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アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いを徹底比較!透明感と不透明感や用途の選び方もわかる

漫画やイラストを描くとき、どんな画材を選ぶべきかで悩む方はとても多いです。色の鮮やかさや使いやすさ、仕上がりの質感、失敗のしにくさなど、気になるポイントはたくさんあります。アクリル絵の具やアクリルガッシュは、プロから趣味の方まで幅広く愛用されている画材ですが、それぞれの違いや特徴をきちんと知ることで、自分のイメージに合った作品づくりがしやすくなります。

この記事では、アクリル絵の具とアクリルガッシュの違い、使い方のコツや選び方、保存やアレンジの方法まで、初心者にも分かりやすく解説します。画材選びの参考にして、楽しく創作を続けていきましょう。

目次

アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いを知ろう

アクリル 絵の具 アクリル ガッシュ 違い

アクリル絵の具とアクリルガッシュは、どちらも水で溶ける便利な画材です。しかし、実際にはいくつかの大きな違いがあるため、用途や好みに合わせて選ぶことが大切です。

アクリル絵の具の基本的な特徴

アクリル絵の具は、水に溶かして使える絵の具の一種で、発色の良さと乾くと耐水性が出るのが大きな特徴です。透明感のある色合いを活かしながら、重ね塗りやグラデーションもきれいに表現できます。

また、乾燥が早いので効率よく作業できる点も魅力です。発色の美しさに加え、紙だけでなくキャンバスや木、布などさまざまな素材にも描けるため、自由度が高い画材として多くのアーティストに支持されています。イラストやデザイン、漫画原稿の彩色など、幅広い用途で活躍します。

アクリルガッシュとはどんな画材

アクリルガッシュは、一見アクリル絵の具と似ていますが、仕上がりがマット(つや消し)になるのが特徴です。絵の具に細かな粉末を混ぜて作られており、塗ったあとの表面がつやのないサラッとした質感になります。

アクリルガッシュは下地をしっかり隠してくれるので、ポスターやイラスト、看板など色ムラを出したくない場面でよく使われます。また、乾燥後は耐水性もあるため、さまざまな場所に展示する作品にも向いています。発色も鮮やかで、色が混ざりやすいのも特徴です。

透明感と不透明感の違い

アクリル絵の具は透明感のある発色が得意です。重ねたときに下の色がうっすら見えるので、色を塗り重ねることで奥行きや光の表現がしやすくなります。自然なグラデーションを作ったり、微妙な色合いを楽しみたいときに向いています。

一方、アクリルガッシュは不透明で、塗った部分がしっかりと下地を隠します。色を塗り重ねても下の色が透けにくいので、ベタ塗りやポップなイラスト、しっかりした輪郭や模様を表現したいときに便利です。それぞれの画材の透明感・不透明感を理解して、表現したいイメージに合う方を選びましょう。

仕上がりの質感や用途の違い

アクリル絵の具は、乾くとややツヤのある仕上がりになる場合が多いです。光を受けて色が鮮やかに見えるため、イラストや細やかな描写、風景画など幅広い絵に使われます。ぼかしやグラデーションもきれいに表現できるので、繊細な作業にも向いています。

対してアクリルガッシュはつや消しで、仕上がりがフラットな印象になります。ポスターカラーのような雰囲気で、デザイン画やマンガ原稿のベタ塗り部分、看板など見栄えを重視した用途におすすめです。どちらも耐水性はありますが、表面の質感や用途によって使い分けが大切です。

どちらを選ぶか迷ったときのポイント

迷ったときは、仕上がりや用途に合わせた選び方がポイントになります。たとえば、色の重なりや透明感を重視する場合はアクリル絵の具が向いています。逆に、色ムラのないベタ塗りやポスターのような仕上がりを求める場合はアクリルガッシュが扱いやすいです。

また、作品のイメージや展示場所、使いたい技法によっても選ぶ画材が変わってきます。どちらも少量ずつ試してみて、自分に合ったものを見つけるのも良い方法です。以下の表で簡単な違いをまとめます。

画材質感透明度
アクリル絵の具ツヤあり透明・半透明
アクリルガッシュマット不透明

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アクリル絵の具のメリットと使い方のコツ

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アクリル絵の具は、鮮やかな発色と扱いやすさで多くの人に選ばれています。ここでは、アクリル絵の具の魅力や、きれいに仕上げるためのコツについて紹介します。

発色が鮮やかで重ね塗りも楽しめる

アクリル絵の具の大きな魅力は、色の鮮やかさです。発色がよいため、イメージ通りの色を表現しやすく、作品を華やかに仕上げることができます。透明感があるので、何色かを重ねて塗ることで深みや味わいをプラスすることも可能です。

また、重ね塗りを繰り返しても下の層がにじみにくいので、思い切りよく色づかいを楽しむことができます。塗る順番や厚みを工夫することで、立体感や奥行きのある表現にチャレンジできるのもアクリル絵の具の長所です。

乾燥が早く時短制作に向く

アクリル絵の具は、塗ったあとすぐに乾きます。そのため、短時間で作品を完成させたいときや、何工程も重ねて描きたい場合にも便利です。乾燥を待つ時間がほとんどないので、作業がスピーディーに進みます。

しかし、乾燥が早いぶんパレットの上で絵の具が固まりやすいという面もあります。こまめに水を加えたり、少しずつ絵の具を出すなど、扱い方に注意することで、ストレスなく制作できます。

さまざまな素材に描ける応用力

アクリル絵の具は、紙だけでなくキャンバス、木、布、プラスチックなど、幅広い素材に使えるのが特徴です。例えば、Tシャツや布バッグのデザイン、木製パネルへの描画、雑貨の装飾など、アイデア次第で作品の幅が広がります。

素材によっては事前に下地剤(ジェッソなど)を塗ると、より発色が良くなったり、絵の具の定着が良くなることがあります。いろいろな素材で試してみて、自分だけのオリジナル作品づくりを楽しみましょう。

水で薄めて水彩風にも使える

アクリル絵の具は、水で薄めることで水彩絵の具のようなやわらかい表現も可能です。たっぷりの水で溶くと、淡い色合いやにじみ、ぼかしを活かしたイラストや背景を描くことができます。

また、筆のタッチや水分量を変えることで、同じ色でも違ったニュアンスを出すことができるため、一つの絵の具でさまざまな表情を生み出せます。水彩のような透明感とアクリル特有の鮮やかさを併せ持った表現に挑戦してみるのもおすすめです。

失敗しにくい基本的な使い方

アクリル絵の具は乾くと耐水性が出るので、うっかり水をこぼしても色が流れません。また、上から何度でも塗り重ねられるため、多少失敗しても修正がしやすいです。下描きの線が気になる場合は、上からしっかり隠すことも可能です。

使い方のポイントをまとめると次の通りです。

  • 絵の具は少しずつパレットに出す
  • 筆やパレットはこまめに水で洗う
  • 乾く前に素早くぼかすときれいなグラデーションになる

これらを意識することで、きれいに失敗なく作品を仕上げることができます。

アクリルガッシュの特徴と注意点

アクリル 絵の具 アクリル ガッシュ 違い

アクリルガッシュならではの質感や扱い方、注意点について紹介します。ベタ塗りやデザイン向きの特徴がある一方で、使うときのコツも押さえておきましょう。

ムラになりにくいマットな仕上がり

アクリルガッシュは、塗ったときに表面がつや消し(マット)になるのが最大の特徴です。光の反射が少ないので、色がはっきり見え、ムラのない均一な面を作りやすくなっています。特にポスターや看板、デザイン画など、見た目のインパクトを重視する場合に適しています。

また、色同士がしっかり重なり合うため、複数の色で構成されたイラストや図案にも使いやすいです。ムラが出にくいので、広い面積を一気に塗る作業にも向いています。

下地をしっかり隠す高い隠ぺい力

アクリルガッシュは、色の隠ぺい力が高く、下地の色や線をしっかり隠してくれます。そのため、失敗した部分の修正や、上からはっきりした模様や文字を描くのにも便利です。重ね塗りをしても下の色が透けにくいので、明るい色の上に暗い色を重ねたり、逆に暗い色の上に明るい色を乗せることも可能です。

この特性は、ポップなイラストやグラフィックデザイン、ロゴ制作など、はっきりとした表現をしたい場面で特に役立ちます。

乾燥後は耐水性がアップ

アクリルガッシュもアクリル絵の具と同様、乾燥後は耐水性が高まります。仕上がった作品は水に強く、多少の湿気や水滴にも色落ちしにくくなります。これにより、長期保存や屋外での展示にも一定の安心感があります。

ただし、塗り重ねや修正をしたい場合は、乾燥する前に作業を終えるのが理想的です。乾いてしまうと、水では溶けないため重ね塗りがしにくくなる点にも注意しましょう。

厚塗りやひび割れに注意が必要

アクリルガッシュは不透明なぶん、つい厚く塗りすぎてしまうことがあります。しかし、あまり厚塗りをすると乾燥時に表面がひび割れることがあるので注意が必要です。薄く何度かに分けて塗ることで、きれいな仕上がりを保つことができます。

また、乾燥すると色味がやや変わる場合があるので、色を確認しながら塗り進めると安心です。筆やパレットが固まらないよう、こまめに水で洗うことも忘れずに行いましょう。

屋外展示や保存性のポイント

アクリルガッシュは比較的保存性が高いですが、屋外に長期間展示する場合は注意が必要です。紫外線や雨風にさらされると、色あせや劣化が早まることがあります。屋外用の専用コーティング剤を使ったり、耐光・耐水性の高い製品を選ぶのがおすすめです。

保存の際は、直射日光や湿気を避け、なるべく室内の安定した環境で管理しましょう。作品を長く美しく保つためにも、保護スプレーやクリアコートを活用するのが良い方法です。

どちらを選ぶ?アクリル絵の具とアクリルガッシュの選び方

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自分の描きたいイメージや用途に合わせて、アクリル絵の具とアクリルガッシュをどう選ぶか迷う方も多いでしょう。ここでは、目的や予算、好みに合わせた選び方のポイントを解説します。

初心者におすすめの選び方

はじめて使う場合は、アクリル絵の具とアクリルガッシュの「セット商品」がおすすめです。基本色がそろっており、さまざまな色を試しながら自分の好みを見つけやすいからです。また、小分けのセットは扱いやすく、少量ずつ使い切れるため無駄がありません。

どちらを選ぶか迷う場合は、まず透明感やグラデーションを楽しみたいならアクリル絵の具、ムラのない仕上がりが好みならアクリルガッシュを選ぶと良いでしょう。どちらも使ってみて、使いやすさや発色、仕上がりを体感するのが上達のコツです。

イラストや看板制作に向く画材はどっち

人物イラストや漫画原稿、繊細な描写がメインの場合は、アクリル絵の具が向いています。透明感や色の重なりを楽しみながら、細かな表現やグラデーションにも対応しやすいからです。

一方、看板やポスター、ロゴ、ベタ塗りなどハッキリした色面や線を描きたい場合はアクリルガッシュが適しています。ムラのないマットな質感が、見栄えよく仕上げたい場面に役立ちます。

価格やメーカーによる違い

アクリル絵の具もアクリルガッシュも、メーカーやグレードによって価格や質が異なります。プロ用は顔料が多く発色が良いですが、価格も高めです。一般的なメーカー商品なら、初心者でも手軽に試しやすく、品質も安定しています。

主要なメーカーにはホルベイン、ターナー、リキテックスなどがあります。それぞれ色のラインナップや質感に特徴があるため、少量の単品やミニセットで自分に合うものを探すのもおすすめです。価格と品質のバランスで選びましょう。

セット商品と単品購入の比較

セット商品は、主要な色がそろっているため、はじめて画材をそろえる場合に便利です。一方、単品購入は好きな色だけを追加したいときや、消耗しやすい色だけを選びたいときに向いています。

購入方法メリットデメリット
セット色がそろいコスパが良い使わない色が余ることがある
単品必要な色だけ選べるまとめ買いより割高になる場合

最初はセットで始め、慣れてきたら単品で好みの色を追加するのが効率的です。

目的別おすすめランキング

用途や目的別に、おすすめの画材を簡単にまとめます。

用途おすすめ画材理由
イラスト・漫画アクリル絵の具透明感・繊細な表現ができる
看板・ポスターアクリルガッシュマットで目立つ仕上がりが可能
初心者・お試しセット商品色がそろいコスパが良い

画材選びをもっと楽しむための裏技と豆知識

画材をもっと深く楽しむために、ちょっとしたアレンジや便利なテクニック、道具の選び方なども覚えておくと創作の幅が広がります。ここでは、知っておくと役立つ情報を紹介します。

メディウムを使ったアレンジ方法

アクリル画材の楽しさを広げるアイテムが「メディウム」です。これは、絵の具に混ぜることで質感や乾燥速度、透明度を変えられる補助剤です。たとえば、ジェルメディウムを混ぜると、粘り気が出て立体的な表現ができます。グロスメディウムならつやを、マットメディウムならつや消し効果をプラスできます。

メディウムを使うことで、同じ絵の具でもさまざまな仕上がりが楽しめます。自分だけの表現を見つけたり、作品の幅を広げたいときにぜひ試してみましょう。

筆やパレットの選び方と手入れ

筆やパレットは、使いやすさや仕上がりに影響する大切な道具です。筆は、細い線用・平筆・丸筆など使いたい表現に合わせて揃えましょう。アクリル絵の具用のナイロン筆は耐久性があり、お手入れもしやすいです。

パレットはプラスチック製や紙パレットがおすすめです。使い終わったらすぐに水やぬるま湯で洗い、絵の具が固まらないようにしましょう。筆も同様に、乾く前にやさしく洗い、形を整えて乾かすことで長持ちします。

色数を増やす混色の基本テクニック

基本色の組み合わせだけでも、さまざまな色を作ることができます。混色の基本は「三原色」(赤・青・黄)を中心に、白や黒を加えて明るさや暗さを調整します。絵の具は少量ずつ混ぜながら、思い通りの色に近づけていくのがコツです。

混ぜる順番や割合によっても色合いが変わるので、パレットの端で試し塗りをして確認しましょう。色見本を作っておくと、次回以降も同じ色が作りやすくなります。

他の画材との組み合わせ例

アクリル絵の具やガッシュは、他の画材と組み合わせることで新しい表現が生まれます。たとえば、色鉛筆やパステルの上からアクリルでコーティングしたり、インクやペンで線画を描いた後にアクリルで彩色する方法もあります。

また、マスキングテープやスパッタリング(飛沫)などの技法を取り入れるのも面白いです。画材の特長を活かしながら、自分だけの表現を見つけていきましょう。

作品の保存とコーティングのコツ

完成した作品をきれいに保つためには、保存方法やコーティングも大切です。アクリル画材は乾燥後に耐水性がありますが、摩擦や紫外線には弱い場合があります。専用のコーティング剤やスプレーを使うと、色あせや汚れから作品を守ることができます。

保存するときは、直射日光や湿気を避け、ファイルやケースに入れて保管しましょう。額縁やマットを使うと、見た目も美しくなり、長持ちします。

まとめ:アクリル絵の具とアクリルガッシュの違いを知って理想の作品作りをしよう

アクリル絵の具とアクリルガッシュには、それぞれ異なる魅力と特徴があります。自分の表現したいイメージや用途に合わせて、最適な画材を選ぶことが理想の作品作りへの近道です。

まずは気軽に試してみて、色の違いや仕上がりを実感しましょう。迷ったときや行き詰まったときは、本記事のポイントやテクニックを活用し、漫画やイラスト制作をもっと自由に楽しんでください。

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ペンにこだわると、イラストがどんどん上達します。

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この記事を書いた人

漫画やアートで「これってどうしてこんなに心を動かされるんだろう?」と考えるのが好きです。色の選び方や構図、ストーリーの展開に隠れた工夫など気づいたことをまとめています。読む人にも描く人にも、「あ、なるほど」と思ってもらえるような視点を、言葉で届けていきたいと思っています。

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