漫画やイラスト制作をはじめる際、どんな画材を選べばよいか悩む方は多いのではないでしょうか。特にコピックを使った線画は、繊細な表現と発色の良さが魅力です。しかし、コピックには種類も多く、紙やペンなど周辺画材の選び方も迷いがちです。この記事では、コピック線画の基礎から必要な画材の選び方、イラストを美しく仕上げるコツまで、やさしく丁寧に解説します。これからコピック線画を始める方や、もっと上達したい方にも役立つ内容です。
コピックで線画を描く魅力と基本知識

コピックを使って線画を描くと、独特の発色や滑らかな質感を楽しむことができます。にじみが少なく、カラーと相性がよいことから、多くのイラストレーターや漫画家にも愛用されています。
また、コピックは初心者から上級者まで、幅広いレベルの方が取り入れやすい画材です。色数が豊富で、思い描いたイメージを表現しやすい点も大きな魅力といえるでしょう。
コピック線画の特徴とメリット
コピック線画の一番の特徴は、透明感のあるインクによる美しい発色です。色を重ねても濁りにくく、なめらかなグラデーションを作ることができます。このため、線画の上から色を塗る際も、繊細な表現が損なわれにくいです。
さらに、コピックのインクは速乾性があり、にじみやすい紙でも比較的きれいに発色します。ペン先がしなやかでコントロールしやすく、強弱をつけやすい点も魅力です。細かい部分までしっかり描き込めるので、漫画やイラストの線画作業に適しています。
初心者が知っておきたいコピックの種類
コピックにはいくつか種類があり、用途や描き心地によって選べます。代表的なものは「コピッククラシック」「コピックスケッチ」「コピックチャオ」の3種類です。下記の表で特徴をまとめました。
種類 | ペン先の形状 | インクの量 |
---|---|---|
クラシック | ブロード・ファイン | 多い |
スケッチ | ブラシ・ブロード | 普通 |
チャオ | ブラシ・ブロード | 少なめ |
初心者には、持ちやすく価格も手ごろなコピックチャオが人気です。より本格的な作画を目指す方は、色数やインク量が多いスケッチやクラシックを選ぶとよいでしょう。
線画に使われるコピックの基本カラー
コピックの線画でよく使われる基本カラーは、ブラックやダークグレー、セピアなど落ち着いたトーンが中心です。これらの色は、キャラクターや背景など幅広いイラストに自然になじみます。
また、近年では用途や雰囲気によってブラウンやグレー系を使い分ける方も増えています。たとえば、優しい印象のイラストにはウォームグレー、シックな作品にはセピアなど、カラー選びで作品の雰囲気が大きく変わります。
コピック線画が向いているイラストジャンル
コピック線画は、人物イラスト、ファッションイラスト、動物、背景画、漫画など幅広いジャンルに適しています。特にアニメ調やかわいらしいキャラクター、繊細な表現が必要な作品によく使われます。
また、発色やにじみの少なさを活かして、カードやグリーティングなどのデザインにも利用されています。線の強弱を活かした表現や色の重ね塗りを楽しみたい場合にもおすすめです。
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コピック線画におすすめの画材選び

コピック線画をより美しく仕上げるためには、ペンや紙などの画材選びも重要です。それぞれの特徴を知っておくと、仕上がりに大きな違いが生まれます。
自分の描きたいイメージや用途に合わせて、最適な道具を選んでみましょう。
コピックマルチライナーの特徴と使い分け
コピックマルチライナーは、コピックで着色してもにじみにくい専用の線画用ペンです。インクが耐水性で、線がしっかりと残るため、下書き後の本描きや仕上げの線画に最適です。
種類も豊富で、ペン先の太さや、ブラックやセピアなどのカラー展開があり、作品の雰囲気や描きたい表現に合わせて選べます。例えば、細い線には0.03mm、強調したい部分には0.5mmといった使い分けができるので、一本持っていると便利です。
ピグマやドローイングペンとの違い
コピックマルチライナーのほかにも、ピグマやドローイングペンなど線画用のペンがあります。これらとの違いは、インクの種類と発色、コピックマーカーとの相性です。
ピグマやドローイングペンは水性顔料インクを使用しているため、耐水性があり、にじみにくい特徴があります。ただし、すべてのペンがコピックマーカーと相性がよいわけではないので、購入前に「コピック対応」と明記されているか確認しましょう。それぞれ描き心地や色味が異なるため、好みに合わせて選ぶことも大切です。
線画用ペンの太さと選び方のコツ
線画用ペンは、ペン先の太さによって印象が大きく変わります。細いペンは繊細な表現に、太いペンは力強い輪郭やデフォルメイラストに向いています。
一般的には0.05mm~0.5mm程度の太さがよく使われています。以下のように目的別で使い分けると仕上がりがきれいです。
- 0.03~0.1mm:まつ毛や髪の毛など細部
- 0.2~0.3mm:一般的な輪郭線
- 0.5mm以上:強調したいラインや外枠
いくつかの太さを揃え、描きたい部分ごとに使い分けるのがおすすめです。
線画に適した紙の種類と選び方
コピック線画に適した紙は、インクがにじみにくく、適度な厚みがあるものです。薄すぎる紙はインクが裏抜けしやすく、厚すぎると描き心地が重くなることがあります。
おすすめの紙としては、「コピック専用紙」「画用紙」「イラストボード」などがあります。特にコピック専用紙は発色が良く、裏写りしにくいため、初心者にも扱いやすいです。
紙によって描き心地や仕上がりが変わるので、何種類か試して自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
線画を美しく仕上げる描き方のコツ

コピック線画をきれいに仕上げるためには、描く際のテクニックや工程も大切です。一度で理想通りの線を描くのは難しいですが、ちょっとしたポイントを意識するだけで、完成度が高まります。
ここでは、線の強弱やレイヤーの違い、下書きから仕上げまでの具体的な流れを紹介します。
メリハリのある線画を描くテクニック
メリハリのある線画は、イラストに立体感や奥行きを与えます。太い線と細い線を使い分けることで、主役やポイントを引き立てることができます。
たとえば、キャラクターの外側や手前にある部分は少し太めに描き、細かいパーツや奥にあるものは細い線で描くと、自然な遠近感が生まれます。手首や関節、髪の毛の流れなど、動きがある部分に線の強弱を加えるのも効果的です。
ベクターレイヤーとラスターレイヤーの違い
デジタル作画で線画を描く場合、「ベクターレイヤー」と「ラスターレイヤー」という2種類のレイヤーがあります。
ベクターレイヤーは、線をあとから変形したり、太さを調整するのが簡単です。失敗してもやり直しやすく、きれいな線を追求したい方に向いています。一方、ラスターレイヤーは、紙に描くような自然なタッチが出るのが特徴です。細かい部分の描き込みや、ぼかし表現がしやすい点も魅力といえます。
用途や仕上がりの希望に合わせて、使い分けるとよいでしょう。
下書きから線画完成までの手順
コピック線画の基本的な流れは、以下のようになります。
- 薄い鉛筆やシャープペンで下書きを作成
- 下書きの上から線画用ペンで清書(ペン入れ)
- インクがしっかり乾いてから、消しゴムで下書きを消す
- 必要に応じて、修正や線の追加を行う
この手順を守ることで、線がにじまず、きれいな仕上がりになります。作業の合間にインクを乾かす時間を取るのもポイントです。
線画で失敗した時の修正方法
線画で失敗した場合、焦らず丁寧に修正することが大切です。修正には「ホワイト(修正液や白インク)」を使う方法や、消しゴムで軽くこすって薄くする方法などがあります。
また、デジタル作画の場合は「アンドゥ」機能でやり直したり、部分的に消して描き直すことも可能です。失敗を恐れず、落ち着いて対処すれば、仕上がりもきれいになります。
コピック線画をさらに引き立てる便利なアイテム

コピック線画をよりきれいに、楽しく仕上げるためには、プラスアルファの便利グッズも取り入れてみましょう。仕上げや小さな修正、イラストの雰囲気を変えるのに役立つアイテムがたくさんあります。
用途や好みに合わせて、いくつか揃えておくと安心です。
白インクや修正ペンの活用法
白インクや修正ペンは、線画の修正やハイライト入れに使えます。線のはみ出しやミスを消すだけでなく、光の反射や目元のきらめきなど、表現の幅を広げられます。
使う際は、インクがしっかり乾いた後にのせると、下の色が混ざりにくくなります。細かい部分にはペンタイプ、広い面には筆タイプなど、使い分けができると便利です。
羽ぼうきなど仕上げ用の便利グッズ
仕上げ用のグッズとして、「羽ぼうき」や「ブラシ」があります。これは、消しゴムのカスやホコリを払って、紙面を清潔に保つために使います。
特に線画作業では、細かなゴミがつくとインクのノリが悪くなったり、仕上がりに影響することがあります。羽ぼうきが一つあると、作業効率がアップし、作品を美しく保つことができます。
仕上げに使えるホワイトの種類
ホワイトには、液体タイプ、ペンタイプ、ジェルタイプなどさまざまな種類があります。それぞれの特徴を生かすと、用途に合わせて使い分けることができます。
- 液体タイプ:筆で細かなハイライトや広い面を塗るのに適しています。
- ペンタイプ:ピンポイントで修正や小さな点、線を描きたい場合に便利です。
- ジェルタイプ:インクの上に重ねても発色がよく、立体的な表現にも使えます。
仕上げたい表現に合わせて、何種類か使い分けると仕上がりがより美しくなります。
コピック線画と透明水彩の組み合わせアイデア
コピック線画に透明水彩を組み合わせると、独特の風合いと広がりのある色彩が楽しめます。線画に透明水彩を重ねることで、柔らかい雰囲気や透明感を表現できます。
ただし、紙の選び方や水加減に注意が必要です。コピック対応の厚めの水彩紙を使うと、にじみや裏抜けを防ぎやすくなります。水彩の上からコピックラインを足すことで、さらに幅広い表現が可能です。
まとめ:コピック線画に最適な画材とテクニックで理想のイラストを描こう
コピック線画には、適切な画材選びやテクニックが大切です。基本のペンや紙、仕上げ用の便利グッズを活用することで、思い描いたイラストに近づくことができます。
作業ごとに道具を使い分けることで、表現の幅も広がります。ぜひ、自分に合った画材や描き方を試しながら、理想のイラスト制作を楽しんでみてください。
世界70か国で愛されるコピック!
ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。
