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バーニッシュとは何か漫画やイラスト制作で活かす使い方と選び方を徹底ガイド

漫画やイラストを描くと、作品を長く美しく保ちたいと感じる方が多いのではないでしょうか。しかし、紙やインクの劣化、摩擦による色落ちなど、作品を仕上げた後にも悩みは尽きません。そんなときに役立つのが「バーニッシュ」と呼ばれる画材です。仕上げや保護のために使うバーニッシュですが、種類や使い方によって仕上がりも大きく変わります。この記事で基礎知識から使い方、選び方のポイントまで分かりやすく解説していきます。

目次

バーニッシュとは何か基礎知識と役割を解説

バーニッシュ と は

バーニッシュは、作品の表面を保護し、完成度を高めるために使われる画材です。漫画やイラスト制作において、その役割や使い方を知ることで、大切な作品をより美しく安全に保てます。

バーニッシュの基本的な定義と特徴

バーニッシュとは、絵やイラストの表面に塗って仕上げる透明なコーティング剤の総称です。主に、作品表面の保護や光沢の調整、色の発色を鮮やかに見せる目的で使われます。画材屋やオンラインショップでは、「フィキサチーフ」と呼ばれることもありますが、バーニッシュはさらに仕上げ用として使われることが多いです。

大きな特徴は、乾くと透明な薄い膜になる点です。この薄い膜が、表面の擦れやホコリ、紫外線などによる色あせ、湿気などから絵を守ります。加えて、マット(つや消し)やグロス(光沢)など仕上がりのバリエーションも選べます。絵の具やインクが乾いた後に使うことが推奨されており、種類によっては除去できるものもあります。

漫画やイラスト制作におけるバーニッシュの重要性

漫画やイラストは、描いた直後は美しくても、時間の経過や外的な刺激によって劣化しやすい特徴があります。バーニッシュを使うことで、紙やインクが空気に触れて起こる変色や、擦れによる色落ちを効果的に防ぐことが可能です。

また、発色を良くしたり、表面の質感を統一したりする役割もあります。たとえば、漫画原稿の白抜き部分にグロス仕上げのバーニッシュを使えば、作品全体がよりシャープに見えます。イラストでは、マットバーニッシュを用いると淡く落ち着いた印象を演出できます。このように、バーニッシュは制作物の完成度を高めるために多くの作家に選ばれています。

画材として使うメリットとデメリット

バーニッシュを使うメリットとして最も大きいのは、作品の耐久性が上がる点です。表面が保護されることで、取り扱いや保管がしやすくなり、大切な原稿やイラストを長く残せます。また、光沢やマットの選択によって、見た目の印象を自由にコントロールできることも魅力です。さらに、表面が滑らかになるため、仕上がりがきれいに見えやすいという利点もあります。

一方でデメリットも存在します。たとえば、塗り方によってはムラや気泡ができやすく、仕上がりに影響が出ることがある点です。また、一度塗ると除去が難しい製品があるため、やり直しがしにくいという側面もあります。加えて、塗布時に独特なにおいがするものも多く、換気が必要です。これらの特徴を踏まえて、用途に合った使い方や製品選びが大切です。

どんな作品や画材と相性が良いか

バーニッシュは、鉛筆やペンインク、水彩、アクリル絵の具など、さまざまな画材と組み合わせて使えます。特に、色鉛筆やアクリル絵の具で仕上げたイラストには相性が良く、発色や耐久性を高めてくれる点がポイントです。

一方、油性マーカーや一部の特殊インクとは相性が悪い場合があります。これは、バーニッシュの溶剤によって色がにじんだり、表面が溶けたりすることがあるためです。使用前には小さな部分で試すことをおすすめします。まとめると、バーニッシュは幅広い作品に使えますが、画材の種類に注意して選ぶことで、より美しい仕上がりを実現できます。

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バーニッシュの種類と選び方ポイント

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バーニッシュにはいくつかのタイプや仕上がりの違いがあり、どれを選ぶかによって完成した作品の雰囲気が大きく変わります。ここでは選び方のポイントを詳しく押さえておきましょう。

液体タイプとスプレータイプの違い

バーニッシュには主に「液体タイプ」と「スプレータイプ」があります。液体タイプは、筆やスポンジなどで直接塗る形式です。量や塗り方を細かく調整できるため、細部まで丁寧に仕上げたいときや、部分的にコーティングしたい場合に向いています。一方、スプレータイプは広範囲に均一に仕上げやすく、手軽に使えることが特長です。

どちらが良いかは用途や目的によって変わります。たとえば、複雑なイラストや部分的な表現には液体タイプ、広い面積のポスターや仕上がりの速さを重視する場合はスプレータイプが適しています。下記のように特徴をまとめてみます。

タイプ特長向いている作品例
液体タイプ塗り分けがしやすい部分使い・細密画
スプレータイプ均一に塗れる大判作品・ポスター

マットグロスサテンなど仕上がりのバリエーション

バーニッシュは仕上がりの質感にもさまざまな種類があります。大きく分けて、マット(つや消し)、グロス(光沢)、サテン(半光沢)があります。マットは光を反射しにくく、落ち着いた印象に仕上がるため、柔らかい絵や淡いタッチのイラストにおすすめです。グロスは光沢が強く、発色が鮮やかに見えるので、ポップな作品や原稿の見栄えを良くしたい時に向いています。

サテンはマットとグロスの中間で、自然なつやを持ちつつもギラつきが抑えられる仕上がりです。それぞれの特徴を理解して、作品の雰囲気に合わせて選ぶと良いでしょう。

種類質感向いている絵の雰囲気
マットつや消し落ち着いた/柔らかい
グロス強い光沢鮮やか/シャープ
サテン自然な半光沢ナチュラル/中間

除去可能なバーニッシュと不可のものの選び方

バーニッシュには「除去可能タイプ」と「除去不可タイプ」が存在します。除去可能なタイプは、専用のリムーバーやアルコールなどで表面のコーティングを落とすことができます。展示や販売用など、後から作品の修正や保存状態の変更が必要な場合に便利です。

一方、除去不可タイプは、一度塗ると表面にしっかりと密着して簡単には落とせません。その分、耐久性が高く、持ち運びや頻繁な触れ合いがある作品に適しています。用途や管理方法に応じて、どちらを選ぶか考えましょう。迷った時は、後から修正の可能性があるかどうかを基準に選ぶと失敗が少ないです。

作品や用途に合わせたバーニッシュの選び方

バーニッシュ選びで大切なのは、作品の画材や使用目的に合わせることです。たとえば、水彩や色鉛筆の作品には、紙を傷めにくい水性タイプやマット仕上げが適しています。アクリル画や油絵の場合は、耐久性の高いグロスやサテン仕上げ、必要に応じて除去可能タイプも検討しましょう。

用途別に選び方のポイントを簡単にまとめると、以下の通りです。

  • 長期保存したい…耐久性重視、除去不可タイプ
  • 展示や販売用…修正可能な除去タイプ
  • 色あせ防止を重視…UVカット機能付き
  • 仕上がりにこだわる…質感(マット・グロス・サテン)を比較

このように、作品や目的ごとに合うバーニッシュを選ぶことで、より満足のいく仕上がりを実現できます。

バーニッシュの使い方ときれいに仕上げるコツ

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バーニッシュは塗り方や下準備によって仕上がりが大きく左右されます。ここでは基本的な使い方と、きれいにコーティングするためのポイントを解説します。

バーニッシュを塗る前の下準備

バーニッシュをきれいに塗るためには、まず絵の表面をしっかり乾かすことが大切です。インクや絵の具が完全に乾いていないと、塗布時ににじみや混色が起きる原因となります。また、表面のホコリや手垢もきれいに除去しておきましょう。乾いたやわらかい布やエアダスターを使うと便利です。

さらに、机や作業スペースも整えておき、バーニッシュがかかっても良いように新聞紙やシートを敷いておくと安心です。スプレータイプを使う場合は換気を十分に行い、風通しの良い場所で作業してください。

均一に塗るための筆や道具の選び方

液体タイプのバーニッシュを塗布する場合、選ぶ道具によって仕上がりが変わります。おすすめは、毛先が平らでやわらかい平筆や、スポンジタイプのブラシです。これらは広い面にムラなく塗り伸ばせる特徴があります。細かい部分や縁などには細筆が便利です。

また、スプレータイプを使う際は、缶をよく振り、作品から20~30cmほど離して均一に吹きかけます。一度に厚く塗ろうとせず、薄く数回に分けて重ねるときれいに仕上がりやすいです。道具の手入れも忘れずに行うことで、次回もきれいに使えます。

気泡やムラを防ぐためのテクニック

バーニッシュを塗るときによくある失敗が、気泡やムラができてしまうことです。これを防ぐには、液体タイプの場合、筆の動きを一定に保ち、厚塗りしないように注意します。一気に塗り終えるのではなく、薄く均一に塗り伸ばすことがポイントです。

気泡ができてしまった場合は、乾く前にそっと筆や爪楊枝でつぶすと目立ちにくくなります。スプレータイプの場合は、一方向に動かしながら素早く吹きかけ、重ね塗りは十分に乾燥させてから行うと仕上がりが良くなります。作業中はなるべくホコリが入り込まない環境をつくることも大切です。

重ね塗りや失敗を防ぐポイント

バーニッシュは一度に厚く塗るより、何度か薄く重ねて仕上げるほうが見た目がきれいになりやすいです。1回目の塗布が完全に乾いてから、2回目以降を塗るようにしましょう。乾燥時間は製品によって異なりますが、一般的には20分~1時間程度待つと安心です。

もしムラやホコリが混入してしまった場合は、乾燥後にやさしくヤスリや消しゴムで整える方法もあります。ただし、強くこすりすぎないよう注意しましょう。失敗を防ぐには、事前に小さなテストピースで練習してから本番に移ることもおすすめです。

バーニッシュ使用時の注意点とトラブル対策

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バーニッシュを使う際には、意外なトラブルや注意点がつきものです。事前に対策を知っておくことで、安心して作品を仕上げることができます。

塗布時に発生しやすいトラブルと対処法

最もよくあるトラブルは、気泡や塗りムラ、ホコリの付着です。気泡は筆やスプレーの使い方に原因があることが多いので、塗布前にしっかり道具を湿らせたり、スプレー缶を十分に振っておきましょう。ムラになった場合は、乾燥後に2度塗りで調整できます。

また、表面がベタついたり、白く濁ったりすることもあります。これは塗りすぎや湿度の高さが原因になりやすいです。作業場所の温度と湿度に気を付け、塗布量を控えめにしましょう。ホコリが付着した場合は、乾く前にやさしく取り除いてください。

乾燥や保存保管時の注意点

バーニッシュを塗った後は、しっかりと乾燥させることが重要です。未乾燥のまま触れると指紋や跡が残りやすくなります。乾燥中は、平らな場所に置き、ホコリやゴミがつかないようカバーをかけておくと安心です。

保存や保管の際も、直射日光や高温多湿を避けて、風通しの良い場所に置きましょう。特に除去可能タイプのバーニッシュは、長期間の保存時に膜が劣化しやすいため、定期的に状態を確認することをおすすめします。

他の画材やメディウムとの相性

バーニッシュはほとんどの画材と組み合わせて使えますが、油性マーカーやアルコールインクの上から塗ると、にじみや溶けが発生することがあります。特に、油分やワックス成分を含む色鉛筆の場合は注意が必要です。

また、メディウム(画材の混合剤)を使った作品では、バーニッシュがうまくなじまない場合もあります。事前に小さなテストピースで、相性を確認してから本番に使用するようにしてみてください。

バーニッシュを除去したい場合の方法

バーニッシュを除去したい場合は、製品に対応したリムーバーやアルコールを使います。除去可能タイプなら、コットンや布にリムーバーを含ませ、やさしくふき取ることで表面の膜を落とすことができます。

一方で、除去不可タイプは表面を削る以外に方法がないため、塗る前に用途や今後の計画をしっかり考えて選ぶことが重要です。除去作業を行う際は、十分に換気をして、作品や手肌を傷つけないよう注意しましょう。

バーニッシュの活用事例とおすすめ製品

バーニッシュはプロから初心者まで幅広い作家に活用されています。注目の使用例やおすすめ製品、人気メーカーをチェックしてみましょう。

プロの漫画家やイラストレーターの活用事例

プロの漫画家やイラストレーターは、原稿やイラストを展示・販売用に仕上げる際、バーニッシュを積極的に活用しています。たとえば、アクリル絵の具や色鉛筆で描いたイラストにグロスバーニッシュを使用することで、発色の鮮やかさが際立ち、作品の存在感が増します。

一方、淡い水彩画や柔らかいタッチのイラストでは、マットバーニッシュでつやを抑え、上品な仕上がりを演出するケースもあります。展示会やイベント時には、来場者が作品に触れても色落ちや汚れが起きにくくなるため安心です。

初心者におすすめのバーニッシュ製品

初心者にとって使いやすいバーニッシュは、扱いやすく失敗しにくい製品がおすすめです。スプレータイプは広範囲に均一に塗りやすく、液体タイプなら粘度が高すぎず、ムラになりにくいものが適しています。

以下は人気の初心者向けバーニッシュの一例です。

製品名タイプ特長
リキテックス バーニッシュ液体/スプレー種類が豊富で扱いやすい
ターレンス プロテクタバーニッシュスプレー透明度が高く初心者向け

いずれも、画材店やネットショップで手に入りやすく、評価の高い製品です。

人気メーカーのバーニッシュ比較

バーニッシュは国内外さまざまなメーカーから販売されています。特に人気なのは、リキテックス、ホルベイン、ターレンスなどのブランドです。それぞれに特徴があるため、簡単に比較してみましょう。

メーカー主な特徴仕上がりの種類
リキテックス種類豊富・使いやすいマット/グロス/サテン
ホルベイン発色が良いマット/グロス
ターレンス透明度が高いグロス/サテン

自分の作風や好みに合わせて選ぶと、より満足のいく仕上がりを目指せます。

バーニッシュが活きる作品ジャンルやシーン

バーニッシュは、漫画原稿やイラストだけでなく、ポストカードやZINE、アートボードなど多様な作品に使われています。特に、作品の色彩や質感を生かしたいアクリル画や色鉛筆画、イベント展示に出す大型イラストなどで活躍します。

また、グッズ制作や販売用の小作品にもおすすめです。バーニッシュの効果で、色落ちや汚れを防ぎ、作品の品質を高めることができます。シーンごとに最適なタイプを選ぶことで、作品の魅力をしっかり守ることができます。

まとめ:バーニッシュの基礎と活用方法で作品の完成度を高めよう

バーニッシュは、漫画やイラスト作品の表面を保護し、完成度を高めるために欠かせない画材です。タイプや仕上がりの違い、各作品や用途に合わせた選び方、きれいに仕上げるためのコツを押さえることで、より長持ちし、美しい作品に仕上げられます。

塗り方や保管方法に注意し、トラブル対策も把握しておくことで失敗を避けやすくなります。プロから初心者まで幅広く活用されているバーニッシュを、ぜひ自分の作品制作にも取り入れてみてください。適切な活用で、大切な作品をしっかり守りつつ、その魅力を最大限に引き出せます。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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