくする効果があります。布の目立たない部分で色落ちしないかを試してから使用しましょう。
コットンや綿棒に少量含ませ、汚れ部分を軽くたたくようにして絵の具を落とします。その後、必ず水や中性洗剤でしっかりすすいで残留成分を洗い流してください。素材によっては変色や生地の痛みが出ることもあるため、注意して使用しましょう。
酸素系漂白剤を使う際の手順とコツ
白物や色落ちしない服に対しては、酸素系漂白剤を使う方法もあります。まず、ぬるま湯に漂白剤を溶かし汚れた部分を30分ほど浸します。
その後、軽くもみ洗いしながら汚れを浮かします。完全に取り切れない場合でも、何度か繰り返すことで薄くなることがあります。ただし、長時間の浸漬や高温での使用は生地を傷める原因になるため、説明書通りの使用を守りましょう。
クリーニング店に依頼する場合のポイント
家庭での対処が難しい場合や高価な衣類の場合は、クリーニング店に相談するのも一つの方法です。依頼時には、アクリル絵の具が付いた経緯や使った洗剤、溶剤の種類を伝えると、適切な処置を選びやすくなります。
また、早めに持ち込むことで、クリーニング店でも落としやすくなります。汚れが広がるのを防ぐため、他の部分に色移りしないようラップで覆うなどの工夫も役立ちます。
アクリル絵の具と他の画材の汚れの違い

アクリル絵の具以外にも、水彩や油性、アクリルガッシュなどさまざまな画材があります。それぞれ特徴や汚れ落ちの難しさが異なりますので、違いを知っておくと対処がしやすくなります。
水彩絵の具とアクリル絵の具の洗濯時の違い
水彩絵の具は水で簡単に溶けるため、衣類についた場合も水洗いで落としやすいのが特徴です。早めに流水と中性洗剤で洗えば、ほとんどの汚れは落とせます。
一方、アクリル絵の具は乾くと耐水性が高まり、繊維にしっかり定着します。乾燥前であれば水洗いで対処できますが、乾いてしまうと落としにくい点が大きな違いです。
油性絵の具が服についた場合の対処法
油性絵の具は、アクリルや水彩と比べてさらに落としにくい画材です。油分を含んでいるため、通常の水や洗剤だけでは汚れが残りやすくなります。
基本的には、溶剤(ペイント薄め液やベンジンなど)を使って油分を浮かせ、その後中性洗剤でしっかり洗い流す必要があります。ただし、溶剤は強いので、使う際は素材や色落ちに十分注意し、換気を良くして作業しましょう。
アクリルガッシュや特殊な画材の落とし方
アクリルガッシュはアクリル絵の具と同じく耐水性がありますが、マットな質感が特徴です。落とし方はアクリル絵の具とほぼ同じですが、ピグメント(顔料)の粒子が大きいものもあり、素材によっては染み込みやすいことがあります。
特殊インクやペンの場合も、商品ごとに成分が異なります。メーカーのアドバイスや成分表示を確認し、専用クリーナーやそれぞれに適した対処法を選びましょう。
成分ごとに異なる汚れ落ちの難易度
画材ごとに異なる成分が使われているため、汚れの落ちやすさも違います。以下の表は主な画材と落としやすさの目安です。
画材名 | 主な成分 | 落としやすさ |
---|---|---|
水彩絵の具 | 水溶性樹脂 | 比較的落としやすい |
アクリル絵の具 | 合成樹脂 | 乾くと落ちにくい |
油性絵の具 | 油分、顔料 | とても落ちにくい |
この表を参考に、汚れの種類や状況に応じた対応を心がけましょう。
服以外についたアクリル絵の具の落とし方

アクリル絵の具は、服だけでなく壁や床、皮膚などさまざまな場所に付着することがあります。それぞれの素材に合った落とし方を知っておくと、慌てずに対応できます。
壁や床などの家庭内での対処法
壁や床にアクリル絵の具が付着した場合は、できるだけ早く拭き取ることが大切です。まだ乾く前であれば、湿らせた布でやさしく拭き取ります。
乾いてしまった場合は、水や中性洗剤とスポンジでこすります。木製や塗装面などデリケートな素材は、強くこすりすぎないよう注意が必要です。どうしても落ちない場合は、専用のクリーナーを試してみても良いでしょう。
皮膚についてしまった場合の安全な落とし方
アクリル絵の具が手や腕などの皮膚についてしまった場合は、まず石けんとぬるま湯でやさしく洗い流します。乾いてしまった場合は、オイル(ベビーオイルやクレンジングオイルなど)を使うと、無理なく落とせます。
強くこすりすぎると肌を傷める原因になるため、やさしくなじませてから洗い流しましょう。目や口の周りなど敏感な部分についた場合は、無理せず医師に相談してください。
布以外の素材ごとの洗浄方法
プラスチックや金属など、布以外の素材についた場合は、乾燥前なら水や中性洗剤で拭き取ります。乾いた場合は、アルコールや除光液を使うと落ちやすくなりますが、素材ごとの耐久性や色落ちには注意が必要です。
木やゴムなど吸水性のある素材の場合は、絵の具が染み込みやすくなるため、できるだけ早めの対応がポイントです。
画材ごとの汚れがつきやすい場所の工夫
作業する場所や使うアイテムによって、汚れがつきやすい部分を事前にカバーすることも大切です。たとえば、机の上にビニールシートや新聞紙を敷いたり、壁際ではマスキングテープで保護したりする方法があります。
また、パレットや水入れなどの使用後はすぐに洗い流し、筆や道具も早めに手入れしておくことで、余計な汚れを防ぐことができます。
アクリル絵の具の汚れを予防するための工夫
事前に少しの工夫を重ねることで、アクリル絵の具による汚れトラブルをぐっと減らすことができます。予防方法を知って、快適な創作時間を過ごしましょう。
汚れてもいい服やエプロンの活用法
絵を描く際は、汚れても気にならない服を着ることが基本です。さらに、エプロンや作業用の上着を着用すれば、衣類への付着をしっかり防げます。
特に子どもや初心者の場合は、袖口までカバーできるタイプのエプロンや、スモックの活用もおすすめです。手軽に洗える素材を選ぶと、後片付けも簡単になります。
事前のシミ防止スプレーや保護グッズの活用
衣類にシミ防止スプレーをあらかじめ吹きかけておくと、アクリル絵の具が付きにくくなり、汚れても落ちやすくなります。市販の防水スプレーなどでも代用可能です。
また、袖カバーや使い捨て手袋などの保護グッズを使えば、うっかり汚れが広がるのを防げます。以下は予防グッズの例です。
- 防水エプロン
- 使い捨て手袋
- シミ防止スプレー
これらを準備しておくことで、汚れへの心配が減り、作業に集中できるようになります。
使い終わった画材の正しい片付け方
作業後の片付けも汚れ予防には欠かせません。筆やパレットなどの道具は、絵の具が乾燥する前にぬるま湯と中性洗剤で洗い流しましょう。
使い終わった紙や布は、すぐに片づけておくと他の場所に絵の具が付くのを防げます。水入れの水も早めに捨てておくと、こぼして汚れを広げる心配がなくなります。
小さな子どもと一緒に作業する際の注意点
小さなお子さまと絵を描く場合は、汚れ対策を強化することで安心して楽しめます。作業前にエプロンやスモックを着せ、周囲もビニールシートや新聞紙でしっかりカバーしましょう。
また、子どもが使う道具や筆は大きめのものに限定すると、誤って手や服に付けてしまうリスクを減らせます。作業中はこまめに手を洗う習慣をつけておくことも効果的です。
まとめ:アクリル絵の具の洗濯と汚れ対策を知って安心して創作を楽しもう
アクリル絵の具が服や身の回りについた場合も、ポイントを押さえて正しく対処すれば、きれいに落とせる可能性があります。乾く前の応急処置や適切な洗剤選び、他の画材との違いを知っておくことで、より安心して創作活動を楽しめます。
また、予防策や汚れが広がりやすい場所のカバー、適切な片付け方法を実践することで、トラブルを最小限に抑えられます。洗濯や掃除の手間を減らし、思いきり絵を描く時間を楽しんでください。
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